『韓非子』2
「『優れた部下が、優れた上司に進言しても、すぐに受け入れられるとは限らない。ましてや上司が愚かだった場合では、言うまでもなく』
と韓非子は述べています。
例外はありますが。一般的に、人は偉くなればなるほど、身分が高くなればなるほど、下の者の意見を素直に聞くことが難しくなるようです。
なぜならば、自分の力でその地位まで登り詰めた自負や、
あるいは困難に打ち勝ってきたという自負があり、
自分は人より優れているのだと考えてしまうからです。
それ自体はあながち間違いではないのですが、
それと同時に、その困難を乗り越えていない他の人間は自分より劣っていると考えるようになってしまいます。
プロ野球選手が、草野球の選手にアドバイスを求めたりしないように、自分より劣っていると思っている人間の意見をすぐに聞き入れる人は普通いません。
例えば、一年目の新米社員が会社の上司に進言したとします。
”革新的な営業の仕方”、”効率的な書類管理の方法”、”広報活動における問題点”などなど。
仮にそれが本当に正しい意見だったとしても、それをまともに取り合ってくれる上司は稀だと思います。
ただ、自分の正しい意見を受け入れてくれないからと言って、それは上司が優れていないということではなく、それが普通なのです。
意見を受け入れてもらうには、タイミング、話し方、粘り、相手の顔を立てること、様々なことを考慮してプレゼンする必要があります。
君たちは、遠くない未来に社会に出ることになります。
組織の一員として、上司に提案する時は、心しておいた方が良いでしょう。
ちなみに、私は最近タイミングを間違えました」
「奥さんに何か進言したんですか?」
女子留学生レイプール=カザンが尋ねた。
「家族で使えるから、プレイ○テーションミニを買って欲しい、と」
「先生は根本的に間違っていると思います」