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『ゴットフリート=ライプニッツ』
「予定調和という言葉があります。
全てのものは、予め神に運命を定められており、その定められたレールの通りに進み続ける。
個と個の間には一見関係性があるように見えても、実際は何ら関係性や繋がりがなく、ただ、そう見えるように神が運命の初期値を設定しただけのこと。
例えば、目覚まし時計を二個、同じ時間にセットした場合、あたかも片方の時計が鳴り出したことに影響を受けたかのように、もう一つの時計も鳴り出しますが、実際にはその二個の目覚まし時計の鳴動には何の関連性もないのと同じことです。
これが予定調和と言われるものですね。
一見、荒唐無稽な説に思えますが、否定する要素が何もないことも事実です。
神が運命を定める。
私が何を言いたいか分かりますか?」
「先生がお小遣いを使い切ってしまったのは、先生の意思に関係なく、運命であるということですか?」
女子留学生レイプール=カザンは真実に一歩近づいた。