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君の夢で僕は旅をする  作者: 染樹茜
人生は一番美しい童話である
63/133

人生は一番美しい童話である(63)

「…ここも目撃情報なし、か」


 3人が聞き込みをはじめて4時間。未だに情報はない。あるのはトーマスの抱えた沢山の紙袋だけ。中からチョコクロワッサンを取り出しながら、セリーヌがアリーに話しかける。


「お前は何かを覚えてないのか。こう、どこかに行くとか言ってなかったのか」


「…それが全く記憶にないの。普通に家を出ただけだから」


「ちょっと待て待て待て」


 トーマスが2人の前に躍り出た。


「…どういうこと? どうして昨日の現場周辺の聞き込み調査がアリーと関係があるんだよ」


 2人は顔を見合わせた。


「…前の日にあそこに死体あったの、言わなかったかしら」


「忘れてた、すまん」


「いやいやいやいやいや」


 トーマスがぶんぶんと頭を勢いよく振る。もげてしまいそうだなぁ、などと呑気にセリーヌは眺めていた。


「…え? なに? どういうこと?」


「だから、そういうことだよ。見つかった死体が私の失踪したと思ってた恋人だったんだよね。

 びっくりすることに」


「いや、たぶん、今、僕、それ以上に驚いてるよ」


 先に言ってよ、と胸に手を当てるトーマス。相当な驚きだったらしい。顔が若干青ざめている。申し訳なさを抱えながら、紙袋の中からセリーヌはメロンパンを取り出した。

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