表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の夢で僕は旅をする  作者: 染樹茜
人生は一番美しい童話である
96/133

人生は一番美しい童話である(96)

 家につくまで皆、何も話さなかった。家についても「おやすみなさい」の一言だけが木霊のように交わされただけだった。


 各々が思いを抱え、夜を迎える。静かに空を覆う星空のベールだけが皆の思いを抱え込むように、ただ広がっていた。


 アルバートはマーリンのことを。


 ルーカスはセリーヌのことを。


 トットはアリーのことを。


 アリーは彼と過ごした過去を。


 そして、セリーヌは自らが能力に目覚めてしまった、あの夜を。静かに独り、枕を濡らしながら考える。


 この能力を得るべきだったのか。奪われた代価は、能力に比例しているのか。


 今回の戦闘で彼女は嫌でも知ることになったのだ。この能力の限界を。叶わないものがあると。脳から情報を得るのではなく、目から情報を得ることの難しさを。


 もしも眼鏡をかけていたら? その人が眼鏡をしていない時に見たものが重要なものだったら? きっとそれはボヤけていて何の役にも立たない。


 中途半端すぎる能力だった。彼女の払った代償は大きすぎるというのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