人生は一番美しい童話である(72)
玄関を勢いよく開ける。
「緊急会議だ!」
セリーヌが叫ぶ。その数分後、ダイニングルームに揃う5人の姿があった。
「いったいどうしたと言うんだね。凄い叫び声だったぞ」
「明日、私達はある人物の所に行く」
「オレの知らないところで2人して探偵ごっこしてたんだろ?! オレも連れてってくれればちょちょいのちょいだったのに!」
「ほらほら。五月蝿いわよ、トット。アリーが物凄い形相で睨んでるからやめなさい」
「話を続けていいか?」
「少しは黙ってなさい。トット」
「だって2人してオレを仲間はずれにする」
「誰もトット君を仲間はずれに何てしてないよ。女性の方が何かと情報収集能力には長けているものだ」
「…話を続けていいか?」
「オレだって足早いし。走り回ればきっと情報にだって」
「いい加減にしろ、糞餓鬼」
セリーヌがきれた。
「ずっと聞いてりゃあ、いい気になってオレも連れてけだ、オレだってできるだ、何様のつもりだ、お前は。これだから餓鬼は敬遠されるんだろうが。どこでも。チビの癖して大人と同じことしようとすんな。連れてったところでお前が足手まといになるのなんざ、目に見えてることだろうが」