序章 彼は奇跡の未来をありのままに語る
序章〜彼は奇跡の起こる未来をありのままに語る
・・・ん?君はどうやらあの戦いの生き残りになるようだね。
いや、こちらの話だ、気にしなくて結構だ。
それならば話が早い。君も知ることになるのだろう、あの少年を。
全ての運命を覆すことになるあの少年・・・いや、
あの少年率いる連合軍とも言えぬ、小さな義勇軍もどきを。
さて、君がその戦いの一部始終を知るとしても、
私達のような情報屋ほどに全てを知ることにはならないだろうね。
特に、私のように全てはな。
・・・おっと、私とした事が名を名乗るのを忘れるとは、失礼した。
私の名は、アングリフ・レールカノン。以後、お見知りおきを。
まぁ、私に直接訪ねてきたということは君は私のことを知っていたかもしれないがね。
君の方は名を名乗らなくても結構。聞かずともわかっている。
金を払って頂ければ情報を提供するこの「DOD情報網」で
君のように未来の情報を求める者は初めてだよ。
無論、他の者は情報屋といっても未来までは知るハズがないと
思っているのだろう。まぁ、それが普通なんだがね。
君はよく知っていたな、この情報屋で唯一未来すらを知る私のことを。
君はどうやらラックマナが優れているようだ。直感が鋭いな。
おっと、話が少し逸れてしまっていたようだ、失礼した。
さて、それでは語るとしようか。
君がこれから体験する運命を覆す物語を。
ぬかりなく全てを、ありのままに・・・・
運命とは並みの人間なら必ずそのとおりに事が運ぶ。
しかし、その人間が並みな人間ではなく狂人だったら?あるいは並みな人間でもその運命に抗おうと努力する者もいる。そう、運命とはいくらでも自分の力で変えられるものです。しかし、その変えた運命が必ずしも良い結果に結びつくとも限りませんが。
この物語は、運命に抗い、良い結末を導くために生命をかけて努力をした、多くの努力人と数人の狂人の物語です。