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第3話〜始業式と友人〜

 朝からめんどくさいことに巻き込まれた俺と詩織は,クラス分けの貼ってある紙をみるため、掲示板へと向かっていた。


「俺のクラスは…あった1組か」


俺達の通っている学校は生徒数が多い、1クラス40人の12組制でできており、なんといっても学年が多い、6学年まである。なんでも高校と大学が一緒になっているらしい。そのおかげで生徒は約3000人程いる。ほとんど魔法について勉強しにきているらしく、外国から来る子も少なくようだ。


「あ、私も一組だよ! 清くん!」


 詩織が掲示板を指さしながらうれしそうに叫ぶ。


「やったな詩織!」


「そ、そんなに喜んでもらえるなんて…」


 なにを赤くなってるかはわからんが、とりあえず


「これでいつでもノート借りられるな!」


 これで俺の提出物は安泰だ…


「……」


「……?」


「…それだけ?」


「それ以外になんかあるか?」


「ううん、別に…」


「そうか?」


 喜んだり落ち込んだり、大変なやつだな~詩織は


(鈍感…)


 なんか詩織が恨めしそうにそうにこちらを見てきてるな。

 またなんかまたすごい注目されてるよ俺。


「お〜い清人〜!」


 俺たちは後ろからくる聞き覚えのある声に振り返った。


「健司と隆起か、おはよう。」


「おはよう、隆起くん、健二くん」


 詩織は二人の方を向き、にっこりと微笑む。


「おはよう、清人、中川さん」


 このさわやかな挨拶をするのは村井 健司(むらい けんじ)

 中学からの友人で、いわば親友、顔はイケメンで、成績も上、スポーツも上、魔法は近Aランクで、アルムはトンファーのような形でリボルバーシステムがついているもので、名前は双懇切そうこんせつだ。ちなみに詩織は月光杖という。こういう完璧人間はいやな奴が多いが、詩織同様で、自分の力を過信せず、自慢などはしない良い人柄をしている。

 性格も優しく、時にはみんなを引っ張るリーダーシップもある。あと感が鋭い。

 当然もてるんだがいまのところは彼女はいないらしい。


 リボルバーシステム、わかっていることはアルムに魔力の弾を入れられるところがあり、そこに圧縮して作っておいた魔力のこもった弾を装填して使用するシステム。強力なアルムにたまに宿る力、今のところAランク以上で、魔力の質が良い人間のアルムにでることが確認されている。アルムの存在自体がなぞが多いので、詳しいことはわかっていない、そもそもアルムとは、世界神と崩壊神との激突のエネルギーでできたものではないかと言われているだけで、詳しいことは不明


「よう! 清人、中川さん! 今日も一日よろしく〜!」


 このやかましい挨拶をするのは前田 隆起(まえだ りゅうき)

 とにかく意味不明に元気、顔はあまり良くない、頭は俺同様バカだがスポーツはでき、魔力も近Bと高い、しかも実際はAらしい。レイスは剣型で名前はブレイドという。


 まぁ一応友達。


「ああ、今日だけな」


「もう! だめだよ清くん! 隆起君、よろしくね〜」


 そんな甘やかすからこいつが調子に乗るんだろうが、まったく詩織は甘い。


「そんなこと言うなよ清人〜、今度合コン誘ってやるからさ〜」


 そういいながら肩に手をかけて来た。

 突然なにいってんだこいつ…


 しかし合コンか…別に断る理由もないから別にいいか。


「ああ。そん時はよろしくな」


 俺の居一言でみんなが目を丸した。


『え!?』


(なんだ? みんなして俺が合コンいくのがそんなにおかしいとおもってるのか? 少しショックだ…)


 ちなみに清人は健司をも越えるかなりのイケメンだ。他はだめだが。


「なんだよ、ダメならダメっていえよ。」


 明らかに落ち込んだように言った俺の言葉を、焦ったように隆起が訂正してきた。


「いやいや! 全然! ぜひその時は誘うよ! 絶対来いよ!?」


「あ、ああ」


(よっしゃ!!これでメンバーのレベル高くなるぜ〜!!)


