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プロローグ

 俺の名前は静嵐凰。

 孤児ではあるが、それを除けばごく一般的な高校二年生だ。俺は今現在謎の白い空間にクラスメイトと共にいる。


 なぜか? そんなことは俺が聞きたいが、あえて説明するとしたら、少し時を遡る必要がある。






「おはよう」

「おはよう!」


 今、普通に入ってきたのが俺で、元気に入ってきたのは俺の親友、法幢凱斗ほうどうかいと。朝から元気すぎる気もするが、こいつにはこれが普通なのだろう。だって、毎回こんなんだから。


 そして教室に入った俺達は、自分の机に向かい鞄を置く。


「おっはよー!」

「おはようございます」


 ちょうどその時二人の女子が教室に入ってきた。


 入ってきた女子のうち、天真爛漫な感じの女子は阪森沙耶さかもりさや。茶色の髪を背中まで真っ直ぐ下ろしており、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいるスタイルの女子だ。

 もう一方の女子は誰にでも丁寧な喋り方をする神無月凛かんなづきりん。綺麗な黒髪を背中まであるポニーテイルにしており、全体的にスレンダーなスタイルの女子だ。


「おはよう、阪森さん、神無月さん」


 今返事したのはザ・主人公って感じの神堂神谷しんどうかみや。頭脳明晰、運動神経抜群のイケメンで、おまけに性格も良いという完璧超人だ。

 まあ、二人には相手にされてないけどね。


「おはよう神堂君」

「おはようございます神堂さん」


 と、挨拶だけを返すと自分の机に行き鞄を置いて俺の場所まで来た。


「おはよう静嵐君!」

「おはようございます静嵐さん」


 まあ、こんな感じで挨拶してくる。俺は別に鈍感じゃないし、というかどっちかと言うと鋭いほうなのでこの二人から向けられる感情について理解しているが、その感情を向けられる理由が分からない。まあ、嬉しいんだけどさ。


「おはよう二人共」

「おはよう!」


 まあ、内心の考えを出さずに返事をする。それと同時に凱斗も返事をする。


 基本的に毎日このメンツで話をする。というか、俺にはこの三人以外にまともに話してくれる人がいないからだ。......泣いていい?


 まあいいや。てか、話してると言っても基本的に俺は聞き手だ。理由? 話すネタがないんだよ。ついでに言っとくと俺はオタクだ。そのため無駄知識がかなり多い。小説なんかもそうだけど、雑学も結構知っている。ま、雑学に関しては必要なことがあったからそれついでにいろいろ調べただけなんだけどな。


 そんな感じでいつもどうりの時間は進んでいく。この時間、結構嫉妬やら殺意やらが向けられることがあるんだが、誰も俺に喧嘩を売って来るような事はしない。理由なんて簡単。純粋に俺に勝てないだけだ。別に鍛えてるわけじゃないんだけどな。ここ、小さい頃からの疑問だったりする。


 そんな感じで関係ないことを考えながら三人の話を聞いている。


「なあ凰、お前この前のテストどうだったよ? 俺は赤点ギリギリだったぜ」

「私は数学だけが赤点ギリギリだったよ」

「私は全教科九十点台でした」


 凱斗、それは自慢することではないと思う。そして女子二人に関しては勝てる気がしないんだよな。数学以外高得点とか、全教科九十点台とか俺には無理だし。


「俺はいつも通り平均台だよ」

「嘘だな、お前の数学に関する頭の良さは異常だからな」


 凱斗が何気に酷いこと言ってくる。確かに数学は得意だがその言い方はないんじゃないか?


 と、時々俺も混ざってこんな他愛もない話をする。そしてこのまま鐘が鳴り、席についてHRが始まる。


 それが俺たちの日常『だった』。




「なんだよこれ!」


 凱斗が地面を見ながら叫んだ。

 俺も地面を見ると、そこには『魔法陣』があった。


 俺が確認すると同時に教室内から悲鳴が上がり、魔法陣の輝きがより一層強くなり、教室を飲み込んだ。




 この日、俺たちはこの世界から忘れられた。






 


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