第22話〜テスト勉強(3)〜
ピンポーーーン
あと2cmほどで唇が触れ合うところで、狙っていたかのように玄関のチャイムがなる。
(チャンス!)
そのチャイムのおかげで、飛びかけていた理性が一気に蘇り、まひろから距離をとり。扉に手をかける。
「だ、誰かきたみたいだから、俺でてくんな!」
「あっ」
俺はそれだけ言うとまひろの返事を待たずに階段を駆け降りた。その勢いで玄関の扉を開いた。
「はい!って、清二か、どうした?」
「いや、勉強がんばってるかなと思ってさ、はいおみあげ。」
そういって袋を受け取る。どうやら箱からしてケーキのようだ。
「おお!サンキュな、まぁ上がってくれよ。」
「うん。あれ?靴が少ないけどみんないないの?」
清二は自分の靴を脱ぎながら聞く。
「ああ、今ちょうど夕飯の買出しにいってんだ、今はまひろに勉強教わってたんだ。」
「そうなんだ」
清二が靴を脱ぎ終わると、俺は何かを思いついたように手をポンッと叩く。
「そうだ!清二良かったら勉強見てくれないか?」
「それは別にかまわないけど」
「そうか!、ありがと!」
俺は清二をリビングに送り、二階にいたまひろを呼んだ。
・・・・・・・
そして現在数学の勉強をしている。
「なぁ、ここはどうやってやるんだ?」
「・・・」
「清二?」
清二は俺の言葉に気づくとすぐにやり方をおしえてくれた。
「・・・あ、ああここはXをもってくるんだ。」
じーーーーーー
「そっか、さんきゅ」
「い、いや」
俺は今教わったことを活かし、勉強を再開する。すると清二が俺のわき腹を軽くつついてきた。
「どうした?」
「なぁ、僕何か悪いことしたかな?」
それはとても小さい声だ。俺もその声と同じくらいの声で返事をする。
「なんで?」
「い、いや、ほら」
清二は俺に向けていた視線を前に移す。
じーーーーーーーー
そこには清二をずっと見つめた?ままのまひろがいた。さっきから何も喋らんから気づかなかったな。
「清二のことが好きとか?」
「そんなわけないだろ!!」
俺の言葉に清二は小さい声で怒鳴るように俺の顔に近づく。すると
ヒュン!
俺と清二の顔の前に冷たいなにか通過していった。
「「え?」」
その先には不自然に一本だけパキパキに凍った花がある。おそるおそるまひろに目をやると。
「凍るっていいことだよ?」
笑顔で意味不明なことをつぶやくまひろがいた。
「そ、そうか」
ガチャッ
そのときちょうど、みんなが夕飯の買出しからかえってくる。そして俺と清二は同時に”助かった”と思うのであった。
「あ、清二くん来てたんだ〜」
「お、よく来たな〜、まぁゆっくりしてけよ」
「それは隆起君の言うことじゃないと思うけど」
さっきまでの冷たい雰囲気はウソだったかのように、すぐに暖かくなる。やっぱりみんなといるとあったかいな・・・そんなこと俺はしみじみと思っていた。
「じゃあ夕飯の用意しよっか。」
「そうね」
女性陣がみんなで台所に向かう、こういうときは男どもはやることがなく暇になる。勉強でもするか。
「なぁ清人、飯っぽいしもうそろそろ帰るな。」
となりに座っていた清二が立ち上がる。
「なんで?食ってけよ。」
「いや、迷惑だし・・・」
「いいから」
「でも・・・」
む、相変わらずすごい遠慮がちだな。飯くらい平気なのに。
すると台所から詩織の声が聞こえてきた。
「清二君はご飯たくさん食べれる〜?」
「お〜!、食えるって!」
清二がまた断る雰囲気が出ていたのでかわりに答えてやったぜ。
「ほら」
俺は清二の席を引く。清二もさすがに無理だと判断したのか、再び席に腰を落とした。
それから約1時間、俺は清二に二階で勉強を見てもらい。隆起も健司に勉強を見てもらっていた、すると飯がの準備が終わったらしく、ヒメが呼びにきて、みんな下におりていった。
「すんごい量だな。」
隆起が声を出した。しかし確かにこの量はすごい、これだけあれば1週間は過ごせそうなほどの量だ。さすがに疑問に思い詩織にきいてしると
「え?えと、清二君がいるから気合入っちゃって。」
「そうか」
なるほど、それにしても量がおおいな、、清二がそれほど人気ってことか。羨ましい
(言えない、みんなで清人君のために争ってたなんて。)
「じゃあ食べるか」
「そうだね」
隆起が言うと、みんな席に着く、椅子が足りないのでパイプ椅子で数をあわせる。席はなぜか女子が作っていたクジによってきめられた。理由はおもしろいからだそうだ。女子の考えることはわからんね。俺は一人でそんなことをおもいつつ番号の書いてある紙を適当にとり、書かれた番号の席にすわる。
結果俺の隣には清二と隆起が座った。隆起は女子の隣になれなかったのよっぽどくやしかったのか、うなだれている。一方前方の女子も表情が若干暗い気がするな。まぁなんでかはわかるけどな。
横の目で清二見る。
みんな清二狙いか、まぁかっこいいし頭もいいから当然か。
「ごちそうになります!」
清二はなぜか緊張しながら礼を言う。
「いやいいって、そんじゃ、いただきま〜す!」
『いたたぎま〜す』
俺の声とともに楽しい?夕飯が始まった。
更新遅れてすいません!最近自動車の免許を取るため教習所に通いはじめて全然小説を書く時間がありません!7月中旬くらいまでは遅い更新になりますが、どうぞよろしくお願いします。