昇段試験
前回の話はかなり暴走していて自分でも何かいてるか分からなくなってました。こんなミスを犯してしまうとは......
まあ、気にしない気にしない。
エルとの対話から六日経った。冒険者に登録してから十日、つまりこの世界で一週間が経過した。
冒険者の方はランクは上がっていない。と言うよりも上げていない。ランクを上げるのは早いに越したことはないが、今は無心流の剣をやっているので置いている。と言っても、無心流の奥義以外はすべて習得しているので後は昇段すればいい話なんだけど。と言うか、奥義は自分から教わらないと言ったし。理由? 正式に入門してないのに奥義まで習うのはおかしいと思ってね。今更感がすごいが気にしない。
そして今日は俺とエル、トアの昇段試験の日になる。何段になるかって?皆三段になる。俺の場合は段はあてにならないけど気にしない。
で、俺は今ギルド内にいるのだが、うるさい。ならなんでギルドにいるかって? エルとトアを待っているんだよ。
今回の試験は他の冒険者と一緒にBランク依頼を受けてこいって事だったからな。あれだ、集団用の調査依頼を受けて達成してこいってことだ。
まあ、特にやることもないので適当にギルド内を観察していた。
観察すること五分(特に何もなかった)。ギルドの扉が開いてエルとトアが入ってきた。そして中を見回して俺を見つけると、俺の方に向かって歩いてくる。
このギルドの中にいる鋭い奴は俺の方に向かっていると気づいたようで、それとなく二人を避けているが、馬鹿はどうしても出てくるようで三人の冒険者に絡まれた。
「おい嬢ちゃんたち、お兄ちゃんたちと一緒に来てもらおうか」
「大丈夫、何も怖くないからね」
「そうそう、どちらかと言うと気持ちいいかもな」
そして下卑た笑いをしている。
俺は二人が、特にエルが何か言い返す前に立ち上がり、三人の方に歩いて行く。その時点で周りの奴らは憐みの視線を向けていた。......失礼じゃないか? 俺に。
「どいて」
俺が声を発した瞬間に三人は動きを止め、油の乾いた機械の様にゆっくりと俺の方に向いた。
「な、なんだよ。俺たちになんか用かよ」
「そ、そうだ、俺たちはあんたに何もしてないぞ」
「お前は、関係ないだろ」
三人が震えた声で何か言ってくるが、俺が何か言う前に、
「先輩、遅れてすいません」
「お兄さん、待ちましたか?」
二人が駆け寄ってきてそう言ってくる。絡んだ三人の冒険者は顔を青くしてギルドから出て行った。
そう言えばこの二人、エルは俺の事を先輩と、トアは俺の事をお兄さんと呼ぶようになった。エルにはあの日以来稽古をつけているからで、トアに関してはエルに優しく接する俺がお兄さんみたいだったかららしい。と言うか、前から兄か姉が欲しかったそうだ。......セラとシルニア、嫉妬とかしないかな?
「さ、先輩、グズグズしてないで早く行きますよ」
「エルちゃんは素直じゃないなー」
俺がそんなことを考えているとエルが早く依頼の集合場所に行こうと言ってきた。棘があるように聞こえるが、これは単なる照れ隠しだ。トアはそんなエルの態度をからかっていた。エルは顔を赤くしてギルドから出て行く。俺とトアも追いかけるようにしてギルドから出る。
その後はエルに追いつき、三人で依頼の集合場所に向かった。
「おいおい、なんでこんなところにガキがいるんだよ」
とは俺たちが集合場所に着いた時に言われたことだ。それにエルが反応するが、
「おい、やめとけ。なんでもあいつら、Cランクの冒険者らしいぞ」
「ああ、それにあいつ、あの無表情の奴、俺がギルマスから聞いた話だと実力は軽くAランクの冒険者を超えるそうだぞ。確か名前は......ネオだ。ネオって名前だ」
何かする前にほかの奴らが止めた。しかも俺の事をギルマスから聞いてるやつがいるし。まあ、実力だけの話だからいいか。
それからしばらくして全員がそろったところで出発となった。実力はDからBってところだな。
そういや、この依頼は森に発生したオーガソルジャーとオークキングの調査依頼らしい。この二匹が発生した可能性があるのは、見かけた冒険者とそれぞれの種族の魔物が森に増えたからである。
それぞれAランク指定された魔物だが、万が一の事があっても俺がいるから大丈夫だろ。




