第16話〜不安と合コン〜
風を引いていて更新遅れました、すいません!
「合コン?」
「そう!合コン!もう人数集めてあるから!」
合コンとはあれか?あの男と女の出会いの場か?
俺はしばらく合コンについて考える。そんな俺の姿を見て、隆起が少しばかり慌てる。
「い、言っとくが!もう決まったからな!今更無理はできないぞ!」
俺は眉をぴくっと一瞬動かしつつ隆起のほうを見る。
「待て、なぜ俺がすでにメンバーに入ってるんだ?」
「だ、だって清人入学式の時、行っても良いっていってたじゃん!」
そういえばそんなこといってたような、いってなかったような。
「や、やっぱりだめか?」
「はぁ?なんでだよ、俺は別にいいぞ」
俺だって彼女ほしいしな。
「ほ、本当か?」
なんでそんなにしつこいんだ、ってかなきそうな顔をするな気持ち悪い。
「いいって言ってんだろ、んで何人なんだ?」
それが一番気になるからな、やっぱり
そんな俺の質問に隆起は戸惑いながら答える。
「ろ、6人」
6人か。6:6ってことだな、それにしてもなに目泳がせてんだこいつ
「なんだけど」
「だけど?」
嫌な予感が・・・
「その、女子がまだ4人決まってなくてさ」
「はぁ!?」
女子が決まってない!?ってことは6:2?いやいや俺にチャンスねぇじゃねーか!
「それでどうすんだよ?」
「だ、大丈夫だよ!女子の方がなんとかするって言ってから!」
「そうなのか?ならいいが・・・」
まぁ確かに、女子も6:2はやだよな、それなら大丈夫だろ。
俺はふぅ〜と息を吐き、安堵する。
「そういえば他の男子は俺の知ってる奴か?」
知ってる奴のほうが楽だしな。
「いや、他の奴らはT校の奴らだから知らん」
「T校?!」
おいおい、なんでT校なんだよ。確かそこってかなり頭の良い学校じゃねーか、しかもイケメンが多いって言う・・・俺に勝ち目ねぇじゃねぇかよ!
そんな露骨に嫌そうな顔をしていると、隆起が俺の肩に手を置いてくる。
「お前なら大丈夫だよ清人、それに俺だっているんだ。」
「隆起・・・」
そうだな、お前みたいな冴えないう奴もいるんだしな!
「ところで明日、12時に駅前のファミレスな」
「ああ、了解だ」
そういうと隆起が肩からてを話、鼻歌を歌いながら帰っていく。キモ
「じゃあ清人!体気をつけろよ!」
「お前も頭気をつけろよ」
無理だと思うがな。
「了解だ!とう!」
へんな奇声を上げて保健室から出て行ってしまった。
もうすでに奴はだめだったらしい、だいぶ頭いってたな。
さてと俺も早く帰るかな。
俺は置いてある自分の鞄を拾い、保健室を後にする。
それにしても明日・・・楽しみだな。
俺だって一応男だ、彼女は居たほうが良い。
そんなことを一人考えていると、昇降口につき、下駄箱から靴を取り出す。
「ん?あれは・・・」
靴を履いていると、扉の前で待っていたと思われる女子が近づいてくる。
「まひろか、どうしたんだ?」
まひろは俺の前で止まると、悲しげな表情を見せる。
どうしたんだ?まさかまた俺何か・・・
俺が再び思考の海にダイブしようとすると
「お昼のこと誤ろうと思って・・・」
それよりはやく言葉がでてきた。お昼?なんかあったっけ?
「その、お昼はごめんなさい、私のお弁当のせいで・・・」
ああ、あのことか、でもあれは別にまひろのせいじゃないだろ。
「別にまひろが気にすることない、それに俺はそんなこともうなんとも思ってないしさ」
「そっか・・・」
まひろは安心したのか胸に手を置き、ほっと息を吐く。
「じゃあ一緒にかえろ?」
「おう!いいぜ!」
俺は靴を履き、勢いよく立ち上がる。
そんな俺にまひろは微笑みかける。
「今日なんか機嫌いいね、なにかいいことでもあった?」
そうか?ああ、確かに明日合コンだからな、心の中では喜んでるのかな。
「ああ、実は明日初の合コンだからな、ちょっと楽しみにしてるんだ」
ぴきっ
「へ、へぇ〜、それで誰に誘われたの?」
な、なんだこの空気は・・・まひろか?
「隆起だけど」
「そう」
どうしたんだ?
