じゅくはキライ!
「しゅう!早く塾行くわよ!」
「えー、今日は休みたい!!けんちゃんと、ゲームの競争してんの!」
「ゲームなんていつでもできるでしょ!お休みしたら、みんなから遅れて恥ずかしいわよ。
塾に行かないなら、お絵かきも、サッカーも、全部やめて、家でお勉強してもらうけどどうする?」
「わかった!いくよ!!だから、お絵かきと、サッカーやめさせないで!」
オレは、2年生になって行き始めた塾が嫌いだ。
学校のべんきょうは、よくわからない。
でも、学校とおんなじことを、
なんでまたやんないといけないの?
学校だったら、授業はどんどん進んで、
がまんしてれば、すぐに授業はおわるのに。
たまに、がまんしきれずに、
つい教室の中をうろうろしちゃうこともあるけど。
体が勝手にうごくんだ。
そうすると、前は先生に怒られてたけど、
最近はなにもいわれない。
学校は、きままだ。
だけど、塾は違う。
先生と一対一だから、
逃げられない。
オレは、塾が嫌いだ。
学校より長い時間、
学校より先生が近くにいて、
いかないと、好きなこともできない。
学校の友だちで、
塾に行ってる子なんて、
他にいない。
塾に行ってることは、
なんか、はずかしかった。
だから、塾があるから遊ぶのをやめるのは、
いつもいやだった。
「さぁ、しゅう、今日も頑張っておいで。
帰りは自分で帰ってくるのよ。
終わったらメールしてね。」
おかあさんは、ぼくが一人だと塾に行かずにサボるから、
行きは一緒についてくる。
最初は、ひとりで来てた。
塾の先生は、学校の先生より、お話がおもしろくて、
楽しかった。
でも、それもさいしょだけ。
勉強をちゃんとしなくちゃいけなくて、
先生にじっと見られている間、
ぼくはいてもたってもいられなくて、
ついつい、教室を歩き回っていた。
塾の先生は、困った顔をして、
「ほら、ここまでできたんだから、後もう一息だよ。
あとちょっとがんばろう」
といって、ぼくをだますのだ。
いつも、ぜんぜんちょっとじゃない。
そんな塾に行くのが嫌で、
ぼくは、塾の時間、いつの間にか学校にいて、
校庭で友達とサッカーしてた。
そしたら、
おかあさんが、
目を真っ赤にして、
ぼくを連れ戻しに来た。
それ以来。
行きはおかあさんといっしょ。
帰りは自分で。
が、決まりになった。