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流星湯切りオンライン ~VRラーメン屋繁盛記~  作者: nullpovendman
第3部 至高のラーメンを求めて編
19/27

第14話 ラーメン屋、新アルバイトに行く

 ゲーム内でとんこつ、オーク肉を入手し、ラーメン流星のメニューが充実する兆しが見えてきた。


 リアルでも2週間が経過し、海岡屋のアルバイト開始日となった。

 アルバイト開始日の本日、海岡屋自体は営業していない。最初の3日間はオープンスタッフ教育に充てられている。

オープンしてしばらくは、厨房は他店からの移籍組と店長が基本的に担当するため、新スタッフは接客や清掃、ゴミや残ったスープの処理などの雑務を学ぶことになる。


 海岡屋はとんこつメインの世界的チェーン店である。

他店からの移籍組を除けば、厨房に入るのはしばらく先という話だったが、流星は他のラーメン屋で働いていた経験が評価されたことで、初日に試しに仕込みを手伝わせてもらった。移籍組にも店長にも好感触だったことで、オープン初日から厨房組として働けるようになった。


 流星はいくつかのラーメン屋でアルバイトしてきた経験から、厨房に入ってもすぐに順応できるものの、まずは店長の作業を見ての勉強である。

 世界的チェーン店だけあり、世界のどこで食べても同じ味を提供しているという点で、非常に勉強になる。マニュアルやレシピ、海岡屋特有の慣習など、覚えることはたくさんある。

 3日後の営業日からは早番として、朝から移籍組の仕込みを手伝う。ゆくゆくは一人で任されるようになる予定だ。


 世界的チェーンであるだけあって、海岡屋のラーメンは万人受けする味である。

 前の店がティラノ肉ラーメンを唯一販売するような、個性あふれるジビエラーメン屋「ムカ着火ボルケーノ」であったため、味や高度にシステム化された接客スタイルは非常に勉強になる。


 早番の仕事が終わった流星は、家に帰ってシャワーを浴びた後、日課のランニングと戦闘訓練を行った。「ムカ着火ボルケーノ」でアルバイトしてからというもの、戦闘訓練が日課になっている。

流星は天然であるため、今後働くラーメン屋で、戦闘能力を要求される可能性がゼロであるということに気づいていない。


運動を終え、着替えて洗濯機を回し、再びシャワーを浴びると、外に干してから晩御飯の準備をする。これからは賄いでとんこつラーメンを食べるので、夜はそれ以外にしようと思う。アルバイト初日ということもあり、少し豪華にしようと思い立ち、ラーメンサラダを作り、冷凍してあったラム肉を使って、ひとりジンギスカンとしゃれこんだ。


 夕食を食べ終わったら、夕霧オンラインにログインし、ラーメン流星の営業開始である。


****


 ラーメン流星の営業を終えた後は、次の目標について考える。

 リアルで海岡屋のアルバイトが始まって、まずはそちらに慣れる必要がある。ゲーム内で新メニューを試行錯誤して影響が出るのは避けたい。

そうなると、冒険を進めてボスを倒すことが目標になる。


 次の街「教育街」のボスは魔攻ティラノである。

魔攻ティラノは正直、相性が悪すぎる。

 ラーメン職人系統は、技術力、物理攻撃力と物理防御力が少しずつ上昇する、物理一辺倒の偏ったステータス上昇であり、魔法防御力は低い。

 攻略wikiによると、魔攻ティラノは、見た目は巨大な恐竜だが、見た目に反して、遠距離魔法攻撃しか放って来ない。しかも物理防御力は低いので、近寄りさえすれば、ボコボコにできるらしい。

 問題は、紙装甲の流星が、どうやって近づくかである。


 魔攻ティラノの攻撃は、遠距離攻撃の火炎球と、特殊行動の範囲攻撃ブレスである。一反木綿のように飛行可能なキャラクターでなければ、ブレスをかわすのはかなり難しいため、これを一回は受けきる必要がある。


