表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流星湯切りオンライン ~VRラーメン屋繁盛記~  作者: nullpovendman
第3部 至高のラーメンを求めて編
15/27

第11話 ラーメン屋、やらかす

11話からは偶数日20:00投稿です。

 昆布。それは日本人ばかりが食すると言われる、海の幸である。


 第3の街、慟哭街で現れる魔物「それほど増えないわかめ」からドロップする。こいつは、わかめ、昆布、海苔をドロップする、ラーメンには欠かせない魔物である。できればもっと早くに出会いたかった。

 この「それほど増えないわかめ」は、増殖能力を持っていて、10秒で数が2倍になる。ただし、通常はMPの関係上4倍で終了する。

 MPポーションなどを投げつけて回復させると、また増殖をすることが検証されている。

 一回の戦闘でできるだけ倒したいと思うので、MPポーションを大量に買っておけばいいのだろうか。


「そういえば、オークデンから何か聞いていたような……?」


 流星は、以前、ゲーム内フレンドにして、リアルでの元アルバイト先「ムカ着火ボルケーノ」常連、オークデンから運営のお知らせ欄に初心者用のアイテムがあると聞いていたことを思い出した。


 攻略wikiの該当ページを調べてみる。

 自分で使うとHPとMPが1時間減少しないうえ、効果中に毒攻撃や酸攻撃を受けておけば耐性技能の経験値を稼げる便利アイテムであるらしい。これは敵の魔物に使っても同様であるが、流石に1時間効果が続くことはなく、3分で切れることが検証されていた。

 何でも試してみる人はいるものである。


 流星は、これはいい情報を得たと思い、第3の街、慟哭街を出て近くの洞窟に入った。

 石を積んでできた洞窟内の入り口から少し行くと、「それほど増えないわかめ」のリポップ地点がある。大抵わかめはそのあたりにいる。

 わかめっぽい魔物を1匹発見した流星は、何のためらいもなく、初心者限定ブースト薬を投げつけた。


 パリンと音を立てて、わかめにブースト薬がかかり、わかめが少し発光した。この発光エフェクトが続く限り、効果があるということだろう。

 流星は自分にもブースト薬を使ってわかめが増えるのを待った。


 わかめの増殖が始まった。

 10秒経過、2匹になる。

 20秒経過、4匹になる。

 30秒経過、8匹になる。

 40秒経過、16匹になる。

 50秒経過、32匹になる。


 わかめが、もさもさ、と増殖していく。

 そろそろわかめがいたあたりの空間に足の踏み場がなくなってきた。まだ1分も経っていない。


 60秒経過、64匹になる。

 70秒経過、128匹になる。


 もさもさ。

 わかめは洞窟を埋め尽くしていき、天井に届きそうだ。

 もさもさ。


 80秒経過、256匹になる。

 もさもさもさもさ。


 ここで流星は気づいた。

「こいつはやばい……」


 まだ効果時間の半分も経っていないが、洞窟はわかめでふさがれ、もはや先を見ることもできない。


 一応、ブースト薬を敵に使用した場合は3分で効果が切れることは調べていたが、3分経過後に何匹になるか計算していなかった。

 流星はメニューから検索サイトを開き、2の18乗と打ち込むと計算される。

 結果は262,144である。

 262,144。


「え?」


 262,144。


 3分後には、262,144匹になる。

 26万匹。もはやテロとしか言いようがない。

 しかも効果が切れるまでダメージを受けないので、途中で倒すこともできない。

 流星は宇宙空間で無限にまんじゅうが増え続ける、青いタヌキのマンガを思い出した。


 破壊不能オブジェクトである洞窟内で使ったので、増えすぎたわかめは壁を壊すこともなく天井を崩すこともできない。そのまま積み上がり、わかめの壁を形成する。ついには雪崩のようになる。自身も初心者ブースト薬を使っているだめダメージを受けないものの、その物量に耐え切れず、洞窟から押し流されていく。


