第14話〜凛と学園〜
朝、なぜか俺は乱れた制服を着たまま、今にも倒れそうな状態で学校に向かっていた
しかもまだ7:00、なんでこんな早いのかって?そんなの俺が聞きたいよ。
ーーーーーーーー今朝
6:45
「・・・zZZ]
俺はいつものように睡眠に全てを注いでいた。なのに
「起きろーーーー!!!」
突然の叫びと共に俺の体は宙にまった、ってええ!!?
「がはっ!」
あまりの痛みに声が・・・ってかなんだ!?なんなんだよ!誰だ!朝っぱらからこんなことする奴は
こみ上げる怒りを抑えながら自分を投げた犯人を見る。
「ヒメ、なんのつもりだ?」
ヒメが笑顔で立っていた。
「お兄ちゃんこれ!」
実行犯のヒメは、なにごともなかったかのように何かを差し出してくる。
こいつ、いつか泣かしてやる。おれは心の中で密かに決意しながら、何かを受け取る。
「なぁヒメ」
「何?」
俺は受け取った何かを見ながら、ヒメに問う。
「なんで、制服?」
「学校行くから」
確かに学校には行くぞヒメ、うん、だけどな
俺は目覚まし時計を見る。・・・6:50・・・
「早く着替えて学校いってよ〜」
ヒメは甘えたような声を出しながら俺を急かす。
「ふ、ふざけんな!こんなことで俺の睡眠じゃましたのか!?」
ついに限界を超えた俺がヒメに怒鳴る。少しかわいそうだが、それくらい当然だな
対するヒメはたいして気にしてない様子で笑顔だ。
「そんなに寝たいなら学校で寝ればいいじゃん」
「はぁ!?なんで俺がこんな早くに学校なんかに!!・・・そうだな。たまにはいいかもしれないな。うん」
怒鳴っている途中に、首に冷たい感触が伝わってきた。間違えなく鎌だね。うん、まだ首は手放したくないな。
「だよね。じゃあ早く着替えて学校いって?5分以内に、それ以上はどうなっても知らないよ」
するとヒメはさっさと部屋から出て行った。
俺は今確信したよ、ヒメは間違えなく悪魔だ、じゃなきゃあんな怖い笑顔できるわけがない。そう思いつつ俺は全力で着替える、だって命は大切にしないといけないしね?
着替え終わり、鞄を持って下に降り、リビングに向かうと、なぜかヒメが笑顔で大鎌をもちながらドアの前に立っていた。
結局俺は、朝飯を食えずに家をでた。
ーーーーーーーー今
ああ、何度目だ?電信柱と頭突きするのは、だけど痛みより眠気のほうが強くてよくわかんねーや。
俺は普段の二倍の時間をかけて学校に到着し、教室につく。
「やっと着いた、俺のエデン・・・」
俺は鞄を置き机というエデンに身をゆだねる。
「おやすみ・・」
そこで俺の意識は完全に消えた。
ーーーーーーーー
「んっ」
「では、今日は突然だが、転校生を紹介する。」
「は?」
転校生?ってかホームルーム始まっても寝てたのか、俺よっぽど眠かったんだな。
周りをみると、みんな新しく来た転校生に盛り上がっていた。
っていうかヒメに続いて転校生、しかもまたこのクラスなんて、嫌な予感がするな。
しかし俺の予感は見事に的中する。
「入ってきなさい」
「はい」
ガラララッと教室のドアが開き、見覚えのある顔が教室にはいってくる。
「天塚 凛です、よろしくお願いします。」
ぺこっとかわいく頭をさげる。
ああ、今のでクラスの男子、三分の二を落としたな、あやうく俺も落とされるところだった、制服を着てるせいか、新鮮に感じる・・・って違う違う!なんで此処に凛がいるんだ!?
「え〜、席は清人の後ろ、窓側の一番後ろだ。」
俺の後ろ?そんなのないだろ。そう思い後ろを見ると、なぜか机が一つポツンと置いてあった。
なぜ?
「はい、わかりました。」
凛は笑顔でいうと、俺の後ろに向かって歩き出す。ってか男子がすごい目で見てるぞ。今にも飛び掛りそうだ。
そして凛が席に着いたのを確認すると、先生がホームルームの続きをする。
「・・・ではこれでホームルームを終わる。」
先生が教室から出るのと同時に、男子があっという間に凛を取り囲んだ。俺は巻き添えを食らわないように席を立ち、隣の席のヒメの手を掴み、教卓の前まで来る。さてと
「どういうことだ」
「どういうことって、凛ちゃんのこと?」
「そうだ」
俺は真剣な顔で問うが、ヒメは笑顔のまま語る。
「なぜ凛が学校にいる」
こんなことできるのはヒメくらいだろう。
「それは簡単、お父さんに頼んだからだよ♪」
頼んだ?おじさんに?俺が疑問に思っているのがわかったのか、ヒメ説明してくる。
「私が昨日学校に帰ってからお父さんに凛ちゃんのこと説明して頼んだの、お父さんが此処の校長と友人らしいからすぐに入学させてもらったんだよ」
なるほどユーマさんならわからんでもないな。だが
「ヒメ忘れたのか?凛はエンジェルスとかいう組織に狙われてんだぞ?」
こんな目立つ場所にいたら危険だ。
「わかってるよ、でもここのみんなは魔術師だし、その組織も手を出せないでしょ?。」
「だが・・・」
「それにもしも家で見つかっちゃったら逆に守れないし、それだったらなるべく一緒に居たほうがいいと思うんだ。」
まぁ確かに、家がいつまでも安全だとは限らないか。
俺が難しい顔をしてるのに気づいたのか、ヒメは俺の肩を叩き凛に指をさす。
俺はつられて凛を見る、たくさんの質問攻めになっているけど、楽しそうだ。その光景をみて思わず頬が緩む。
「ね、楽しそうでしょ、やっぱりずっと家でひとりなんて可哀想でしょ?」
「ああ、そうだな、その通りだ」
ま、これからは周りに気をつければいいだろ。
「ねぇねぇ!天塚さんはどこに住んでるの?」
隆起が興奮気味に聞いてる、きもいな。住んでる場所か・・・まずい!
「今は清人さんの家で居候させてもらってます。」
ぴきっ
凛のその一言で空気中の酸素が二酸化炭素に変わったかのように息苦しくなった。そして男子全員がレイスを構える。
「神崎ー!!どこいったーー!」
「中川さんやヒメちゃんだけでなく、天塚さんにまで、許さん!!」
男子全員が俺を探しに廊下に飛び出していく。
アブねー、教卓の下に隠れてなかったらやばかったな。こんなのがこれから続くのか・・・でも。
俺は再び女子と楽しそうにはなす凛を見る。
「ま、いいか」