予期せぬ訪問者
浩は、その日も仕事で御得意様を回っていた。
一件、二件、三件目・・
(あと少しで、あのヒトのところだ・・)
浩は、御得意様の、ある会社に行くことを楽しみにしていた。
その会社には、一人の女性社員がいた。清楚で、いつも黙々と事務処理をしていた。
それを、見かけられるのは、運次第だった。
見かけられない時は、見れない。見かけた時は、浩は、一日中ハッピーな気分になる。
そして、今日はー。
(いた!やっぱりカワイイ!!)
浩は、人知れずテンションが上がる。その日の仕事も頑張って終えることができた。
今日も一日、仕事を終えて帰宅する浩。
一人暮らしの浩は、適当に晩御飯を食べていた。
その時だ。
アパートのチャイムが鳴った。
(誰だろう?)
浩が出ると、黒一色の男が立っていた。スーツも、ワイシャツもネクタイも靴も黒だった。
「あの、何ですか?」
浩が怪訝な顔で男に尋ねた。
「浩さん、お話があります。私は、死神なんですよ」
(なんだ、こいつ、何言ってんだ・・!?)
「今、忙しいので結構です」
そう言ってドアを閉めようとする浩に死神は、言った。
「浩さん、急用なんですよ。あなた、仕事の御得意様で気になる女性の方がいるでしょう?」
浩は、それを聞いて、ドアから手を放した。




