『老子』
「一番前の席に座っているチャーミングなお嬢さん」
「はい」
女子留学生レイプール=カザンはニコっと微笑む。
「”真言は美ならず、美言は真ならず”という言葉があります」
「セクハラです」
「申し訳ありません。訂正いたします。
しかし、そういった事実も多いということを、心の片隅に留めておいた方が宜しいでしょう。
”振り込め詐欺”、”還付金詐欺”、”結婚詐欺”、”投資詐欺”、”マルチ商法”
その全てに、甘い言葉が含まれています。甘い部分が多いからこそ、人は心惹かれてしまう。もちろん、ただの真である美言もありますが、それと同じくらい、いやむしろ毒がある美言の方が多いでしょう。
逆に考えてみます。
言われてムカッとする言葉、つまらない言葉にも真がある場合があります。もちろん、ただの悪口ということもありますが、そこに思いも寄らず真実が含まれていることが多々あります。
結局、重要なのは、相手の言葉に振り回されずに、真実を見抜く力を持つことですね。
……全く手が入らない。手の内が字牌ばかりだよ。という愚痴を信じて、国士無双に振り込む気持ちが君達に分かりますか!?」
「何の話ですか!?」