プロローグ
一言目を身の上の話から始めるのは正直どうかと思うのだけれど、自分なりに書いていこうと思う。
俺は谷崎瑞樹。三歳年下の妹の楓と海外に赴任中の両親の四人家族だ。
今は楓と一つ屋根の下で暮らしていることを除けばどこにでもいる普通の高校一年生だったはずなんだが、祝日でもないのに家でゴロゴロ寝転がりながら小説を書いている、この状況を普通とは言えないだろう。
言わないでもわかってくれると信じているが説明もかねて、今は自宅警備員をしている。
つまり、自分は不登校児なのだ。
まだ、四月も半ば。桜も満開の時期は終わっているが散っている姿も日の光と混ざって美しく映る。まさに制服を着たロングヘアの女学生がとても似合いそうな、そんな日に俺は自宅に引きこもっている。
「どうしてこうなった・・・・・・」
俺はため息交じりに吐き出した。
言いたくもなる。中学生の頃までの俺は陰に隠れているような生徒ではなかったのだから。しかしここですべて言ってしまうのは野暮というもの。これはまだ解説程度のプロローグなのだから。
こんな感じで才能はともあれ初めて書き出した自分の小説に身の上を挟んだ内容を織り交ぜながら進めている小説を一度書き留めた俺は、今日はここまでと保存のボタンを押す。
まだ、昼すぎだというのに早すぎる諦めだった・・・・・・・
しかし、俺もわかっている。このままではいけないことは。学校にいずれ行かなければならないということはもちろんわかっているのだ。
そんなことが頭をかすめ始めた俺の脳は、また俺に小説の続きを書く勇気をくれた。
なぜか?
それは、他のことで頭をいっぱいにしておけばそのことを考えなくて済むからだ。
それから数時間。小説のためにとネタ探しの一環で読み始めたマンガに少しばかり時間を取られすぎた気はするが、小説の方も少しは進んだ。
そういえば、そろそろ妹の授業が終わるころだ。帰り際に、今日の夕飯の材料を買ってきてもらおうと思い、スマホを手に取り、楓に電話をかける。
「もしもし、楓か」
「どうしたの、お兄ちゃん」
「今日の夕飯の材料なんだけど」
と、そこで俺は言葉に詰まる。夕飯を何にするかということを全く決めていなかったからだ。そこで、
「好きな物買ってきてくれるか。それで適当につくるから」
「わかった~」
楓との電話が済み、少し休憩にしようとベッドの方へと移動するのだった。
初めての投稿作です。あまりまとめられそうになかったので区切って書いていく連載型にしております。
何分、知識も才能もないので、読みにくいかもしれませんが、そこはご了承願えたら何よりです。




