表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この状況って、萌? それとも百合ですか?  作者: ほのぼの日記
俺は女の子 苦難編
7/133

入学初日 前編

今回に関しては、本当に読みにくい感じになってしまっているかもしれないなと思っています。

大変申し訳ないです。


 高校入学式当日の朝、俺はいつものように目覚ましのアラーム音で目を覚ましベッドから起き上がる。

 めまいがした。

 立ち上がってすらいないのにめまいがした。

 寝不足によるけだるさを感じることなら頻繁にあるけれどめまいはなかなかに新しい感覚だ。よくよく考えてみると、身体も少しだるい気がした。

 そうして俺はもう一度ベッドに横になり布団にもぐり直す。

 今日は誠に残念ながら病欠と言うことになりそうだった。





 次に目を覚ました時、あれから時刻はほとんど経っておらずものの三十分ほどいったところ。一言で言うと身体にいつもとは違う重さを感じたからだ。

 俺が起きてこないのを見計らって楓が起こしに来てくれたに違いない。

 楓は俺を起こすときなぜか俺の上に乗る。

 実際、俺も身の危険を感じて一番目を覚ましやすいのだけれどゆすったり、布団から引きずり出したりしてくれた方がありがたかったりする。

 もちろん贅沢を言うつもりもないのだが・・・・・

「楓か?」

 俺の問いに何の答えも返ってこない。

 うっすらと目を開けるとそこには誰もいなかった。

 身体の上に何か乗っているのかと思い目線を下の方にずらしてみるが、布団が少し持ち上がっているだけで重さになるようなものは特に乗っていなかった。

 そうして俺がもう一度寝直そうと思った矢先に、自室のドアが開け放たれた。

「お兄ちゃん、いつまで寝ているの。もう朝だよ。私との時間が減っちゃうでしょ。早く起きてよ」

 などと、早口で言いながらベッドに近寄ってくる。

 ベッドの横まで来ていつものように俺の上に乗ってくるのかと思いきや、今日に限って楓はそうしなかった。

 俺の病気にいち早く気づいてくれたのかもしれない。兄思いの強い楓ならあり得る話だ。

「あなた誰ですか」

 どうやらそうではないらしかった。

 楓は冷めた眼差しでこちらを見つめ、今にも殺人でも起こしそうなほどに冷め切った声で問いかける。

 その質問に俺は当然の回答を返す。

「楓のお兄ちゃんだけど、どうかしたのか楓」

 そこで自分の声の違和感に気が付いた。初めて会う人に話しかける時に緊張して上ずった声のような少し高めの声。

「私、あなたのような兄を持った覚えはありませんが。私の兄は、立派な妹思いの優しい人で、私に無断で知らない女の人を家に上げるような人ではございません」

 女の人という単語が気になった俺は起き上がって自分のベッドを確認した。

 結論から言うとそんな女の人はいなかった。

 そこで起き上がり周りを確認したことで前髪が目に少しかかるくらいに伸びていることに気づく。

 自分の髪がここまで伸びていたなんて気づいていなかった俺は無意識に手で前髪を触っていた。そうして肩に乗るように伸びていた耳の後ろの髪が前に垂れる。

 そして俺は言葉を失った。

 一夜前まではスポーツ刈りが少し伸びてきたような髪型だったはずなのに、ここまで髪が伸びることはありえないからだ。

 俺は慌てて姿見で自分を確認した。

 そして、もう一度俺は言葉を失った。

 そこには女装した俺の姿ではなく、知らない女の人が映っていた。

 見るからに歳は俺と同じくらいで、黒髪のロングヘアですっぴんだと思うのだが顔は整っていて美人だ。肌は白くて、胸は小さめだろうか。もちろんムダ毛など見当たらず手入れが行き届てそうな身体だった。

「で、あなたは誰ですか」

「誰なんだろうね・・・・・」

 ここで一つまだ夢の中なのかもしれないと思った。

 例えば、無意識になりたい自分になっているだとか、誰かと入れ替わっているだとか、はたまた、結婚したい女性像なのかも・・・・・

 そこまで考えてこんな妄想は無駄であることに行き当たる。

 なぜなら夢ならば楓もこの状況に順応していておかしくないからだ。順応していないまでも、自分の夢なのだから今までに見たことのないような冷めた目をしている楓が登場しているはずはない。

 残念なことに、これには自信があったので夢ではないという結論に至った。

 そうして楓の問いで自分の世界に入り込みそうなほど考えていた頭が現実に戻される。

「おちょくっているんですか?」

「いや、違うよ楓。俺にもわからないんだ。特に今の状況が、もうほんと、ぜんぜん」

 そんなやり取りをしているうちにらちが明かなくなった楓は俺のことを探しだした。

 これがチャンスとばかりに今の姿はどう説明することもできない俺だったが、俺自身の誕生日や楓の誕生日、好きな物や嫌いな物、昨日のことやその前日の俺と楓しか知らないようなことをとにかくたくさん言っているうちに、楓の方がもうしょうがないなという感じでどうにかこの姿の俺を兄と認めてくれた。

 くれたのはくれたのだが、問題はそこからだった。

「もうお兄ちゃんが、目の前にいる女の人だって言うのは、正直わからないけど、でも一応信じてあげる」

「そ、それはよかった」

「でもお兄ちゃん。いや、もうお姉ちゃんなのかな?」

「そこは、お兄ちゃんでお願いしたい」

「わかった。で、学校はどうするの? いきなりは制服用意できないし、男物で行ったら注目の的になっちゃうよ。そうしたら、お兄ちゃん。いきなり先生に呼び出し食らっていろいろ聞かれたりされたりしちゃうかもね」