 返事と共に隆起がガッツポーズを決めてる。”キモい”と思ったが、伝えるか否かを迷うところだ。


「ダメ!!」


「え?」


 耳いてぇ


 突然の詩織からの大声に、少し耳鳴りがしたが、詩織は気にせず反論を述べた。


「合コンなんてだめだよ! それじゃあわたしの今までの努力が…」


 努力? なんの努力だ?


「ああ、そういえば中川さんこないだ清人のげた箱に入ってた手紙もやしてたよな?」


 隆起が思い出したようにさらっと口にした。それを健司が慌てて止めに入った。


「ば、ばか隆起!」


「また俺にイジメの手紙か?」


 中学の時、詩織と仲が良いというだけでいやがらせの手紙を受けていた。そのときはすぐにおさまったが、また始まったか?


「いや〜あれはどう見てもラブふぅぅぅ!!!」


 全てを言い終える前に詩織が叫んでいた。


ドゴンッ!!


 するどいパンチとともに


「ダメーー!!!!」


 うわぁ…


 詩織のものすごい勢いのパンチは、隆起の顔面にクリティカルヒットし、5メートルほど吹き飛ばしたけど、死んだか?


 殴ったあと詩織が我にかえり、吹き飛ばした隆起のもへ走り寄っていく。


「あ、ご、ごめんね?隆起くんっ」


 このとき俺と健司は詩織は怒らせてはいけないことを察し、隆起が安らかな眠りに着くのを願った。


「なぁ、清人」


「なんだ健司?」


「そろそろ教室行かないと間に合わないぞ?」


 そういわれて時計を見る、8:55、9:00に集合だからこのままでは確かにやばい時間だな。


 俺たち2年は第一校舎の2階にある。


 森羅学園は校門から入って左から、第一、第二、第三、特別校舎が横にならんでいて、特別校舎の後ろは体育館、プールと並んでいる。第一校舎のうらにも、よくわからない施設などがある。第二、第三校舎の裏はかなり広い校庭になっていて、魔法の実戦ができるように、シミュレーションシステムがついており、校庭を、森や岩場などに設定すると、そこに本当にその場を作り出すことができる優れものだ。ちなみに校舎すべて三階立てで、第一が1,2年、第二が3,4年、第三が5,6年の校舎になっており、ひとつひとつに職員室や必要な特別教室はそろっている。特別校舎では、魔法に関する授業や、魔力測定を行う部屋など設置されている。生徒会と校長室も特別校舎の3階にある。とにかくでかく、特別教室なども、1つではなく、だいたい5部屋ずつくらいある。


「そういえば健司は何組なんだ?」


「清人たちと同じで一組だよ。ちなみに隆起もね」


 健司と一緒なのは喜べるが、隆起と一緒なのは素直に喜べないのはなぜだろう…


「そうか、じゃあ行こう」


「うん」


 倒れている隆起はほおって置いてもいいだろ。


「詩織ー!いくぞー」


「わかっ「了解だー!!」」


 隆起…なぜ生きてる?


 結局みんなで一緒に校舎に入っていくのだった。


・・・・・・

・・・


 早足で歩いていると、いつのまにか教室の前にたどり着いた俺達一向


 教室に入ると、みんなこちらを一瞬見たが、すぐに話しを再開させた。


 席は黒板に貼ってあるのか。



 俺の席は窓側の一番後ろか、良い席引いたな。


 ちなみに俺の前が詩織、その隣が健司、その前は隆起だ。教室は普通の学校と同じで、横8縦5の配置で机がならべてある、若干広い。


 その時ガララララッと前の扉が開く


「ほら、もう席に座りなさい!」


 先生が入ってきて、みんな席に座った。

 あの人は基本的に優しい先生だと有名だったはず、これなら眠れそうだ。。


 始業式は10:00からで、あと一時間はあるか


「え〜、このあとの始業式について説明しますが、まず」


 あと一時間もあるし、とりあえず今は寝ておこう…


 こうして俺は安らかな眠りへと落ちていった。


ーーーーーー?


