第11話〜やかましい日常〜
「ん・・・」
もう朝か・・・ねみ〜、今何時だ?
俺は上半身だけを起こし、時計を見る。8:40
「あれ?」
8:40?
「遅刻じゃねーか!。」
俺はベッドから飛び起き、クローゼットから制服と鞄を取り出す。
そういえば凛とヒメはどうしたんだ、昨日無理やり一緒に寝てたのに。
俺は着替え終わり、急いで部屋を出て、階段を下りる。そしてリビングに入ると、三人が向かい合って台所に立っている。
「なにやってんだ?」
詩織、ヒメ、凛がなにかを言い争っている。ヒメが俺気づき、俺に問う
「あ、お兄ちゃん、ねぇ!お兄ちゃんは誰の朝ごはんが食べたい?」
へ?朝ごはん?
「私のに決まってるよ!毎日作ってるんだから!」
「いえ、昨日私の料理を美味しいって食べてくれましたし、私が適任です!」
「朝は妹の朝ご飯って言うイベントがあるんだよ!」
そして三人は一斉にこちらを向き、
『誰!?』
いや誰って、そんなことより今は。
俺は目を細くし、指で時計を指さしながら、
「学校いくぞ!!」
そういって玄関に走り、靴を履く。詩織とヒメも、遅刻しそうなのがわかったのか。俺のとなりで急いで靴を履いている。
「じゃあ凛行ってくる。勝手に家からでるなよ!」
「わかってますよ、行ってらっしゃい。」
そういい手を振りながら、笑顔で見送られる。ヒメ達も凛に手を振って家を出る。
「やばい走るぞ!」
俺が焦りながら走り出す。くそ、朝からこんな目にあうなんて!
「「うん!」」
詩織たちも走りながらついてくる。
ーーーーー教室
すでに教室では、先生が教卓の前で、出席簿を持ちながら、チャイムがなるのを待っている。
キーンコーンカーンコ『セーフ!!』ーン。
俺達はチャイム鳴り終わる寸前に間に合った。三人とも肩で息をしながら自分の席に座る。ヒメは俺の隣の席で、詩織は前だ。
そして朝のホームルームが終わると、クラスメイトが俺のところに集まってくる。
「なぁ、神崎」
クラスメイトがみんな神妙な顔をして声をかけてくる。
「今までわるかったな。ひどいこと言っちまって」
「あんなすごい力をもってたのに」
そんなクラスメイトに清人はなるべく笑顔を作りながら言う。
「気にしなくていいよ。俺が隠してたのが悪いんだしさ」
俺の言葉に隆起も続く。
「そうそう、清人は清人なんだからさ、今までどおりのみんなで接していこうぜ。」
「そうね、そうしよう。みんな」
隆起の一言にみんなが頷く。
「隆起・・・」
今清人は、初めて隆起をいい奴だと思った。
そのあともクラスメイト達といろいろな話をした。特に女子からの質問が多かった気がする。しかも詩織とヒメがなぜか不機嫌そうな顔してるし、どうしたんだ?
そして一時間目が始まる。
俺はもちろん寝ている。昨日まったく寝れなかったので、授業を生贄に捧げ、眠りを発動させてもらったのだ。
そしてそんな俺にの机に机をくっつけ、ヒメは清人の横で寝始める。かなり至近距離でだ。もちろんそんな清人達を見て、男子達は嫉妬する、しかし一瞬だ。その理由は、清人の前の席で、ものすごい殺気を放っている、詩織の存在。
普段ならすぐ起きる清人だが、よっぽど眠いのか、まったく目を覚まさなかった。結局昼休みまで、みんな詩織の放つ殺気にびくびく過ごすこととなった。
「ん〜」
やっと清人が目を覚ます。
「・・・昼か」
「ふぁ〜、おはよう〜お兄ちゃん」
俺の隣で寝ていたヒメも目を覚ます。
「ああ、おはよう、ってかヒメも寝てたのか」
頭もはっきりしてきてきた。周りを見ると、詩織がいまだにノートを取っている。
ん?詩織はまだ勉強してんのか?
俺は後ろから詩織のノートを覗くと
[人人人人人人人人人」
ひ、人?なに書いてんだ?
俺は詩織の肩をたたき声をかける。
「お、おい詩織大丈夫か?」
詩織は俺に気づいたのか、慌ててノートを閉じ、振り返る。
「お、起きたの清くん!だ、大丈夫だよ!それよりお昼どうする?今日はお弁当ないし。」
そういえば今朝変な喧嘩してたもんな、おかげで朝飯も食えなかったし、
「学食でもいくか。」
「そうだね。」
「私もいく!」
ヒメも手を上げながら言う。
「わかってるよ。」
あれ?隆起と健司が珍しくいないな。まぁいいか
「じゃあ俺はトイレいってからいくから、先いっててくれ。」
「うん」
俺はヒメ達にそう告げると、廊下に出てトイレへ入る。そして、手を洗い、トイレから出ると。
ガバッ!
いきなり何者かによって、頭から袋を覆い被らされる。
「な、ぶふぉ!」
一体なんなんだ!?
そのままどこかに運ばれていき、投げ捨てられる。
そしてその何者かが袋を開ける。
「まひろ・・・なんのつもりだ?」
その正体はまひろ、そして此処は生徒会長室。俺は無理やり連れてこられた意味がわからずに、ちょい怒り気味にまひろに聞いた。
するとまひろ真剣な顔をする。
「実は今日、私の誕生日なんだ。」
「そうなのか?おめでとう」
とりあえず、祝っておく。だがそれだけじゃないだろう。
「ありがとう。それで清人くんにお願いがあるんだけど」
「お願い?」
まひろは頬をうすく染め、
「私の誕生日パーティーに出てくれないか?」
レイスの形を考えているので、意見があったらよろしくです!あと感想は本当に励みになります!