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第二十二話 動き出す闇

「…そういえば情報屋ってどこにいるんだ?」


 考えてみれば情報屋にはいつも話しかけれるばかりで、自分からは会いに行ったことがない。


「確かに。なんか神出鬼没って感じだよね。」

「それではここから北東にある街に行ってみませんか?まだ行ったことがなくて。」

「北東にある街か…。俺たちも行ったことないな。」

「じゃあ、とりあえずそこに向かおうか。」


 この大陸に来てからグロウフラワーの捜索ばかりだったので、いまだに行ったことがなかったのだ。


 そんな時だった。俺に黒谷からメッセージがと届いた。


『ブラッディファナティックスについてわかったことがある。突然で悪いがウルゴアの街に来てもらえないか。直接話しておきたいのでな。』


 ウルゴアの街はちょうど俺たちが向かおうとしていた街の名だ。


「直接話したい…か。何やら嫌な予感がするな。」


 俺は若干の不安を抱えながらもウルゴアの街へと向かった。






「これがウルゴアの街か。」

「なんかとってものどかなところだね。」


 この街もマナの木の影響で魔物の被害にあう心配がないのだろうか。


「…この街安心するなぁ。」


 真白の気持ちがよくわかるな。この街はいままでと違って自然に囲まれており、あたりを見回せば、そこには池や畑などまるで実家のような安心感がある。


 …まあ、実際は実家の風景とはかけ離れているが。


「黒谷はどこにいるんだろうか。」

「あっちのほうにいるんじゃねーか?建物も多いし。」


 どうやら向こう側が生活地のようだ。


「あれ、黒谷のおじさんじゃない?」


 マイの指さす方向には黒谷の後ろ姿があった。


「ん?春人君たち来たみたいだぞ、リーダー。」

「悪いな、わざわざ来てもらって。」

「いや、ちょうど俺たちもここに向かうつもりだったから。それよりもわかったことって?」

「…少し厄介なことになってな。」

「厄介なこと?」


 すると、黒谷は一枚の写真を俺たちに見せる。


「これって…!?」


 そこに写っていたのは剣で貫かれ大量に血を出して横たわっていた死体だった。


「これはつい先ほどこの街を東に少し行ったところで発見されたものだ。見てわかる通り、間違いなく人の手によって行われたものだ。」

「そんな…。」


 あまりの衝撃に俺たちは動揺を隠せなかった。


「実は今回が初めてではないのだ。」


 そういうともう一枚写真を見せる。


「これは昨夜始まりの街で発見されたものだ。まったく同じ手口で行われていることから同一犯かあるいは…。」

「まさか、ブラッディファナティックスか!?」

「その可能性が高いはずだ。」


 そんな短期間で始まりの街とこの街を移動するのは不可能だ。まして人を殺害するとなると確実に複数犯だ。


「まさかもう動き出していたなんて…。」


 考えが甘かった。人が殺されているとなるともう悠長なことは言ってられない。


「…なんとしても止めないと。奴らはどこにいるんだ!」

「焦るな。今我々も探している途中だ。規模も目的もわからない以上そう簡単には見つからんだろう。」

「くそっ。」


 こうしている間にもまた誰かが危険な目にあっているかもしれない。


「俺たちも探す!このまま待ってなんていられない。」

「…どこを探すつもりだ。」

「それは…。」

「…焦るなといっただろう。」


 そうだ、ここで感情的になってはだめだ。冷静に物事を考えるんだ。


 俺は深呼吸をする。


「俺たちは始まりの街に戻って足取りを追ってみようと思う。」

「そうか…。止めはしない。だが、これだけは肝に銘じておけ。すべての人の命を救うなんてことは無理だぞ。」

「おい、リーダー!なんであんたはまた…。」

「それでも救って見せるわ!」


 真白が大きな声で言った。


「真白…。」

「そうですね。精一杯頑張りましょう。」


 本当に俺はいい仲間を持ったな。みんなと一緒ならきっと大丈夫だ。


 俺たちは黒谷たちに別れを告げるとそのまま始まりの街へと向かう。


「ちょっと待ってくれ!」


 後ろから呼び止めたのは優樹だった。


「俺もついて行っていいか?」

「え?黒谷たちのほうはいいのか?」

「ああ。なんかこっちについていった方がいい気がしてね。」

「こちらとしてはありがたいけど…。」

「じゃあ決まりだな。」


 こうして優樹を加え始まりの街へと向かった。






「よかったのか。青葉を行かせて。」

「どうも俺はあの黒野ってガキが気に食わねーんだよな。」

「そういうな。彼はきっと我々の力になってくれる。」

「リーダーがそういうならいいけどよ。」

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