「炎耐性があれば行けるか?」


 とりあえず、武器・防具の店「大腿三頭筋」に行って、炎耐性の防具を注文する。防具完成を待つ間に、激辛のバッドステータスが付与された炎獄ラーメンを作って自分で食べれば、炎耐性技能のレベリングもできるだろう。


 とりあえず防具と激辛ラーメン作成で金策が必要なので、金がたまるまで先に進まず、ラーメン流星の営業をするにとどまることにした。炎獄ラーメン職人のレベリングがてら、第2の街でブルースライムと麦野郎を狩って、かんすいと小麦という自家製麺の材料を狩りつつ、所持金が貯まるのを待った。


****


 現実でのアルバイトに慣れる必要もあり、ラーメン流星で営業を通常通り行う以外はログインを控えめにして10日間が経過した。


 海岡屋も営業が始まり、オープンした初週ということもあって、なかなか盛況であった。流星は新しいアルバイトに徐々に慣れてきて、早番の他店移籍組と同じくらいの手際の良さで仕込みを行えるようになった。


 今日はシフトが休みなので、朝のうちに日課のランニングと戦闘訓練をしておき、一日中「夕霧オンライン」に入り浸るつもりだ。


 10日間で塩ラーメン1,500杯、煮干し味噌ラーメン1,500杯、海苔2,000枚を売ったので、売り上げは2,950,000イェン、NPCから買っている原材料費を除いて、粗利は2,285,000イェンである。


 金がたまったところで、武器・防具の店「大腿三頭筋」に行き、出来上がった防具を購入、装備を一新する。


------

人物名 流星 性別 男 種族 人間


体力 68/68

魔力 68/68


攻撃力 69(+21)

防御力 68

瞬発力 69

魔法攻撃力 9

魔法防御力 9(+25)

技術力 127


装備

頭:真っ赤な魔法の三角巾(魔法防御力+5、炎耐性)

武器:タングステン包丁(攻撃力+20)

盾:真っ赤な魔法の寸胴鍋(魔法防御力+5、炎耐性)

胴:チューリップ柄のエプロン(魔法防御力+5、炎耐性)

手:真っ赤な魔法のゴム手袋(魔法防御力+5、炎耐性)

足:真っ赤な魔法の長靴(魔法防御力+5、炎耐性)

装身具:ラーメンてぼ(攻撃力+1、アクティブ使用時に湯切り効果(麺系モンスター特攻))


所持金

2,788,800イェン→1,788,800イェン

------


 真っ赤な魔法シリーズの防具で、魔法防御力と炎耐性を上げておく。

なぜエプロンは真っ赤ではなく、チューリップ柄なのかを問い詰めたい気もするが、性能は良いので、文句は言わないでおく。


 装備が変わって、魔法防御力が紙装甲から段ボール装甲くらいにはなった。新しい防具は全て炎耐性を付けてもらったので、ギリギリなんとかなるだろう。これでだめなら、あきらめてフレンドとパーティーを組むか、魔法防御を上げる職業に就けば良い。

ラーメン系の職業以外になる気はあまり起きなかったが。


 装備の次は、炎耐性のレベリングである。1個800イェンの辛子明太子を100個買い込んで、以前作った通りに炎獄味噌ラーメンを10個作る。


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炎獄味噌ラーメンニンニク大盛(辛さ1,300)攻撃力+6%、激辛 ×10

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 今回、料理弱体技能をオフにしていたからか、狂化のバッドステータス付与が消えている。その代わり、攻撃力の強化が1%下がっている。どうやら料理強化技能と料理弱体技能を同時に使用すると、バッドステータス付与分だけステータスアップ効果が高まるようだ。


 狂化がなくなれば、プレイヤーが食べてもほぼ問題ない。メニューに追加してもよさそうだ。材料費がバカにならないので、売るにしても1杯10,000イェンくらいになるが。

