表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第1話 陰キャ初めての運命。

 俺の名前は丸山(まるやま) 勇澄(ゆうと)

 saoが大好きな玉ねぎだ!


「すたぁばあすとすとりーむ!!」


 17年間陰キャを続けて、未だに彼女なし!

 そんな陰キャ生活を過ごしていたある日、悲劇は起きた。


 ――――――

 ――――

 ――




「その程度の攻撃で何が出来る? 玉ねぎの使徒よ」


 くそっ……、なんて強さだ……。流石は五十嵐(いからし) 春寿(はるじゅ)と言ったところか……。

 だが、俺は絶対にカノンを守る。

 五十嵐 春樹はゴリラ系能力の使い手で身体能力を何倍にも保つことが出来る。

 しかし、そのゴリラ系の能力には弱点がある。それはバナナが大量に必要ということだ。

奴のバナナを減らすには……あれを使うしかない……。

 そう、それは俺に秘められた力。やつに打ち勝つための打開策。

 喰らえ……!


『玉ねぎボンバー!!』


 ドカーン! 後ろに備えていたバナナは粉々に砕け散る。

 ゲームクリア!



「よっしゃあ!勝った!」


 かくして俺は、カノンを助けることに成功した。


「丸山さん……」


 カノンはピッグ帝国の次期王女で、特徴的な大きな鼻とたくさん付いているシミが特徴的なショートの女性(ブス)だ。

 そんな彼女を俺は外面上では好きと表しているが、内心は金目当てだ。

 こんなブスと付き合う低俗がどこにいるというのだ。


「今度、私とデートしませんか?」


 まさかのカノンからの誘い。こんなブスとデートしてたまるかぁ! 俺の人生とプライドと童貞を守るため、何がなんでも断ってやる!

 と、言いたいところだが金は惜しい。俺は身内からクズとして有名だ。

 童貞? そんなものより金だ、金。

 金さえあればアニメのグッズが変える。


「ぐへへ……アスナちゃん」

「ん? どうしたの丸山君?」

「な、何にもないよ。もちろんOKだよ」 


 こうして、俺はカノンとのデートが決定した。


「へへ……ふへへ。痛っ!」

「こらー! 勇澄! 起きなさい!」


 へっ……へへ? 夢か……。

 うわぁ! 遅刻しそうだ……。俺は急いで学校へ向かった。

 てなわけで、俺の名前は丸山 勇澄。高校二年生で自称できるほどの陰キャだ。

 ラノベは正義。周りはゴミ。それをモットーにしている。

 まぁ、そんな俺にも好きな人がいるんだけど……。ぐへへ……。

 俺は興奮して、机に頭を何度も打ち付ける。


「勇澄君っ! どうしたの?」

「な、な、何でもないです……」


 そう、この彼女が俺の好きな早川 みくる(はやかわ みくる)。

 アスナの次くらいに好きだ。

 このクラスのヒロイン的な存在で、陰キャの俺なんかとも話してくれる。


「そっかぁ……。ちょっと心配しちゃったよー」

「ご、ご、ごめんにゃしゃい!」


 噛んだァ!! 恥ずかしすぎる!!


「謝ることないってー! それじゃ!」

「そ、その、さっき謝ったのはですね。えーっと……、あれ!?」


 彼女は俺の周りからいなくなっていた。

 その後は反省会だ。俺は自席に伏せて何が悪かったのかを考える。

 こんな時、話せる相手は中学の友達以来いない。悲しい話だ。

 そんなこんなしていると、気付けばホームルームが始まろうとしていた。


「規律、礼」

「「おはようございます」」


 はぁ……。

 こうして、いつものつまらない学校が始まる……はずだった。


「転校生を紹介するぞー」


 周りがざわざわと騒ぎ始める。

 俺は一番後ろの窓側の席で机に伏せて考える。

 転校生ねぇ……。俺に構ってくれる美少女なら良いけど。

 そんな子。簡単に現れるわけないし。なんなら、可愛い男子でももう良いや。てか、話し相手なら……。


稲田(いなだ) 花音(かのん)さんだ。仲良く接してあげるように」


 名前可愛いねー。どんな子かなー?

 とか、

 美少女かぁ!?

 というような声が上がる。

 こいつら……。本当に夢見すぎ。馬鹿じゃねぇの? 美少女なんて来るわけねぇだろ。

 その? なんだ『カノン』とかいうやつ……。

 この時、俺には一つの不安が出てきた。

 ガラガラガラ

 前の扉が開かれる。クラス全体にため息と淀んだ空気が曼する。

 今日見た、今朝の夢にもそんな奴がいたような……。

 俺は前に立ち、自己紹介をする彼女に釘付けになる。


「い、稲田 花音です。よろしくお願いします」


 その自己紹介が終わった時、気付けば俺は席を立っていた。クラス全員が俺を注目する。


「あの陰キャが立ってるぜ……」

「どういうことだ?」


『君は……いったい誰なんだ?』


 俺の足は止まることを知らず、彼女のいる所まで歩いて向かっていた。


「どこかであったよね……? 君はいったい誰なんだ?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