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『スタリウム』

 よし。[死神]は解除しとくか。


 あの魔物氾濫(スタンピード)が起こってから一日経って、やっと『スタリウム』の近くまで来た。


 え? 一日の間何してたかって? 多頭龍(ヒュドラ)を倒してもレベルが上がらなかったから、この世界で最高難易度と言われる幾つかの迷宮の内の一つの最終層一歩手前のモンスターを狩り尽してきた。


 まあ、そんな事は良いんだよ。だって......レベル上がらなかったし......


 それにしても、人が多いな。『スタリウム』の門から五百メートルくらい列が出来てる。


 長くなりそうだし、待ってる間に装備の認識阻害の効果を教えようかな?


 まず、俺は神王だと何とか、神ってつく種族が五つあるよね? そのせいで存在感って言う? そういうのが大きくなって、俺に人の感覚や認識が引き寄せられるんだよ。そして俺は魅力の値がerrorになってるから、全員俺を見ると固まるんだよね。そこで、俺に感覚や認識が引き寄せられない様に気配を薄くして、魅力値が影響を出さない様に認識阻害を行って、普通の女? に認識される様にしてる。だけどこれ、不完全なんだよね。例えば、俺が笑ったりすると両方ともその瞬間だけ弱まるとか。まあ、いいんだけどさ。


 この説明だと、矛盾が出て来るかもだけど、実際このシステムって難しくて説明しにくいんだよね。という事だから、我慢してね。


 さて、後もうちょっとだな。残り百メートル程か。『ステータス』の偽装でもやり直しとこうかな。そこまで意味ないけど。


「次の方」


 やっと入れる。と言っても、丁度『ステータス』の偽装が終わったタイミングだったからいいんだけどさ。


「それでは、身分証の提示をお願いします」


 そう言われたので、ギルドカードを見せる。


「確認しました。ようこそ、『スタリウム』へ!」


 と言う訳で門から中に入ることが出来た。


 中に入ると活気があり、馬車を使って移動する商人や、露店を出している人、騎士風の人に冒険者の様な人と、色々な人がいる。また、門から入って直ぐに、街の奥の方に円形コロシアム風の壁が見えている。


 武闘大会はそのコロシアムで行うらしい。この街の中心にあるコロシアムは半径約六百メートルという驚異的な広さになっている。


 その周りを取り囲む様に街が形成されている。


 まだ大会まで五日はあるのに、これだけの人がいるってことは、当日は凄いことになりそうだな。


 さて、何処に行こうかな。まあ、先(ま)ずは冒険者ギルドかな。


ということで門があった場所から真っ直ぐ、数分程歩いて行くと冒険者ギルドに着いた。


 迷宮都市にあった冒険者ギルドは二階建てでかなりの大きさがあったが、此処の冒険者ギルドは造りは同じだけど二回り程小さい。また、周りの建物は商会である為か石造りが多いが、冒険者ギルドは木製である。


 取り敢えず中に入ってみる。


 中には驚く程(表現であって俺は驚いてない)の冒険者がいた。[世界眼]で確認する限り、下はDランクから上はAランクまでいた。


 この分だと、大会当日はSランク冒険者も来るかもしれない。ここで未来を視たらつまらないから確認はしない。


 俺はそのまま真っ直ぐ進み、受付に行こうとしたら三人の男達が下衆(ゲス)な笑みを浮かべながら近づいて来た。


 またこれ? まあ、今は普通の少女? 少年? にしか見えないから仕方ないね。というか、こういう事って楽しかったりする(圧倒的強者だから言える事)。


「よお、嬢ちゃん。こんな所に何の用だ?」

「良かったら俺たちと一緒に来ない?」

「何か飯でも奢ってやるからさ」


 下心丸出しですよお兄さんって銀神狼(フェンリル)になって言ってあげたい。今の俺は冷たいとか、クールって印象を与えるかもだけど、銀神狼(フェンリル)は活発って印象を与えるからね。


 そんな事より、俺の返事は決まっている。


「邪魔。どいて」


 この言葉に加えて無機質な瞳で相手を見つめる。ここで相手の反応は分かれる。怖くなって逃げるか、激昂(げきこう)するか。


「このガキッ!」

「どうやらお仕置きが必要みたいだな!」

「へへへ。安心しろ。後でたっぷり可愛がってやるよ」


 この人達は激昂だった。にしても、いいのかな? このままここにいても。


「何をしとるんじゃ、お主ら?」


 階段からドワーフのジイちゃんが降りてきた。このジイちゃん、ここのギルドのギルマスだったりする。


「ゲッ、ギルマスッ!」

「ギ、ギルマスのジジイ」

「ジ、ジジイが何の用だ」


 なんか散々な言われようだけど、ギルマス、怒ってるよ?


「誰がジジイじゃ!! 儂はまだ百二十三歳じゃ!!」


 へ~。人間(ヒューマン)からしたら立派なジジイと言えるけど、ドワーフは平均寿命は三百から四百歳程だから、ギルマスのジイちゃんが言ってることは間違ってはいない。


 その時、ギルマスのジイちゃんと目が合った。


「お主、ネオと言う名前じゃないかの?」


 そう聞いてきたので頷いておいた。何故この人が知っているかって? 簡単な話。通信用の魔道具で各ギルドには俺の名前が伝わっている。嬉しくない。まあ、俺は真名(マナ)があるから名前を偽(いつわ)ることは出来るけどさ。


「そうか。お主が......少し話があるから執務室まで来てくれんか?」


 うん。知ってた。という訳で頷いておく。


「ならついて来てくれ」


 そう言ってギルマスは階段を上がって行った。









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