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第二十一話 マナの木

「この辺りにはなさそうですね。」


 グロウフラワーを探しに草原まで来たものの、いまだに見つけられないでいた。


「そういえば草原ばかり探してるけど、本当にここにあるのか?」


 確かにこの辺りは花が多いので、見つかる可能性は高いとは思う。


「そもそもどこでそのアイテムの存在を知ったんだ?」


 アレンは疑問をぶつける。


「…そうですね。皆さんには話しておいたほうがいいですね。昔は私もとあるパーティーに加入していたんです。でも、私がこのスキルを覚えてからあっという間にその情報は伝わってしまい、多くのパーティーから狙われるようになってしまったんです。その結果私はパーティーを脱退させられました。」

「そんな…ひどい。」


 だから彼女は一人でいたのか…。


「…その日から私はこのスキルをどうにかしようと街中から情報を集めました。1週間ほど探し続けて、ついに私は手掛かりをつかんだんです。それは200年ほど前に書かれた本に記載されていました。」

「200年!?」

「はい。そこには『私は旅の途中に一輪の輝く花をウアロ草原にて見つけた。この花には何やら特殊な効果があり、スキルを保管しておくことが可能であった。長い間旅をしているが、このようなものは見たことがない。』と書かれていたんです。」


 ウアロ草原とは今俺たちがいる草原のことである。


「そっか…。でも200年前となると、今でも存在しているかはわからないな。」

「とても可能性が低いことはわかっています。でももう私のせいで誰かが傷つくのは見たくないんです。」

「美織…。」


 こんなに俺たちのことを思ってくれるのであれば俺たちが諦めるわけにはいかない。


「200年前のウアロ草原は今と同じ大きさなのか?」

「どういうことですか?」

「200年前の話ということはまだ大陸に分断される前ということだよな。ということは草原の一部分がほかの大陸にあるとかは…。」

「…もしかして…。」


 そうつぶやいたのはマイだった。


「どうしたの?」

「ここら辺はマナの木のにおいと同じ匂いがするって言ったでしょ?もしかしたらあのでかい木はもともとウアロ草原のものだったのかもって。」

「…なるほど。行ってみる価値はありそうだな。」


 言われてみれば、あの木は夜になると光り輝く特殊な木だ。もしグロウフラワーがあの木に何らかの関係があるのなら見つかる可能性もあるはずだ。


 マナの木まで来た俺たちは、周辺を探してみることにした。


「この大陸には草原なんてねーよな。やっぱりウアロ草原とは無関係なんじゃねーか?」

「ではこの大きな木は何なんでしょうか。」

「大陸が分断される前にこの木をウアロ草原から持ってきたんじゃないかな。何百年も前なら木はもっと小さかっただろうから不可能ではないと思うけど。」

「だとしたらやっぱりここにはないかもな。」


 それにしてもでかいな。どうしてこの木だけこんなに大きいんだ?それに光るし。


「…待てよ。」


 俺たちは何か勘違いをしているんじゃないか。勝手にグロウフラワーは自然に生えてくるものだと思っていたけど、もし、そうじゃなかったら…。


「どうしたの?」

「…グロウフラワーはたぶんもう探してもどこにもないと思う。」

「え?」

「でも俺の推測が正しければ作れるはずだよ。」


 みんなわけがわからなそうに俺を見つめる。


「この木は真白の言う通りもともとウアロ草原にあったものだ。でも、ただの木じゃなかった。この木こそが偶然にもグロウフラワーの鍵となる木だったんだ。」

「さっきから何を言ってんだ?俺にはさっぱりわからんぞ。」

「分かりやすく言うと、この木はグロウツリーっていうわけだな。」


 アレンは頭を抱えている。アレンは見た目通り頭が固いので、これ以上説明しても無駄だろう。


 俺はアレン意外に説明を続けた。


「おそらくこの木の樹液が花に影響を与えるんだ。でも、この木がここに移されたことで、グロウフラワーを見つけることができなかったんだ。分断されたのならなおさら、発見どころか作られることもないからな。」


 200年前の本にしか記載されていなかったのはこのためだろう。


「でも、ほかにたくさん木なんてあったよね。どうしてそんな木がここに。」

「夜に一本だけ輝いていればそれを欲しいと思うのも無理はないんじゃないか?」

「でもなぜこの木だけこれほどまでに成長したのでしょう。」

「ここにはほかに木もないから栄養を全部吸い取ってるんじゃないか?」


 植物のこととかは詳しくないので正確にはわからない。


「なるほど…。そんな発想思い浮かばなかったわ。」

「ええ、すごいですね。でももしその推測が事実であれば、この木の樹液をウアロ草原までもっていけばグロウフラワーは…。」

「ああ、手に入るはずだよ。」


 正直自分でもどうかしていると思う。こんなこと普通は考えないよな。とはいえ、マイがいなければ俺もこんな発想は出てこなかっただろうな。

 





 こうして樹液を手に入れた俺たちは、再びウアロ草原までやってきた。


「わー、すごい!本当に輝きました!」

「とてもきれい!」


 どうやら俺の推測は正しかったようで、花はきらきらと輝きだした。


 光る花の詳細を調べてみると本当にスキルを保管する効果があった。


「スキルを保管っと。後は情報屋さんのところに行くだけですね。」


 奇跡的にもグロウフラワーを見つけることができた俺たちは、そのまま情報屋に会いに行くことにした。

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