第27話〜捨てられる飯〜
「今日は結局どこで食べるんだ?」
とりあえず学校を出て適当に歩いているが、まだどこに食べにいくのかを決め手なかったな。
「今日もラックでいいんじゃない?たしかあそこ今日から3日間はセットが全部半額だぜ」
隆起が提案をだす、全セット半額・・・こないだ奢ったおかげで金がない清人にはもってこいの提案だ。
半額という言葉が嫌いなものがいるわけもなく、今日もみんなでラックへ行くこととなった。
「うへ〜今日はさすがに混んでんな〜」
こないだと比べると人が多い、まぁ全品半額なんて言われたらみんなくるわな
「席とれるかな?」
凜が不安げに聞いてくる。確かに、これだけ人がいたら席が取れない確率は十分ありえる。
「とりあえず注文しようぜ」
俺達はそれぞれ自分達の注文をし、席が空いてるかどうか確認するために2階へ上がった。
「うわー、席空いてないねー」
った通り席はまったく空いていなかった。予想通りと言えば予想通りだ。
「こんなことなら持ち帰りにすればよかったね、お兄ちゃん」
確かにヒメの言う通りだ、席が空いてないことなんて、レジの混み具合を見ればわかったことじゃないか、なんで店内にしちまったんだろ。
「どうしよう」
今更持ち帰りなんか頼めないし、かといってこんなところで立って待ってるのもな〜
「あの!」
「はい?」
俺達がどうするかを考えていると、同じ学校の生徒達が声をかけてきた、女子達に。
「よかったらここの席使ってください!」
「俺達もう食べ終わったんで!」
「ぜひ!」
「でも・・・」
食べ終わってるわりには開けてないバーガーが目立ってるし。うちの女性陣は純粋だからな〜、俺だったら喜んで席を譲ってもらうけどな、言わないけど。
「そこまでいうなら譲ってもらいましょう」
まひろが最初に承知したか、予想通りだ。
「そうですね」
「ありがとう〜」
一人が言い出すとみんなついていく、よくあるパターンだな、ま、男共はまひろ達の笑顔にだいぶやられてるみたいだけど
次々と席が空いていき、そこに女子達が座っていく。そして次に隆起、健二が座り、俺も座ろうと・・・
ガツガツッ
と思ったが、俺の前の生徒だけ飯をがっついていた。親衛隊のバッチをつけているので、さっきの生徒の仲間なのは確かだが、どく様子がまったくない。
俺がいるのが気に入らないってことか、まぁもともと先に座ってたのは向こうだからなにもいえないけど。
「あ、私どくよ」
「いやいいよ、俺向こう座ってるからさ、食べ終わったら呼びにきてくれ」
俺が座れないことに気づいた詩織が声をかけてくれたけど、この誘いに乗ったらあとで男子になにされるかわからないし、ちょうど反対側に一つ席が空いてるからあっちで食べればいいしな。
詩織達はまだなにか言おうとしてきたが、これ以上無駄に時間を使いたくないので、あえてスルーして空いてる席へ座った。
席に座り後ろを見ると、いまだにこちらを見ていたので、ジェスチャーで食べるように指示をした。
やっと食べ初めたか、やってるこっちは凄い恥ずかしいんだがな。
とりあえず食べるか。
周りの視線がすこし気になるが、気にしてもしかたないので、さっさと食べることにした。
モシャモシャ
・・・
モシャモシャ
・・・暇だ
なんか一人でたべることが最近なかったせいか、少し退屈だな。
「あの〜」
「ふぁい?」
突然右の席の女子二人に声をかけられた。口にポテトを含んでいたため、変な声になってしまった・・・
「ねぇねぇ君って森羅学園の生徒だよね?」
「そうだけど、君達は?」
見る限りうちの制服じゃないな。
「私たちはA高校の生徒だよ」A高校がどこなのかはまったくわからないが、二人とも容姿のレベルはなかなか高いと思った。
「暇なら私達と話さない?」
まさか女子から誘いがくるとは・・・これはもしかしたらチャンスかもしれない!ここは冷静に対処しないと。
「こちら〜」
あれ?体が後ろに引っ張られる、一体どうしー
「ってなにしてるんだ?お前達」
お前達っていうのはもちろんヒメ達のことだ、俺は3人に首ねっこを掴まれてひきづられているらしい。
「何って、もう食べ終わったからいくよ」
「ええ!?もう?」
いくらなんでもはやすぎる!おれまだポテト四つしかたべてないぞ!?
「ちょ、ちょっと待て!俺はまだ食べてないんだ!もう少し時間を!」
「あら本当」
まひろが俺の席を見ながら平然と答えた、さっきの女の子達はなにがなんだかわからない様子だ。俺もよくわからないしな。
「だから時間を」
パチン!
ん?まひろは突然指をならした。すると俺を掴んでいなかった凜が俺の席のトレイを取り、返却台にいくと、俺の方を向き一礼。
ガコンッ
「ああーーー!!俺の飯ーー!!」
捨てた!捨てられちまったよ!俺の飯!まだ全然食べてなかったのに!!
これはもう黙ってられねぇな〜、ガツンと一発いってやるぜ・・・俺を怒らせたことを後悔させてやる!
おれは目を細め、睨みをきかせながら振り返る。そしてガツンと!
「黙って」
「はい」
言われた。そして顔を正面に戻す、だってあんな鬼達見ていたくなかったんだもん・・・
ああ、こういうの何て言うんだっけ?
俺は女子達にひきづられながら考えていた、まわりの人が見ないふりをしているのがよくわかる。
ああ、そうだ。思い出した
俺みたいな奴を、ヘタレ、っていうんだった
そして俺は店から連行された。
すいません。遂にパソコンが完全に壊れてしまいました。頑張って携帯で書き続けるので、感想、アドバイスよろしくお願いします