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第三十三話 大魔法陣

「ここは岩だらけだな。」


 森を抜けると、大きくて赤茶色をした岩がいくつもある場所に出た。


「魔物の気配もしなければ人がいる気配もしないね。」

「うん。でもおかしいな。ここはマナのにおいがしないんだけどなぁ。」

「そうなのか?」


 魔物にとってマナのにおいがしなければここにいない理由はないはずなのだが。


「誰かがあらかた倒してしまったんじゃねーか?」

「いや、それはないかもな。」

「どうしてだ?」


 俺は辺りを見回してから答える。


「この辺りには戦闘があった形跡がない。」

「じゃあなんで魔物がいねーんだよ。」


 俺はしばらく考え込む。


(マナのにおい以外にも苦手なものがあるのか。いや、そんな話聞いたことない。マイがなんの反応も示さないということは少なくともにおいが関係しているということはない。じゃあ何が原因だ?この場所に何か秘密があるのか?岩しかないこの場所に。それとも意図的にこの場所にいないのか?)


「なんかこの岩面白いな!」


 早乙女がいきなり笑い出す。


「どういうことだ?」

「だって見てみなよ!人の顔に見えるっしょ!」

「…言われてみれば見えなくもないような。」


 早乙女の指さす岩は確かに人の横顔のように見える。


「でもこれって人っていうよりは魔物みたいじゃないですか?ほら、角みたいなのも生えてますし。」

「おー、確かに!…ん?」

「どうしたの?」

「なんか変じゃね?これってグリーンゴブリンだよね?」


 グリーンゴブリンといえば最初に戦った魔物だ。


 そして、わかりにくいがあの角の形、特徴的な顔の丸みは確かにグリーンゴブリンのものと似ていた。


「もしかして…。」


 真白は突然走り出す。


「やっぱり。」

「おい、どうしたんだよ。急に走り出して。」

「この岩を見て。」

「これは…ウルウルフ…か?」

「多分そうだと思うよ。」


 俺は振り返って走ってきた方向を見る。

 

「なるほど。そういうことか。」

「おい、どういうことだよ。」

「…ついてくればわかるはずだよ。」


 そういうと俺たちは岩の向いている方向へと歩いていく。


「まじか!?この岩も魔物の形をしてるじゃねーか!」

「ああ。つまりここにある岩には意図的に作られたものが混ざってある。そうだよな?」

「うん。」

「でもどうして気づいたんですか?」


 確かに魔物の形をしているからといって、普通は岩が向いている方向に何かあるとは思わない。


 しかし、岩の形がグリーンゴブリンであれば話は変わってくる。


「魔物が現れたのは魔王が世界を5つに分けてから。ならこの大陸にグリーンゴブリンの形をした岩があるのはおかしい。だからもしかしたら何かあるのかもって思ったの。」

「でも偶然って可能性もあったよ。」

「だから確かめたんだよ。」


 実際それは偶然じゃなかった。


「でもこれがあるからどうなんだ?」

「それは…。」

「こんなこと理由がなければしないよ。とりあえず岩をたどってみよう。


 それからはただひたすら岩の向く方向へと走っては確認しての繰り返しだった。


「…これって。」

「…グリーンゴブリンだな。」

「…最初に戻ってんじゃねーか!」


 おかしい。6か所も魔物の形をした岩があったのに何もないなんてありえない。


「何か意味はあるはずなんだ。」


 考えろ。この場所からあっちに向かって、それからあっち…。


「…わかった。」

「ほんと?」

「ああ、ついてきてくれ。」


 俺はみんなを連れて歩いていく。


「この岩だな。」

「この岩がどうかしたのかー?」

「俺の推測があってればこの岩を壊せば何かが起こるはずだ。」


 俺は岩に向かって思い切りスキルを放つ。


 すると突然地面が黄色く光りだす。


「うわ!なにこれ!」

「春人君!これって魔法陣じゃ…!?」

「ああ。」

「おいおい。大丈夫なのか。」

「多分大丈夫なはずだ。この魔法陣はたぶん転移系のものだから。」


 周りにあった岩も光り始め、俺たちを包んでいく。


 次の瞬間俺たちは海に囲まれた小さな島に飛ばされた。


「本当に知らない場所に飛ばされちゃった。」

「あたしこんなの初めて!」

「何度も悪いんだが…。説明してもらえるか?」


 アレンはもう何がなんでかわからなさそうに困惑した表情で聞いてきた。


「えっと…まずは岩のことだけど、すべて魔物の岩と岩の間を線でつないでたんだ。最初は岩の向く方向に法則性がなかったから全然気が付かなかったけど、すべてを線でつなぐことに意味があったんだ。すると一か所だけ対角線上に岩があったんだ。」

「なるほど。その岩を壊すことで魔法陣が完成したってことね。」

「ああ。逆に言えばあの岩がある限りあの魔法陣は永遠に出現しなかっただろうな。」


 こんな芸当ができるのは一人くらいしか思い浮かばない。


「もしこの魔法陣が魔王によって作られたものだとしたらいるはずだ。この島に幹部が。」


 そうであるならば幹部が発見されていないのも頷ける。


「ではあの魔法陣が危険ではないとわかってのはなぜですか?」

「実は俺と真白は一度魔法陣で転移してことがあるんだ。その時の魔法陣の色が黄色だったから安全だと思って。ほら、ブラッディファナティックスが使ってた魔法陣は赤に光ってただろ?」

「そういえば…。」

「何はともあれいったん街に戻ろう。みんなに伝えないといけないし。」

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