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君の夢で僕は旅をする  作者: 染樹茜
人生は一番美しい童話である
55/133

人生は一番美しい童話である(55)

 アリーが見つめる先には昨日とはうってかわった光景が広がっていた。そこに彼の姿はない。


 "welcome to our game BUTTERFLY n FAMILY"


 でかでかと赤いスプレーで文字が刻まれているだけだった。


「BUTTERFLYって…そのまんまよね」


「…私の事か」


 セリーヌが笑って言う。それは彼女に向けられた挑戦状。


「貴女の事知ってる人間が、どうして」


 責める様な目をアリーは向ける。


 彼女の言葉の続きをセリーヌは想像した。


「どうして私の愛した人を殺したの」


「貴女の愛する人を殺せばいいのに」


「どうして彼なの」


 セリーヌは叫びだしたくなる衝動を抑える。口からぜえぜえと息が漏れる。


 何故、私なんだと叫びたかった。何故、悪党が多くいる中で私に狙いを定めたのか。


 答えは1つだった。彼女が考え得る中で。


「私が悪党を罰する悪党だからだ」


 だから、"彼ら"は私に挑戦状を叩きつけた。私達を捕まえてみろ、と。


 正しいことをしてきたはずなのに。それが裏目に出たと言うことなのか。


 考え込んでいる彼女の後ろから足音が近づいていることにも、彼女は気づかなかった。


「…セリーヌ?」


 その声は私が聞きなれた声ではない。しかし、よく知っている声だった。


「…何故、お前がここにいる」


 そう言って彼女はゆっくりと振り返る。


「トーマス」

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