『荀子』
「”君子は人に言葉を贈り、凡人は人にモノや金を贈る”
ということを荀子は言っています。
自分自身に魅力がない人や、つまらない人は、高価なモノや金で釣って自分の立場を維持しようと努めるということです。
確かに、金目の物を貰えれば嬉しいことと思いますが、それだけです。
一方、言葉はただの言葉でしかありませんが、君達の人生観を一瞬で変えてしまうような言葉や、命を輝やかせてしまう言葉、魂を奮わせるような言葉があります。
それは、どんな高価な物よりも価値のあることだと思います。
だから、女性諸君。
金目のプレゼントをくれる男は、内面は大したことがないのだと思いなさい。
もっとも、金目のプレゼントをくれない男の全てが、内面が優れているとは限らないところが難しいところですね。単純に甲斐性無しで、プレゼントをしないという男もいますから、そこには注意しなければいけません。
……整理してみると、もしも付き合うなら、お金はたくさん持っているが、決してプレゼントをせず、口が上手い男が良いということになりますね」
一番前の席に座っていた女学生三輪来栖が手を上げる。
「そんな人は絶対に嫌です」