「うおおおおおおおおお!」


 ずもももも、と得体の知れない緑の魔物たちに流されていく光景を見たほかのプレイヤーは何を思うのだろうか。というか、奥に人がいたら多分圧死するよな、マジでゴメン。

 などと流されながら現実逃避していたら、3分が経過した。ブースト薬の効果が切れた瞬間、わかめの大半は圧死したらしく、雪崩がだんだんポリゴンに変わっていく。


 死ぬまでのラグがあるのか、残ったわかめに未だ流され続ける流星は、システムアナウンスが表示されるのを見た。


 ----

 システムメッセージ

 以下のクエストを完了しました。

 特殊クエスト:ラーメン職人のジョブでラーメン100杯作成しよう

 特殊クエスト:ラーメン職人Lv. 20にしよう


 条件を満たしたため、新規職業が解放されます。

 三次職業:頑固一徹ラーメン職人


 以下のクエストを完了しました。

 特殊クエスト:毒入りラーメンを作成しよう

 特殊クエスト:毒入りラーメンを使用して魔物を倒そう

 特殊クエスト:麺が伸びていないラーメンで累計売り上げ30万イェンを達成しよう

 特殊クエスト:頑固一徹ラーメン職人を解放しよう


 条件を満たしたため、新規職業が解放されます。

 三次職業:ダークラーメン職人

 ----


 流星はわかめに流されながら、とりあえず職業を頑固一徹ラーメン職人に変更しておいた。

 頑固一徹ラーメン職人は転職時の取得技能がラーメン作成術であり、もともと持っていた場合は統合されて1レベル上昇となる。マスターボーナスでも2レベル上昇なので、レベルを上げきれば、一気に3レベル上昇する。


 まだまだわかめは圧死してポリゴンに変わっていく。経験値がガンガン入って頑固一徹ラーメン職人のレベルが上がっていくことが確認できる。


 わかめの雪崩がとまり、わかめがほぼ圧死した後は、流星は初心者限定ブースト薬を使い続け、残ったわかめを狩りつつドロップを回収して最初のわかめのいた地点まで進んで行く。ちなみに圧死しなかったわかめは1000匹ほどだった。


 流星は、ひいひい言いながらも自分のやった行為の落とし前を付けるべく残党狩りにいそしんだ。結局、わかめ狩りだけで4時間かかった。


 これのわかめテロは爆速レベリングとして話題になるが、後で運営が修正を入れたのは言うまでもない。(増殖は10回、1,024匹で頭打ちになるように設定し直された。それでも、例えば深い落とし穴にわかめを落としてブースト薬を使うなど、うまくやれば、かなり経験値ウハウハであることは間違いない。)


 おそらく一生使い切ることができないだろう量のわかめ、昆布、海苔を手にした流星は、次からはもう少し考えて行動しよう、と心に決めたのであった。

ダークラーメン職人がこれまで見つかっていないのは、単純に伸びていないラーメンを売ろうというこだわりを持ったプレイヤーがいなかったからです。

次話は掲示板回なので、本編と同時に2話分更新します。


------

人物名 流星 性別 男 種族 人間

職業

料理人 Lv. 20 / 20

ラーメン職人 Lv. 20 / 20

頑固一徹ラーメン職人 Lv. 20 / 20


体力 67/67

魔力 67/67


攻撃力 68(+21)

防御力 67(+35)

瞬発力 68

魔法攻撃力 9

魔法防御力 9

技術力 125


装備

頭:ねじりはちまき(防御力+5)

武器:タングステン包丁(攻撃力+20)

盾:じょうぶな寸胴鍋(防御力+10)

胴:ふりふりのエプロン(防御力+10)

手:なし

足:じょうぶな長靴(防御力+10)

装身具:ラーメンてぼ(攻撃力+1、アクティブ使用時に湯切り効果(麺系モンスター特攻))


技能

包丁格闘術Lv. 8 ←Up!

寸胴防御術Lv. 4

ラーメン作成術 Lv. 8 ←Up!

毒耐性 Lv. 1

戦闘用湯切りLv. 2

料理強化術 Lv. MAX ※オン


所持金

121,800イェン


店舗

「楼閣街」Z9地点(名称:ラーメン流星)

 メニュー:味噌ラーメン800イェン 技術力+2%

 メニュー:煮干し味噌ラーメン1000イェン 技術力+3%

 ※流星が店を開けている時間のみ販売される


所持品

味噌×500、しょうゆ×179、ナルト×300、メンマ×300、酢×15、みりん×15、酒×3、ラーメン×500、煮干し×200、わかめ×80,123、昆布×80,043、海苔×80,105

体力薬(HPポーション)×49

毒入りラーメン(麺は伸びている)×10

初心者限定ブースト薬(1時間体力魔力が減少しない)×95(※第30の街に着くと消滅する)


移動可能な拠点

楼閣街、暗黒街、慟哭街

------

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