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第8話 ラーメン屋、大切なものを奪われる

 料理人のレベルが20になったことで、マスターボーナスを獲得、他の職業への転職も可能になった。

 料理人のマスターボーナスは毒耐性技能取得である。確率で毒攻撃を無効化する。レベル5が最大で、防ぐ確率は50%である。毒耐性装備と合わせて、100%無効化もできるので、取っておく価値がある。

 ちなみに酸には効かない。

 酸耐性が欲しいならイエロースライムに酸攻撃されまくる必要がある。

 初心者ブーストアイテムを使っていても得られるので、攻略wikiを読みこんだ初心者がイエロースライムの攻撃を受けている光景は最近良く見るものである。


 さて、転職可能な職業は、他の一次職か、ラーメン職人である。流星はもちろんラーメン職人を選択する。

 ラーメン職人に転職した際には、新しい技能が得られる。ラーメン作成術と戦闘用湯切りである。流星はもともとラーメン作成術を持っていたので、統合されて1レベル上昇した。これでさらにラーメン作成スピードが上がることだろう。

 また、戦闘用湯切りの技能が得られたことにより、一反木綿をさらに狩りやすくなった。


------

 人物名 流星 性別 男 種族 人間

 職業

 料理人 Lv. 20 / 20

 ラーメン職人 Lv. 1 / 20



 技能

 包丁格闘術Lv. 7

 寸胴防御術Lv. 4

 ラーメン作成術 Lv. 4 →Lv. 5

 毒耐性 Lv. 1

 戦闘用湯切りLv. 1 ←New!

 料理強化術 Lv. MAXオン

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 一反木綿をあっさり倒せるようになり、転職も終えたことで、気が大きくなった流星は、さっそく第2の街「暗黒街」のボス、「生体に対しても吸引力の変わらないタコ」に挑みに行くことにした。


 暗黒街の通常モンスターはラーメンの材料である()()()()をドロップする「ブルースライム」や、小麦や米をドロップする足の生えた麦、「麦野郎」などがいるのだが、今回はスルーする。

 いずれ自家製麺を作る際には大量に狩りに来ることだろう。


****


 流星は、第2の街「暗黒街」のボスエリアに侵入した。


 5mほどの高さ、全身は青く、デフォルメされてやけに目が大きい、しかしまぎれもなくタコとしか言いようがない見た目の存在が、そこにはいた。

 タコの周りには、敵でも何でもなく、ただタコに吸われるためだけに存在する、空中を泳ぐ小魚が20匹存在する。


 タコの足は1mの射程まで攻撃が可能で、射程内に入ったものに対して問答無用で吸引攻撃を仕掛けてくる。

 空中を泳ぐ小魚も例外ではなく、タコの射程と吸引攻撃を見せるためのギミックとして配置されている。なんとかわいそうな存在だろうか。ドロップ品である煮干しの原料という設定も兼ねているのだろうが。


 うねるタコ足を見ながら、慎重に距離をつめていると、一匹の小魚がタコの射程に入るのが見えた。

 タコ足が素早く動き、小魚に巻き付いたと同時に、タコから唇のようなものが伸びて吸い付いた。唇を当てられた小魚はみるみる水分を奪われ、煮干しになってしまった。


「こっわ!」


 タコの吸引攻撃はスリップダメージであり、吸われている間、10秒毎に最大HPの1%(切り上げ)のダメージとなる。切り上げなので、HPの低い序盤では1ダメージ固定となり、なかなかの痛手である。

 今の流星であれば290秒、5分弱は耐えられるものの、ソロで挑むのであれば吸引攻撃を受けるのは避けた方が良い。


 タコの射程のギリギリ外側を意識しつつ、小魚がタコ足の射程に入った瞬間、伸びた足に包丁で切りつける、ヒットアンドアウェイ方式でタコを攻撃していく。小魚には感謝しかない。

 シュッ!

 サクッ!

