第26話〜テスト勝負〜
「そういえば清くん、今日で筆記テスト終わりだけどどう?」
結局みんなで朝食を取ることとなり、今はみんなで食事中。どう?というのはやはり今回のテストの出来具合のことを聞いているのだろう。
「まぁ、今回はかなりできたと思うぞ、もしかしたら、詩織にも勝てるかもしれん」
みんなの顔が疑いの表情に変わるのがわかった、でも今回は本当によくできてる・・・と思う、でもここまで言ってひどい点数だったら、もう俺二度と勉強なんてしない。したくない・・・
「じゃあさ、勝負しない?」
「は?勝負?」
予想外の詩織の発言に、みんなが一瞬箸をとめる。
「そ、今回のテストで1番の人が何でも1つだけ命令できるっていうの、どうかな?」
やべ、もしかして俺余計なこと言っちまったか?
「おもしろそう〜やろやろ!」
「自信ないですけど、頑張ります」
俺が自分の行動に後悔している間に、他の二人があっさり提案をのみやがった。
「清くんは?」
「いやだって言ってもどうせ無理なんだろ」
「うん♪」
うわ〜なんのためらいもなく”うん”って言われたよ!まぁわかってたんだけどさ、それでもなんかこう・・・ショックだよな〜
「けど珍しいよな、詩織がそんな話するなんてさ」
「そ、そんなことないよ!気のせい気のせい!」
「ふ〜ん」
むぅ、怪しい。ま、いっか、詩織悪巧みなんてする奴じゃないし
「じゃあそろそろいこうか」
ちょうど飯が食べ終わったところでヒメが言い、みんな玄関へ向かってしまった。
みんなと出発してから5分、だいたい学校の半分近くに来たくらいだろうか、時間はまだ8時10分、いくらなんでも出るの早すぎたかな、俺の少し前を歩く女子達はなんか会話に華さかせてるけど、男子一人だと結構暇だな。
(あ、あの子結構かわいい・・・)
たまたま横を向いたときに、他校の制服をきた女の子が結構レベル高かった。あれは68点だな、ふふふ、俺の点数評価は厳しいのだ!
心のなか一人話していると、前方になにかぶつかった。硬くないから人か。
「すいません、よそみ”バチン!”・・」
全て言い切る前に三人の女の子の平手打ちを食らった、納得いかずに文句を言おうと思ったが、そんなのこといったら顔がスイカになりそうだったので、自重しといた。なんでだ・・・
「まったく!朝からすれ違う女の子に鼻の下のばしちゃって!」
「ホント!妹としてはずかしいよお兄ちゃん!」
「よ、よくないと思います」
三人がそれぞれ前で意見をいっている。そんなにデレデレしてたのか?俺
結局自分の表情について考えているうちに学校に辿りついていた。
さてと、せっかく勝負するんだし勉強するか、負けたくないしな。そんな密かな願いを胸に勉強を始めた。詩織たちも勉強をしているようだ。
そんなこんなで時間がたつと、いつの間にか人が来ており、健司と隆起まで入ってきた。
「おーーー!!清人がこんな早くに来ている!?しかも勉強してる?!」
「おはよう、清人」
「おはよう、健司」
最初にきた奴に比べてやはり健司は冷静でクールだな。さすが副会長だぜ。
「けど本当にどうしたの?清人がこんなに早いなんて」
「そうそう」
ああ、そういえば健司達は今朝の勝負のことを何も知らないんだよな。そんなことを思っていると、教室の扉が再び開く。
「おはようございます。清人くん」
「おおまひろ、ちょうどいいところに」
俺の言葉をきいて、最初まひろ達は頭の中にクエッションマークがついたが、説明をしたらすぐに納得したような顔をし、頷いた。
「それはおもしろそうだね、僕もやらせてもらうよ」
「私も参加します」
あれ?こういうイベントには隆起が真っ先に飛びつくと思ったけど。
「俺、勝負できるほど頭よくないから今回はパスしとくよ」
ああ、なるほど、確かに隆起なんかじゃたちうちできるわけないしな、
まぁ俺も前まで人のこと言えなかったけどさ
時計を見ると、テスト開始5分前
「まひろ、もうそろそろ自分の教室に帰ったほうがいいぞ」
「あ、本当だ!」
まひろは時間に気づくと、自分の教室に戻っていった。それよほぼ同時に先生がテストを持って入ってきた。
「よ〜しテスト始めるぞ〜、教科書しまえ〜」
生徒全員が、教科書や携帯をバックの中にしまっていく。もちろん俺も
「よし、じゃあ配るぞ」
生徒が持ち物をしまったことを確認すると、先生がテストを配り始める。
それぞれの生徒がさっき暗記したものを思い出しながら、筆記最後のテストの始まりのチャイムが鳴った。
「よし始め!」
ーーーーーーーーーーーーー
「そこまで!」
先生の一言でみんなの書いていた手が一斉に止まる。ふ〜ようやく筆記が全部終わったな。俺は自分のテストを前に出しながら肩の力を抜いていた。
先生は集まったテスト用紙の枚数を数えながら、明日についての説明をしている。
「明日は魔法の実技試験だから、みんなレイス忘れるなよ。以上!解散!」
先生は枚数を数え終わると、さっさと教室を出て行ってしまった、なにかあるのか?
「ふ〜ようやく筆記全部終わったな〜」
「今日はどこかでご飯食べてく?」
「ラックでいいんじゃない?」
いつのまにか教室に来たまひろと、いつものメンバーが集まってきた。ご飯をどこで食べるか話ているようだけど、凛だけ俺の顔を不安そうに見ている、そういえば魔法の特訓に付き合うって約束してたんだっけ。
「あ〜悪い、俺約束あるからさ」
約束は守らないとね。凛はすごい笑顔になったが、逆にまひろたちが不機嫌になってしまった。
「約束ってなに?」
「あ〜そういえば今朝言ってたね」
ヒメと詩織には今朝少し話してたから覚えてたか。
「凛の魔法の特訓だよ、うちの裏山の森の中でやるんだよ」
それを聞くとまひろたちは一瞬固まったが、すぐに自分達の行きたいと言い出した。理由は
「いくら昼だからって、森にふたりっきりなんてだめ!」
だそうだ、つまり俺が狼になるか心配してるわけだな。もうなれた。っというかこれだけ優秀な先生がいるなら俺いらないんじゃね?と思い言ってみたが、あっさり却下されてしまった。
どうやら特訓を始める前に、飯を食べるという話しになったらしい。
「いつまでも此処にいないで早くいきましょ」
まわりにはもうほとんどの人がかえってしまったようだ。
「そうだな」
そして俺達は教室を後にした。
最近もうひとつ書き始めたんでよろしくお願いします、感想まってます。