表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の夢で僕は旅をする  作者: 染樹茜
人生は一番美しい童話である
26/133

人生は一番美しい童話である(26)

「大丈夫ですか?!」


 そう言って差し出された手。


「…ごめんなさいね、少し考え事をしていたみたいなの」


 他所行きの声で彼女はそう言って、その手を掴んだ。グッと持ち上げられる。あらぬ迷惑をかけてしまったと再度謝ろうとして、彼女は口をつぐんだ。


「…君はこの間の!」


 なんといっただろうか。彼の名前は。全く記憶にないが、にこにこしていれば問題ないだろう。


「何日か前にもお会いしましたね」


「あの時はお付きの人がいたから挨拶もできなかった。すみません」


「問題ないですよ! 私こそぶつかってしまってごめんなさい。

どこかへお急ぎだったでしょう?」


 そろそろと後ろに下がる。


「またお会いできたらいいですね。では」


 そう言い手を振りながら彼の横を通りすぎた。その手を彼はグッと掴む。


「君を…君をずっと待っていたんだ、この3日間ずっと。ここで」


 セリーヌは驚いて振り返った。


「僕はトーマス。君といつか結婚したい」


「…は?」


「君のその正義感に溢れた瞳に心が奪われたんだ。

 僕と一緒にお茶でもしないかい?」


 その誘いかたに彼女は思わず笑った。


「あなた面白いのね」


「お茶する気になった?」


「…いいわ、少しだけね」


 ではエスコートしましょう、とトーマスが彼女の手をとった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