(ここは…森? なんで俺こんなとこにいるんだ? 夢か? それにしてはリアルな夢だな…ん? 誰か来る?)


 森。というよりも樹海に近い、木が多すぎて、今が朝なのか夜なのかがわからない。


 暗い森の向こうから誰かが走ってくる。


(女の子?)


「はぁはぁはぁ」


 思った通り女の子が荒い呼吸をしながら走ってくる。


(そうとう体力の疲労が激しいな、誰かに追われているのか?)


 俺の姿がみえていないのか。そのまま隣を通り過ぎていった。


(!? この魔力は…まさか…)


 すると彼女が来た方向からまた人が近づいてくる。


「お〜い!そっちは居たか!?」


「いやこっちにもいね〜ぞ!」


 女の子を探していると思われる謎の白衣をきた男が二人走ってきた。


(なんだこいつら、さっきの子を探しているのか?)


 すると男達は一度足を止め呼吸を整える。


「くそ!、あのヤロー捕まえたらただじゃおかねーぞ!!」


「おい!そんなこと言ってないでさっさと探すぞ!じゃねぇと俺らまで博士の実験体にされちまう!」


(博士? 実験体? あの子は…)


「そ、そうだった、早くいこうぜ!」


 そういうと男たち大慌てでいってしまった。


「…きて!…て・!」


(ん?)


 声が聞こえる。


「おきて!」


ーーーーーー教室


「うお!! 詩織!?」


 目の前に突然詩織が現れてあわてて飛び起きた。現実に戻ったのか。


「うお! っじゃないよ! もうみんな行っちゃったよ!」


「え?」


 あ、確かに詩織の言ったとおり、周りに人がいないな。


「ほら、いくよ!」


「どこに?」


 すると詩織が振り返り


「体育館!!」


 俺はそのまま詩織にひきずられ体育館までつれていかれた。

 体育館にはすでに3000人もの人が並んでいる。

 やっぱり無駄にでけぇなこの体育館


「こんな人いるのにまだ余裕があるなんて」


 詩織の言うとおり、さすがとしかいいようがない程広い…


 俺と詩織は自分のクラスを見つけ、中に入っていく。ちょうどその時校長が出てきた。


「えー、今日から学校が始まるわけですが…」


 またこいつの話かよ・・・


 やはりといっていいほど校長のはなしは長い。ほとんどの生徒が隣の生徒とこそこそ話をしている。


30分後


 俺はもう半分寝ていた。


「というわけで、校長の話を終わります。」


 校長が頭を下げ、舞台を降りるのと同時に、反対側から違う人が舞台に上がる。


「次に生徒会長の挨拶です」


 会長がマイクの前に立った。すると校長のときとは違い、生徒達が騒ぎ出す。


「会長ーー!」


 森羅学園の生徒会長、名前は白井 まひろ (しらい)

 白井財閥の一人娘でお嬢様、髪は青色で足くらいまで伸ばしている、スタイルも抜群で去年のミスコンに優勝するほどの美しさだ。昔から習い事をたくさんしていたらしく、なにもかもが完璧!と、親衛隊がいつもいっている。魔法も遠AAAで遠距離戦では、まずこの学園で勝てるものはいない、っというか強すぎる。レイスは弓型でリボルバーシステムがついてる、名前は氷花。



 そのあとは親衛隊にあきれている間に話は終わっていた。


 今日はこのまま解散らしく、みんな外に出て行く。

 俺もはやく帰って寝よう


「清人!」


「どうした健司?」


「実は頼みがあるんだが」


「頼み?」


「ああ」


 そう言って苦笑いを浮かべた。ずいぶん聞きづらそうだな。


「なにを?」


 すると


「生徒会の仕事、手伝ってくれないか?」

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