まひろは表情は笑顔のまま話しかける。
「ごめんなさい、今日用事があることを忘れてて、先に帰っててもらっていい?」
「そうなのか?ならしかないか」
たぶん違うと思うが、ここは素直に従っておこう。
「ごめんなさい」
「いや、別にいい」
俺はその言葉を最後に昇降口を後にした。そしてまひろは
プルルルルッ、カチャ
「あ、もしもし爺や?悪いけど大至急前田隆起を捕まえて来て、昇降口にいるから」
ッピ
携帯で電話して隆起を捕まえていた。
ーーーーー同時刻ーー教室
ヒメ、詩織、凛の三人は少し遅いホームルームが終わり、一緒に帰ろうと集まっていた。
「ねぇ、早く帰ろ」
「そうだよ、早くお兄ちゃんに謝らないと」
「そうですね」
三人とも昼のことを誤るべく、教室から出ようとする、しかしそれは突然の呼び声により阻止される。
「詩織〜〜〜!」
「友ちゃん?」
詩織の友達の新井 友(あらい とも)、清人と同じで中学からの友達だ、性格はとにかく元気でやんちゃな感じ、外見は詩織ほどではないがかわいいほうだ。クラスは隣の2年2組
「どうしたの?」
詩織の前まで来ると、ズザーーっと華麗に正座の格好で止まり、両手を合わせてお願いのポーズを取る。
「お願い!明日の合コンに出て!」
「また〜?」
そう、友はたまに詩織に合コンの話をすることがある、しかしその時にはすでに清人ラブだったので、断り続けている、友も断る理由を知っているため、誘ってこなくなったはずなのだが。
詩織の後ろの二人も、どうでもいいと思っているのか、こちらを見もしない
「ごめん友ちゃん、私は合コンにはいけないよ」
「はぁ〜、やっぱりだめか〜」
残念そうな声をだすが、その表情はまったく残念がっていない。
そんな友を見て、詩織は一瞬疑問に思うが、すぐにそれは消える。
「じゃあ私達は帰るから」
その言葉を最後に後ろを振り向く、すると友がいやらしい声を出す。
「そっか〜、ざぁんねん、今回は清人君もくるんだけど」
教室から出ようとしていた詩織たちの足がぴくっと反応し、動きを止める。
「しかたない、違う人でも”ガシッ!”・・・何?」
後ろを振り返り歩きだそうとした友の手を詩織が掴む。
友はその行動を予測していたかのように振り返る。
「私も行く!」
詩織は、さっきと真逆の反応をする、それを見た友は、ニヤリと表情を変える。
「そう言うと思ったわ」
これであと三人、あとは適当に誘うかな、そう思っていると予想外の展開が起こる。
「「私も行きます!」」
「え?」
言ったのはもちろんヒメと凛だ、突然自分も行くと言われ、戸惑う友だったが、すぐにOKを出す、誘ってもこないと思っていた二人が自ら行きたいと言い出したのだ、断る理由はどこにもない。むしろラッキーだ。
「じゃあ明日、12時に駅前のファミレスね!」
「わかった!」
さて、あと一人どうしようかな、そう思っている間に携帯が鳴る。
隆起からメール?
隆起* 女子一人決まったから三人よろしく。
ちょうどよかった、今三人決まったところだ。
「じゃあ友ちゃん、明日ね!」
「あ、うん」
メールを見ていたため曖昧な返事をする。
詩織たちはその言葉を最後に詩織たちは教室を出て行った。
「どうする?」
「とりあえず服買いにいこ!」
ヒメと詩織が楽しそうに話す中、凛は一人浮かない顔をしていた。
「凛ちゃんもいこ!」
そんな凛に気づいたのか、ヒメは楽しげに話しかける。
「だって私お金が・・・」
最後まで言わせんとばかりに声を上げる。
「そんなの気にしないでいいよ!だって家族でしょ、私達!」
「でも」
「あーーもう!でもじゃない!いくよ!」
「あ、ヒメさん!」
そんな凛の腕を掴み、さっさと前に進む。
詩織も二人を見ながら微笑むと、すぐに横に並ぶ。
「今日は詩織んちに泊まるよ!お兄ちゃんをびっくりさせるんだから!」
やる気満々にヒメが話す。
「わかった、清くんにはメールしとくね」
「いいんですか?」
「いいのいいの」
ヒメが凛と話してるうちに、詩織は携帯を取り出し、さっさとメールを打つ。
そして三人は再びデパートへ歩き出す。
ーーーーーー清人ーー
今は夜中の8時、俺は家に帰ると、明日着ていく服を選び、そのまま寝てしまっていた。今は詩織のメールを見ている。
(あいつら今日は帰ってこないのか)
ぼーーーっとしている頭で考えること数分。
「・・・寝よ」
なにもやる気がでず、再び寝ることにした。
そして夜は明けていく。その日が清人にとって最悪な日だとも知らずに。
感想とアドバイス、よろしくお願いします!