第三十一話 砂浜の戦い
早乙女を仲間に加えた俺たちはウルゴアの街へとたどり着く。
「んじゃ、改めまして自己紹介させてもらうね。あたしは早乙女翼。」
「私は花澤真白。よろしくね。」
「俺は大城アレンだ。」
「マイだよ。」
「小笠原美織です。よろしくお願いします。」
「よろしくー!」
「それにしてもどうしてあんなことしていたの?」
「あたしずっと一人でやってきたんだけど、そろそろ厳しいかなーって思ってて。それで強い人を探してたんだ。」
まさかとは思っていたけどここまで一人でやってきたなんてすごいと思う。俺なんて一週間で限界を感じていたのに。
「いやー、まさかあんたたちみたいな有名人の仲間になれるなんて思ってもいなかったよ。」
「有名人?俺たちが?」
「そ。幹部戦で大活躍したって話題になってたよ。」
全然知らなかった。あんまりそういった話を耳にしてこなかったから、俺たちが周りにどう思われているかなんて考えたことなかった。
「これからは私も全力で頑張るからよろしく!」
「頼もしいよ。」
一通り自己紹介も終わったので、これからの予定について話し合う。
「さて、これからどうしようか。あまりこの大陸について詳しくないからどこに魔物がいるかわからないんだよな。」
「それならあたしに任せて!ここから東に行くと海があるんだけど、海岸に魔物がいっぱいいるんだよね。」
「海なんてあるの!?」
そういえばこの世界に飛ばされてから海を見たことなんてなあったな。
「それじゃあ、そこに行ってみようか。」
早乙女の提案で俺たちは海岸へ向かうことにした。
「うわー、本当に海だー!」
「あれが海?」
マイにとって海は初めて見るものだった。
「きれいですよね。」
「うん!」
そこには海がまるで無限に続いているかのように広がっている。
「でも磯の香りはしないんだな。」
「俺はあのにおいが海って感じで好きなんだけどな。」
どうやらこの世界の海は俺たちの世界のものとは少々異なるようだ。
「あそこにいるのが魔物だよ。よーし、みんな倒してやるー!」
そういうと早乙女は一人で魔物の群れに突っ込んでいく。
「おい!…まったく、さっそく一人で行っちゃうんだから。」
「私たちも行こう!」
早乙女に続いて俺たちも海岸へと走っていく。
「うわ、カニと貝がいっぱいいるな。」
「こいつらの素材なら頑丈なもんが作れそうだぜ。」
カニの甲羅や貝は固いから壊れにくいものが作れるはずだ。
「おりゃー!!」
早乙女はすごい勢いで魔物を倒していく。一人で戦ってきただけあって動きが速い。
「俺たちも負けてらんないな。」
早乙女に負けじと俺たちも早速攻撃しようとする。
「うわ、動きにくい!」
ここは砂場なので思うように動けない。
「おいおい、あいつこんな動きにくい場所であんなに俊敏に動けるのかよ。」
早乙女は砂場をものともせずに魔物を倒していく。
「すっげ…。」
「やああ!!!」
何とか俺たちも魔物を倒していく。
「ふぅ、ここら辺の魔物は全部倒したかな。」
結局三分の一くらいは早乙女が倒した。
「どうしてあんなに早く動けたんだ?」
「あたし海のそばで育ってよく砂浜で遊んでたから慣れてるんだ。」
「慣れであんなになるものなのか…。」
もともと運動能力が高いのだろう。
「それにしても結構素材集まったな。とりあえずこれでなんか作ってみるか。」
「じゃあ、いったん街の戻るか。おなかもすいたし。」
気が付くともう夕方だ。移動時間にかなり時間をとられてしまったので無理もない。
街に戻ってきた俺たちは早速酒場へと向かった。
「そういえばあいつらはどうなったんだろう。」
「あいつらって?」
「つい最近殺人事件が起きてただろ?その犯人のことだよ。」
早乙女は首をかしげている。知らないのも無理はない。
「でも犯人は昨日倒したじゃねーか。何か気になることでもあるのか?」
「いや、あいつらはどうして消える指輪なんて貴重なものを全員が持っていたんだろうって。」
「確かに変だよね。施設は以前からあったものだしても、消える指輪なんて聞いたことないもんね。」
ただ知らなかっただけならいいのだが。
「誰か後ろにいるのかなって…。」
「考えたくもないですね。」
「もしそんな奴がいたらあたしがぶっ倒してやる!」
早乙女は立ち上がると声を荒げて言う。
「なんかよくわかんないけど許せねー!」
そんな時、料理が運ばれてきたた。
「まあ、今は確証がない以上気にしてても仕方ないよ。」
「…そうだな。料理もきたことだし頂きますか。」
「うん!」
引っかかることはあるけれど、今は次の幹部戦に向けて強くならないといけない。




