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第25話〜早起きと指きり〜

「ふぅ〜」


今俺は、テストが始まるのを教室でじっと待っていた。


それにしても朝は疲れた、まったく、なんであいつらはあんなに落ち着きがないんだ?


朝から詩織とヒメがなんか言い争っていたので、清人はとばっちりをくらう前にこそこそしながら先に学校に来ていたのだ。


「お〜し、じゃあテストはじめるぞ〜」


そんなことを考えていると、先生がテストを抱えて教室に入ってきた。


ま、いいか。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし、今日はここまで」


先生はテストの枚数を数えると、教室から出て行った。


「よし、帰るか」


俺はいつもの詩織たちに声をかけ、教室を後にした。教室を出てすぐにまひろと出会い、結局いつものメンバーで帰ることとなった。


「はぁ、死んだ・・・」


帰り道、隆起が小さくつぶやいた。


「静かだと思ったら・・・そんなにだめだったのか」


「・・・」


ふ〜む、さすがにこれだけ静かだと心配になってくるな。


他のやつもそう思ったのか、励ましに入る。


「元気だしなよ、隆起くん」−詩織


「そうですよ、次頑張りましょう」−まひろ


「ファイトです!」−凛


「勉強の仕方が悪かっただけだよ!」ーヒメ


「いや、勉強はしてなかったんだけどさ。」ー隆起


バキッ!ゴキッ!グチャ!−清人


そのあとまた昼飯でも食べるかという話がでたが、明日もテストなので、みんなそれぞれ帰宅していった。


「隆起大丈夫?」−健司


ホント、良い奴だ・・・


ーーーーーーーーーーーーーー


「ふぁぁぁぁ」


朝か。昨日は夕飯くってそのままねちまったからな〜、予想以上にはやく起きちまったな。まだ7:00か。


「ま、たまにはいいか」


たまには朝飯でも作っといてやるか〜。


俺は脱ぎっぱなしにしてった制服を着て、朝飯をつくるべくリビングへ降りていった。


あれ、電気がついてる?昨日付けっぱなしで寝たのか?、そんなことを思いつつ、扉を開けた。


「ん、凛?」


「え!?清人さん?」


扉を開けると、制服にエプロン姿の凛がキッチンで料理をしていた。


「こんな朝早くからなにしてるんだ、って料理か」


「はい、清人さんこそどうしたんですか?こんな朝早くに、具合でも悪いんですか?」


俺ってそんなに朝早く起きてると珍しいか?まじめに言われるとなんか少しへこむな・・・


「いや、具合は平気だよ・・・それより凛はこんな早くから朝ごはん作ってるのか?」


「まぁだいたいは」


へ〜毎日この時間って偉いな〜、俺なんかいつも学校でるギリギリの時間にしか起きないからな。


「せっかく早起きしたんだし、なにか手伝うよ」


近くにあったエプロンをつけながら言う。


「え〜と、じゃあこっちの人参と大根切ってください」


「了解」


俺は包丁を一本取り出し、そばにあった人参や大根の皮を剥いていく。


「へ〜、料理できるんですか?」


俺の包丁さばきを見た凛が関心しながら聞いてきた。


「まぁな、結構長い間一人暮らししてたからそれなりには」


まぁ朝は詩織につくってもらってたんだけど、


「そうなんですか〜」


「俺なんかより凛の方がすごいな、こんな朝早くから毎日つくるなんて」


凛は冷蔵庫から味噌を取り出しながら照れたように答える。


「そんなことないですよ、それにいつもはヒメさんもいますから。」


「え?ヒメもこんな早くから起きてるのか?」


「はい。今日は昨日遅かったみたいでぐっすり寝てますけど、いつもはお弁当作るんでこのくらいには起きてますよ。」


「へ〜」


意外だな。凜は俺が切った野菜をなべに入れて、味噌汁を作っている。


「じゃあ俺は食器並べるな。」


「お願いします」


食器を並べながら、俺達は他愛のない会話を楽しんでいた。


「そういえば今日で筆記のテストは終わりか〜」


「そうですね〜、あっ!!」


突然キッチンから凛の驚きの声が聞こえてきた。


「どうした?」


「いえ、ただ思い出したことが」


キッチンに戻ると、凜が味噌汁をよそいながら喋っていた。


「なにを?」


「えっとお願いがあるんですが」


「俺にか?」


「はい」


味噌汁を人数分よそうと、エプロンをはずしながらこちらを向く。


「今日の放課後に、魔法の練習に付き合ってもらえませんか?」


”めんどくさい”とはいえないよな〜、毎日こんな早くに起きて朝ごはん作ってもらってるのに、まぁ俺も最近習練をおろそかにしてたから丁度いいか。


「わかった、ただしこないだの森でな」


「はい!」


そう言うと凛は小指を差し出してきた。これは、


「えっと」


「?指きり知りませんか?」


やっぱりか、指きりなんて高校生でやるものか?


「知ってはいるが・・・」


恥ずかしい


「嫌、ですか?」


明らかに凛のテンションが落ちていくのがわかる。


「いや、嫌ってわけじゃないけど、わかったよ」


ここはあきらめて従っておこう。俺は凛の小指に自分の小指を絡ませる。


凛はそんな俺に笑顔を向け


「約束です!」


元気よく小指を上げる。ああ、なんかこんな笑顔見てたら本当に


「約束だ」


どうでもよくなってきたな。そう思いながら笑顔で返す。


ガチャ


そこで詩織&ヒメの登場


「「あーーーーーー!!」」


入ってくるなり叫ぶなよ、びっくりするな〜


「なにしてるの!?」


「何って、朝飯作ってんだよ。」


「嘘!」


二人は俺達の手を掴み


「「じゃあこれはなに!?」」


「指きり」


平然と答える俺とは違って、凛は顔を赤くしながら俯いている。かわいそうに、おびえてるじゃないか。


「なんの!?」


「魔法の特訓の」


「「え・・・・」」


なにを想像してたんだ?聞きたいところだけどまたうるさくなりそうだから聞かないでおこう。


「あの、詩織さんも朝飯食べますか?」


「え?ああ、うん、お願いしようかな。」


「そ、そうだね、早く食べよ」


凛が助け船を出したのをいいことに、なにごともなかったかのように振る舞いやがって。けどまぁ凛も楽しそうだし、今回は許してやるか。









 





一回全部読み直して誤字などを直していたら時間が掛かってしまいました!感想、アドバイスお願いします!あと新しい作品もはじめるので読んでやってください、

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