滅び
めっちゃ短いです。
俺は上空から戦場を眺める。結界の中にいる人たちは一様に俺を見ているが、怪我が多い。治してやるか。
まっこんなもんか。さて、下の魔物は俺に怯えているが、まだ気配を薄くするのを止めただけで、認識阻害は解除してないからな。解除すればどうなるか、楽しみだ。
俺が認識阻害――〈終焉の覇衣〉と〈終焉のボトム〉の能力――を解除すると、下にいた魔物は後退りし始めた。
「逃がさない」
俺の呟きが聞こえたかは知らんが、俺は『夜闇』と『光燈』を抜く。
「『百鬼夜行』」
そう呟いた途端、魔物が居た範囲、直径二百メートルの範囲に円状の固有結界が発生する。
その中は闇で覆われており、俺が今まで倒した魔物が出現し、俺が敵と認識したものを亡ぼしていく。
冒険者も結界の中にいるが、敵とは思ってないから大丈夫だ。
俺が今まで戦ってきた魔物、特にあのダンジョンの魔物を召喚したから、そろそろ全滅する頃か。
結界を解除すると、そこには、驚いたことに多頭龍がいた。だが、満身創痍ではあるな。
俺はそのまま地上に降りると、多頭龍の下へ歩いて行く。そして残り十メートルになったところで[覇王覇気]を発動させる。
すると、俺を中心に二メートルの範囲の地面に罅が入り、俺の周りに黒金のオーラが発せられた。
多頭龍は俺に恐怖し、逃げようとするが体が動かない。俺は二本の刀を逆手に持ち、目の前まで持ってくる。
「『覇龍衝慧』」
そう呟くと同時に多頭龍に向かって突っ込み、手前でジャンプする。そして、刀を逆手に持ったまま空中を蹴り、多頭龍へと切り込む。
多頭龍に刀が刺さった瞬間、爆発的な衝撃が発生し、その位置から崩壊し光の粒子となった。
よし。俺が倒した魔物のドロップアイテムは全部[全支配]と[森羅万象]を並列使用して[無限収納]に送ってあるし、後は帰るだけか。
俺は去る前に後ろに振り返る。其処にあるのは畏怖と尊敬の入り混じった曖昧な感情だった。
その中からギルマスとトアとエルを探し出して、見つける。そして三人に[森羅万象]を使った一方的な念話で告げる。
『俺は次の街へと向かう。お前らには、また会いたいからな。死ぬなよ』
俺はそれだけ伝えると、[世界眼]で次の目的地を視て、[瞬間移動]を発動させる。
次の町は『スタリウム』だ。何故か? 武闘大会があるからだよ。楽しそうじゃないか。
さて、どれだけ楽しめるかな? まあ、楽しめなくてもあいつらには会えるからいいか。




