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君の夢で僕は旅をする  作者: 染樹茜
人生は一番美しい童話である
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人生は一番美しい童話である(9)

 屋敷まで近づくと、玄関先で仁王立ちする男が見えた。ルーカスは大きくため息をつき、セリーヌは目を合わせないようにと下を向きながら走る。


「セリーヌ、ルーカス。朝食の時間は何時だったかな?」


 いつもは微笑みを湛えている目が、今日はほんの少し開いているような気がした。完全に開いてしまったらアウトだ。


「6時きっかりです、旦那様」


「…セリーヌ」


「…ごめんなさい、アルバート」


「2人とも何をしていたんだね」


「私はランニングしながら獲物を探していた」


「私はお嬢が遅いから心配で」


「なるほどな」


 そういうとアルバートと呼ばれた老人は下を向いた。彼の思考だけはセリーヌにも読めなかった。否、読みたくないといった方が良いのだろうか。


 がばっと頭をあげて彼はセリーヌとルーカスを見つめる。


「パパがどれだけ朝御飯をみんなで食べる時間大事にしてるか、わかるよね?!」


 そう叫びながら2人を抱き締めるアルバート。


 齢63にしては、少々娘と執事への愛が強すぎるのが問題だった。

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