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第二十七話 秘策

「俺たちも優樹に続こう!」

「…僕はあまり力になれないからここで待ってるよ。」

「私は…。」

「美織もここで待ってて。いざとなったらサポートを頼むよ。」

「わかりました。」


 情報屋と美織を待機させ、俺たちも下へと乗り込む。


「なんだこいつら!?」

「仲間…ではなさそうだな。」


 こんなところにまで乗り込んでくるとはさすがに想定していなかったようで、困惑している。


「もうお前たちの好きにはさせない!」


 俺たちはいっせいに敵の輪の中へと飛び込んでいく。


「はあああ!!!!」


 うまく攻撃をかわしながら殺さないように攻撃を決めていく。


「何をやっている!早く殺せ!!」

「でも、こいつら強い…!」

「あれを使え!」


 ボスの指示とともに皆一斉に手を挙げ始める。


 すると、手にはめていた指輪が光り始め、姿を消した。


「な!?消えた!?」 

「みんな、気を付けろ!!」


 背後を取られないように俺たちは互いに背を合わせるように構える。


「くっ!」


 人数が多く、おまけに足音が響いて場所が特定しづらい。


「オラァ!」


 うまくかわせず、俺たちは傷を負っていく。


「はぁはぁ、まずいな。このままじゃやられるぞ。」


(せめて敵の居場所さえつかめれば…!)






「なにか良い手はないのでしょうか?」

「…あの指輪は姿を消すアイテムじゃないんだ。正確に言えば相手から自分への認識を阻害するものなんだ。だから一度認識することができればもう姿を消すことはできなくなる。」

「なら、場所を特定できるようにすればいいんですね?」

「うん。でもその方法が…。」

「大丈夫です。私に策があります。」






「きゃ!」


 守り続けるのも苦しくなってきた。すこしずつ、しかし確実に体力は削られている。


 そんなときだった。俺の頬に一粒の水滴が落ちてきた。


「ん?水…?」


 空を見上げると、シャワーのように水が降ってくる。


「なんだ!何が起きている!」

「みなさん!遅れてすいません!」


 上から美織の声が聞こえてくる。


 真織の手にはホースが握られている。


「これで相手の姿も見えるはずです!」

「そうか!」


 水が不自然にはじかれ、人の姿が現れる。


「見えるならこっちのもんだぜ!」

 

 美織のアシストで形勢逆転する。


「もう終わりだ。諦めろ。」

「終わりだと…?馬鹿か貴様ら。」


 魔法陣の上に手を置き、何やらつぶやき始める、


「まずい!」


 何かを察知した情報屋は走り始める。


「もう準備は終わった。終わるのは貴様らだ!」


 魔法陣が光り始め、中心に置かれた像が空中へと浮く。


 すると、像にひびが入り、どんどん割れていく。


「はっはっはっは…って何だこれは!?」


 像の中から現れたのは頭の角は一つ折れ、体には大きな傷が入った魔物だった。よく見たらところどころボロボロで魔王と呼ぶには程遠い見た目をしていた。


「ふぅ、何とか間に合った。」

「貴様何をした!」


 魔法陣の上には情報屋が立っていた。


「魔法陣の一部を消したんだよ。さっきの水がなかったら危なかったー。」

「くっそが!!!」


 何とか魔王に似た存在が生まれるのは阻止したが、それでも目の前にいるのは様々な人の血で生まれ、かなりの力を持った魔物だ。


「キィィィィィ!!!」


 魔物はがむしゃらに暴れ始める。


「こんなもん止めてやる!」

「だめだ!よけろ優樹!」


 魔物によって放たれた一撃は衝撃波を生んで壁まで飛んでいく。


「あっぶねー。助かったよ。」

「思ったよりも厄介な相手かもな。」


 もしこれが完全な存在だったらどうなってたことか。


「…はは。はっはっは!魔王の召喚は阻止されたが、儀式自体は成功した!お前らはここで死ぬんだな!」

「どこへ行くつもりだ!」

「計画が失敗した以上、もうここにいるつもりはない。さらばだ。」


 ブラッディファナティックスのボスはそばにあった裏口から逃げるように去っていく。


「逃がさない!」


 真白は後を追おうとするが、魔物が道を阻む。


「…っく!」

「やっぱりこいつはここで倒さないとな。」


 




「馬鹿な奴らだ。」

「どこへ行くつもりですか?」


 美織が後ろからボスを引き留める。


「逃げるんですか。仲間を置いて。」

「仲間?そんなものはどうだっていい。俺が信じるのは魔王様だけだ。ほかのやつらなどどうでもいい。」

「ふざけないでください。」


 美織は口調を荒げる。


「どんな形であれあの方たちはあなたを慕っていたはずでしょう。」

「何度も言わせるな!もう俺には必要ないんだよ!」


 美織は盾を取り出す。


「…私は一度仲間に捨てられました。」

「いきなり何を…。」

「でも春人さんたちはこんな私を優しく受け入れてくれた。」


 美織は一歩づつ進んでいく。


「何が言いたい!」

「みんな私のために命を懸けて戦ってくれたんです。」

「こっちに来るな!」

「これが仲間なんだって。なんて温かいんだろうって感じたんです」


 美織は前だけをまっすぐ見つめる。


「…だから私もみんなのために、仲間を大切にしないあなたを今ここで倒さなければならないんです。」

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