「今日は休みます・・・・・」

「そうした方がいいね。じゃあ、もう朝ごはん冷めちゃうから早く降りてきてよね」

 そう楓は言い残し、部屋から出て行った。

 確かに楓の言う通りだ。

 入学初日から注目の的にはなりたくないし、いろいろこの格好で男物の制服を着るのには勇気がいる。

 もしかしたら、本当にもしかしたら自分でも美人だと思ったほどだしエッチな目にあってしまうかもだし・・・・・

 そこまで考えた俺は急に身体がかぁっと熱くなるのを感じて、こういうことを考えるのはやめておこうと思うのだった。

 




 ベッドから降りて立ち上がった俺は着替える服がないことに気が付き、いつもなら寝間着から普段着に着替えて朝食にするところを、そのままの姿で一階に向かった。

 階段から降りてきた俺を見た楓が、俺に早く席に着くように催促する。

 俺が席に着いて楓と一緒に朝食をはじめ、楓の入れてくれた紅茶と前もって買っておいたパンを食べながら、俺がこの状況にため息をつきながら考えを巡らせていた。

 そこに横から楓が、

「お兄ちゃん、理由はわかるけれども、朝からため息をつくのは良くないよ。幸せがどんどん逃げて行っちゃうよ」

「そうだな。これ以上なくなったら壊滅的な問題だ」

「それに、どうせなら今の状況をこの世界中の誰にも真似できないこの状況を楽しむくらいの気軽さが、今のお兄ちゃんには必要なのではないかな」

 確かにそうかもしれない。今のところは後ろ向きな考えしか出てこなかったが、見方を変えればこの状況はとても数奇なことでそれこそ楽しまなければ損なことなのかもしれなかった。

 いや、そんなことはなかった。

 なぜなら、誰にも真似できないそんな状況を俺は望んでいなかったのだから。

 これは紛れもなく特別なことだ。が、しかし特別を望んでいる者が特別になりたいわけじゃないのと同様に、望んでいないのものが望まない結果になったことを喜ばないのと同じなのだ。

「そうすると、楽しまないまでも、苦しまないで済む程度にはなっておきたいものだな」

 苦しまないというのは生活する上でということだったのだけれど、楓はそうはとらなかったようだ。

「そうだよね。楽しむには時間が足りないかもしれないし、初めてのことだらけだと苦しいよね」

「いや、そういうことでは」

「大丈夫だよ。私が手取り足取り、何度でも教えてあげるからね」

 楓は息を荒くしながら熱血に、そして前のめりになるほどに勧めてくる。

 そんな楓を見ながら俺は身の危険を感じながらも、そこは心のうちに隠し、話を元のレールに戻した。

「楽しむとかそれ以前に、今のこの時点で俺はこの家からもう出れないという手詰まりの状況なんじゃないのか。それに方法があったとしてもそれからのこともわからないし」

 そこまで言って一つ考えが思いついたがこれは却下である。

 それは服をまずネットで購入し、身なりを整えてから外に踏み出すもの。だが、これは外見が整っているが内面がズタボロだ。

 これでは不安しかない。

「大丈夫だよ。お兄ちゃん。私が大好きなお兄ちゃんのために私のちょっと大きめの服を貸してあげるから、私が学校から帰ってきたらそれ着て一緒に買い物に出かけよう」

 最後の部分だけ読み取ると変なことを頼む兄にしか聞こえないセリフだが、もちろん変な兄などではない。

 いや、一概にもそうは言えない状況だった・・・・・

 楓の提案に渋々了承の返事を返した俺は、楓がそろそろ学校に行かなければならない時間だったのでここで話を切り上げ、自分は楓が帰ってくる昼過ぎまでこの格好でいることになった。

 楓には何も言われなかったが、自分の恰好が、いかにも男の眼を引きそうな恰好であることは言わなくともわかっていた。

 上下ともに服のサイズがあっておらず、白くてきれいな肩は少し見えそうだし、細身になったのか、胸があるからなのかはわからないが前かがみになると本当に見えそうだった。それにズボンも今にも落ちそうなほどに緩い。

 正直、自分が男だった頃がすでに恋しい気がした。

「じゃ、お兄ちゃん。なるべく早く帰ってくるけど、できるだけ用心はしててよね」

 それだけ言い残し、楓は家から出て行った。

 それを聞き終えた俺は自室にこもっていられるように、ペットボトルに入ったお茶を片手に自室に向かった。

 そうして自室に置きっぱなしになっていたスマホから学校に連絡し、まだ慣れない女声の自分の声を、それでも整えるように咳ばらいをし、たぶん女性はこんなことはしないんだろうなと男だった頃の価値観でそんなことを思いながら、入学初日から休むという連絡を担任の先生にするのだった。

 もちろん理由は病気である。

 これがどんな症状で、どんな病気に当てはまるのかなど知る由もないのだけれど・・・・・


プロローグに書いた話の内容はもう少し先のことになります。

その話はまた後程、という感じで。

自分の予定はもう少し大雑把に書く気でいたはずなのですが・・・・・


最後に、何でもいいので感想くれたら本当にうれしいですw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