 煮干し味噌ラーメンの10倍だぞ10倍。


 流星は、初心者限定ブースト薬を摂取しつつ、炎獄味噌ラーメンニンニク大盛(辛さ1,300)を食べ始める。


「はふはふ。かなり辛いけどいけるな。ただ、あと9杯はさすがにきついかな」


 初心者限定ブースト薬はスリップダメージを無効にしているだけで、味に変化はない。

 リアルでラーメン修行のために辛いラーメンも食べてきたとはいえ、激辛を10杯食べるのは、なかなかの苦行である。


 10杯食べたところで炎耐性のレベルが2になった。倍々で必要経験値が増えるとすると、あと140杯食べる必要がある。


「うお、マジか……」


 必要数を計算してげんなりしたものの、一度やると決めたことは曲げない。流星はラーメンに一途な漢である。


 流星は翌日から、ラーメン流星営業前後に10杯ずつ、1日20杯を食べて、一週間かけて炎耐性のレベリングを終わらせた。

 しばらく激辛は遠慮したい。


 150杯分の炎獄味噌ラーメンニンニク大盛を作るのに、1,230,500イェンかかったが必要経費である。防具より高いが必要経費である。


 途中で飽きてきて、食べるペースが落ちたこともあり、初心者限定ブースト薬は合計40個消費した。どうせ、わかめを増やす以外で使うこともないため、気にする必要はない。


 炎耐性レベリング期間、ラーメン流星では、塩ラーメン1,500杯、煮干し味噌ラーメン600杯、海苔1,500枚が売れたので、利益は1,533,000イェンであった。


 装備の一新、耐性のレベリングと、準備が終わったところで、いよいよ魔攻ティラノ戦である。

ラーメンサラダは最近コンビニでも買えるので全国区という認識でよろしいでしょうか。

ちなみに、炎獄味噌ラーメンニンニク大盛は南極の反対側くらいの辛さをイメージしています。

ラーメン食べているだけで終わって申し訳ないので、本日はもう一話同時更新です。


------

人物名 流星 性別 男 種族 人間

職業

料理人 Lv. 20 / 20

ラーメン職人 Lv. 20 / 20

頑固一徹ラーメン職人 Lv. 20 / 20

ダークラーメン職人 Lv. 2 / 20

炎獄ラーメン職人 Lv. 1 / 20


体力 68/68

魔力 68/68


攻撃力 69(+21)

防御力 68

瞬発力 69

魔法攻撃力 9

魔法防御力 9(+25)

技術力 127


装備

頭:真っ赤な魔法の三角巾(魔法防御力+5、炎耐性)

武器:タングステン包丁(攻撃力+20)

盾:真っ赤な魔法の寸胴鍋(魔法防御力+5、炎耐性)

胴:チューリップ柄のエプロン(魔法防御力+5、炎耐性)

手:真っ赤な魔法のゴム手袋(魔法防御力+5、炎耐性)

足:真っ赤な魔法の長靴(魔法防御力+5、炎耐性)

装身具:ラーメンてぼ(攻撃力+1、アクティブ使用時に湯切り効果(麺系モンスター特攻))


技能

包丁格闘術Lv. 8

寸胴防御術Lv. 4

ラーメン作成術 Lv. 8

毒耐性 Lv. 1

炎耐性 Lv. 5(MAX)

戦闘用湯切りLv. 2

料理強化術 Lv. MAX ※オン

料理弱体術 Lv. MAX ※オフ



所持金

2,091,300イェン


店舗

「楼閣街」Z9地点(名称:ラーメン流星)

 メニュー:味噌ラーメン800イェン 技術力+2%

 メニュー:塩ラーメン900イェン 瞬発力+3%

 メニュー:煮干し味噌ラーメン1000イェン 技術力+3%

 メニュー:海苔(トッピング)50イェン

 ※流星が店を開けている時間のみ販売される


所持品

味噌×500、しょうゆ×179、ナルト×300、メンマ×300、酢×15、みりん×15、酒×3、ラーメン×500、煮干し×200、わかめ×76,782、昆布×79,930、海苔×71,284、鳥ガラ×19、とんこつ×20、オーク肉×20

体力薬(HPポーション)×40

初心者限定ブースト薬(1時間体力魔力が減少しない)×55(※第30の街に着くと消滅する)


移動可能な拠点

楼閣街、暗黒街、慟哭街、道楽街、教育街

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