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第二十話 血まみれの狂信者

「よお、やってるか?」


 俺たちは武器屋へと入っていく。


「なんだ、お前か。何の用だ。」


 やけに冷たく感じるが、この人はいつもこんな感じらしい。


「いや、せっかく戻ってきたから寄ったんだよ。邪魔だったか?」

「…まだそんなに日数たってないだろ。本当の目的はなんだ。」

「目的なんてねーって。あんたはいつも人を疑いすぎなんだよ。」


(いつもってことは今回だけじゃないのか。もしかしてアレン信用されてないのか?)


「なら、用は済んだだろう。武器を買わないなら帰ってくれ。」


(やっぱ嫌われてるだろ…。)


「わーったよ。あ、一つだけ聞いてもいいか?」

「…断る。」

「そうか…っておい!いいだろ一つぐらい!ケチだなー。」


(確信した。アレンは嫌われている!)


「…春人。お前変なこと考えてねーよな?」

「ヘ、変なことなんて考えてないぞ。」


(びっくりしたー。俺顔に出てたのか?)


「まあ。そう言わずに聞いてくれ。ブラッディファナティックスって聞いたことねーか?」


 一瞬店長の眉が動く。


「…お前、その名をどこで聞いた?」

「知ってんのか!?」

「…忘れてしまいたいがな。」


 たまたま聞いた人がまさか情報を握っているとは思わなかった。


「あいつら魔王を崇高する集団だ。」

「な!?」


 魔王を崇高するだなんて。魔物を暴走させた奴をあがめる意味が分からない。


「一体どういうことだ!魔王は人間の敵じゃねーのか!」

「普通はな。でも奴らは狂ってんのさ。何のためらいもなく人間を殺す。」

「人間を殺す!?」


 ただでさえ魔物に脅かされた生活を送っているというのに、人間までもが敵になってしまうのか。


「なんであんたがそんなこと知ってんだ?」

「…魔王がこの世界に現れた時、その圧倒的な力に畏敬の念を抱くものも少なからずいたという。昔は活発で、この店も何度か襲われたことがあるんだ。今ではあまり聞かなくなってたが、まさか異世界人のお前からその名を聞かされる日が来るなんてな。」


 この店も襲われたことがあったのか。


「大陸が分断されてから組織されたのなら、ブラッディファナティックスはこの大陸を拠点にしてるのかもな。」

「そうね。でもなんで昔は活発だったのに今は身をひそめているのかな。」

「なにかよからぬことでも考えているのでしょうか。」


 よからぬことか…。もしそうなら早急に解決する必要がある。


「強い奴らを仲間に引き入れようとしていたということは、もしかしたら今は戦力が足りていないのかもな。」


 あの虎を倒せるくらいの戦力を欲しているなら、今はまだ何かを成し遂げるだけの力がないということか。


「とにかく今は情報が少なすぎる。対処するにも俺たちだけじゃどうなるかわからないし…。」


 敵の戦力がわからない以上闇雲に突っ込んでいくのは危険だ。


「黒谷の力を借りるしかないのか…。」


 俺が言う。


「…確かにあの人なら何とかしてくれるかもしれないけど…いいの?」

「仕方ないさ。みんなの命がかかってるかもしれないからな。」

「…そうだね。」


 俺は決心して黒谷にメッセージを送った。


「よし、あとは返信を待つだけだ。」


 思わぬ収穫を得て、俺たちは武器屋を出ようする。


「もしあいつらを追うってんなら気を付けろ。」

「…はい。」


 武器屋を後にした俺たちちは宿屋へと向かう。


「…。」


 真白は浮かない顔をしている。


「どうしたの?」


 マイは問いかける。


「…ううん。何でもないよ。ごめんね、心配させちゃって。」

「…そっか。」


 真白の気持ちはよくわかる。だから人を簡単に殺してしまうような組織は絶対に何とかしなければならない。






 翌日、黒谷からメッセージが届いた。


『ブラッディファナティックスはこちらのほうもすでに情報を探っているところだ。何かわかったことがあれば知らせよう。それにしても以外だな。まさか君のほうから私たちを頼るとは。』


 すでに知っていたのか。情報屋からでも聞いたのだろうか。


「そっか、探してくれているんだね。」

「ああ、情報収集は黒谷たちに任せよう。俺たちではあまり役に立てないからな。」

「じゃあ、俺らはグロウフラワーを探しに行くか。」


 今は美織の安全を確保しなければならない。


 俺たちは早速グロウフラワーを探しに草原へと向かった。

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