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流星湯切りオンライン ~VRラーメン屋繁盛記~  作者: nullpovendman
第3部 至高のラーメンを求めて編
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番外編2 ラーメン屋の少し未来の話

 この日、試される大地の座幌(ざっぽろ)市にて、一つのラーメン屋が誕生した。

 店の名前は、ラーメン流星。

 中堅VRMMO「夕霧オンライン」のプレイヤーであれば、聞いたことがあるだろう。

 

 店主は尾白(おじろ)流星(りゅうせい)、年齢は25歳、夕霧オンライン内ではプレイヤーネーム「流星」として、同名のラーメン店を営業している。

 ゲーム内では革新的なラーメンを生み出し、そのバフの高さから「ラーメン流星なくして攻略なし」とまで言われた、名店であった。


 現実でも、世界的チェーン店「海岡屋」で人気店員として活躍したり、ラーメン尾白にて開祖の(せがれ)として話題になったり、変異種の猛攻ティラノ討伐ハンター部隊にて1番の成果を上げたりと、何かと有名人である。


 そんなラーメン流星のオープンを待つ数人の客がいる。

 先頭に並ぶのは鼻息の荒い巨漢の男である。マタギでもしているかのような見た目である。


 2番目に並ぶのは、天然パーマでモジャモジャした髪を肩まで伸ばした大学生、樋山(ひやま)光宙(みつひろ)である。両耳に冷やし中華のピアスをしており、ファッションセンスが独特であることがわかる。なお、夕霧オンラインにて、種族:冷やし中華を選んだプレイヤーは彼を含めて3人しかいない。「ヒヤチュウ」というプレイヤーネームで謎生物プレイを楽しんでいる。


 3番目に並んでいるのは、上半身裸の筋肉質な男、増田(ますだ)グレート弾山(だんざん)である。有名プロレスラーであるが、プロレスラーになったのは、上半身裸でも怒られない職業であるから、という理由の変人である。

 開店待ちの今も路上でポージングをしている。通報されないのだろうか。

 ちなみに、夕霧オンライン内では「マッチョ」というプレイヤー名で、なぜか生産職をしている。プロレスラーなら戦闘しろよ。


 4番目に並ぶのは目に隈がある、やせぎすの眼鏡の中年、名を千村(ちむら)雷雨(らいう)という。夕霧オンラインにてプロデューサーCMRとして親しまれる、運営側の人間である。奥さんにラーメン屋通いを禁止されていたが、無事にダイエットに成功したことと、現実にラーメン流星がオープンするという理由から、この日だけは、頼み込んで許可をもらっている。


 彼らに共通するのは、夕霧オンライン内の「ラーメン流星」常連ということである。


 さて、ラーメン流星のオープン時間となった。

 開店前から、とんこつとは異なる、独特な濃厚な香りが漂っていたが、扉があいた瞬間から、さらに食欲を誘う香りが強くなった。

 行列を見たからか、その香りに誘われたのか、徐々に列が長くなってきた。


 初めから並んでいた客たちは、初日にもかかわらず、慣れた様子で、券売機で食券を買う。


 券売機には、ティラノしょうゆラーメンを筆頭に、ティラノ、ダゴン、混沌の神など、他のラーメン屋ではほとんど見ることのない材料を使った個性的なあっさり系ラーメンが並んでいる。

 内装はゲーム内と同じになっているようだ。

 ただ、壁には、飲食店経営に必要な書類のほかに、害獣ハンターの資格を示す書類や、変異種猛攻ティラノ狩りでの表彰状などが飾られている。


 店主の流星は、現実でも完璧な湯切り、異常な速さの盛り付けをし、バンバンと注文をさばいていく。


 ラーメン流星が、やがて現実でも有名店となるのも、そう遠くはない。



VRゲームジャンルなので、エピローグはゲーム内の話にしたかったため、本編は18話で終了とさせていただき、完全に現実世界での話となるこちらは番外編に回しました。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

皆様がおいしいラーメンに巡り合えることを祈っております。


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