 小魚が煮干しに変えられていくのを横目に、流星はタコの足にチクチクと攻撃を加えていく。


 小魚が全滅し、煮干しに変えられた頃、タコの攻撃に変化が出た。

 吸引攻撃で作成した煮干しを投げつけるようになったのだ。


 案外速い煮干し攻撃を、盾である寸胴鍋で受け流し、ここからは己のPS(プレイヤースキル)で対応しなくてはならないと気を引き締める。


 タコの射程に踏み込んでは、半歩下がってタコ足攻撃をかわし、伸びてきた足を切りつける。

 煮干しが飛んで来たら寸胴鍋で受け、距離をとって一旦仕切り直す。


 踏み込み、かわし、切りつける。煮干しを受けて距離を取って、また踏み込む。

 踏み込み、かわし、切りつける。踏み込み、かわし、切りつける。

 煮干しは受けて、距離を取る。

 踏み込み、かわし、切りつける前にタコが口から攻撃を放ってくる。


 パターン化できたところで油断したためか、流星は、タコが放ってきた黒い物体が煮干しではないことに気づけなかった。


 寸胴鍋で受けた瞬間、煙幕のように黒いモヤが広がり、視界を失った。


「タコスミかよ!」


 動揺から下がることを忘れた流星は、そのまま射程圏に残ったままだったのか、タコに巻き付かれてしまった。

 さらに2本目、3本目と足が絡んでくる。


 5本目の足がからまった時、タコから唇のようなものが伸びてきて、流星の顔に近づいてくる。

 巻き付かれて身動きが取れない流星になすすべはなかった。


「ぐあああああああ!」


 こうして、流星のファーストキスはタコに奪われたのだった。


 VR空間とはいえ、ファーストキスがタコである、という事実に悲しくなった流星は抵抗する気力を一時的に失ってしまった。

 流星はタコにキスされたまま、逃れられずにスリップダメージを受け続ける。


 やや時間をおいて精神を持ち直し、包丁をタコに突き立てて逃れようとするも、多少の攻撃では脱出できない。

 ザク!

 ザク!

 大きな音を立ててダメージを受けるタコであったが、吸引力は変わらない。吸引力の変わらないところが、名前の通りボスのとりえである。


「脱出が間に合わない! HPポーションを使わないと!」

 アイテム欄を選択し、体力回復薬(HPポーション)を選択する。

 だが、焦ったおかげで、インベントリから取り出した体力回復薬を落としてしまう。

 パリン、と絶望的な音を聞きながら、流星は、ステータスのHPがゼロとなったのを視界の端で確認した。


 タンスに小指をぶつけた程度の痛みを感じ、視界が暗転した。



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人物名 流星 性別 男 種族 人間

職業

料理人 Lv. 20 / 20

ラーメン職人 Lv. 1 / 20


体力 29/29

魔力 29/29


攻撃力 30(+11)

防御力 28(+16)

瞬発力 30

魔法攻撃力 9

魔法防御力 9

技術力 49


装備

頭:ねじりはちまき(防御力+1)

武器:タングステン包丁(攻撃力+10)

盾:じょうぶな寸胴鍋(防御力+5)

胴:ふりふりのエプロン(防御力+5)

手:なし

足:じょうぶな長靴(防御力+5)

装身具:ラーメンてぼ(攻撃力+1、アクティブ使用時に湯切り効果(麺系モンスター特攻))


技能

包丁格闘術Lv. 7

寸胴防御術Lv. 4

ラーメン作成術 Lv. 5

毒耐性 Lv. 1

戦闘用湯切りLv. 1

料理強化術 Lv. MAX ※オン



所持金

210,000イェン→105,000イェン(デスペナルティ)


店舗

「楼閣街」Z9地点(名称:ラーメン流星)

 メニュー:味噌ラーメン800イェン 技術力+2%

 ※流星が店を開けている時間のみ販売される


所持品

味噌×30、しょうゆ×279、ナルト×100、メンマ×100、酢×15、みりん×15、酒×3、ラーメン×400、うどん×900

体力薬(HPポーション)×49


移動可能な拠点

楼閣街、暗黒街


特殊所持品(運営のお知らせ欄から受け取っていないまま忘れている)

初心者限定ブースト薬(1時間体力魔力が減少しない)×100(※第30の街に着くと消滅する)

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