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14 帰還

 今までの道を遡るように王都からイリオスへ、イリオスからココ村へと駅馬車で向かい、徒歩にて上陸地点の海岸線に着き、事前に連絡して呼んでいた原潜へと乗り、北郷達は日本帝国(アメリカ大陸)への帰還を果たしたのだった。










「お帰りなさいませ北郷様」


 1人が言った後、部屋にいる北郷以外の全員が起立したま礼をする。

 一方、頭を下げられている北郷は座ったまま軽く頷く。


「うむ…。では私がいない間の報告を聞こうか」

「はっ」


 出席者達は全員座り、各々の分野の報告をするために書類を確認する。

 ここは北郷の屋敷にある会議室で、以前は皇帝を含めて緊急会議を行なったが、今日は通常通りなので戦略研究会のメンバーと北郷しかいない。


 大きな長方形のテーブルの上座に北郷が座り、左右をそれぞれ戦略研究会のメンバーが座っている。


「では先ずは、軍事関連の報告を致します」


 軍事担当の者が立ち上がり、書類を見ながら北郷に報告する。


「軍への志願者数は順調に増加しています。

 建国史上初の国難の時という事もあり、愛国心に燃える若者達が全国各地の志願センターに長蛇の列を成し、士官学校や国防大学への入学志願者数も例年に無い程に急上昇しています」


 具体的な志願者数の書かれた書類を見ながら、北郷は満足気に頷く。


「うむ、これなら激減した将兵の数も何とかなりそうだな」

 上機嫌そうな北郷を見て、報告をした男はホッとする。

 何故なら、神である北郷が戦力の増強を何よりも急務だと命じていたので、それが達成出来なければ無能の烙印を押されてしまうからだ。


 別に日本帝国ではソ連のように、命令を達成出来なければ死刑や強制収容所に連行される事は無いが、更迭や民間への出向を命じられる可能性はある。

 血のにじむような努力と忠誠心を認められ、ようやく臣民の最高位である戦略研究会のメンバーになれたというのに、この国難の時に左遷など耐えられない。

 高収入や厚待遇、とてつもない権力など手離しがたいモノは沢山あるが、何より大きいのは神である北郷に直接仕える事が出来るのだ。北郷教信者である彼や彼等にとって、これ以上の名誉は無い。


 そのため、戦略研究会のメンバー達はその地位を失う事が無いよう、日々勉強して新しい知識を身に付け、更には直接現場にも出て広い視野を保つなど、様々な努力しているのだ。




「では続いて艦艇の建造についてです。

 予定通り来年には新型の空母や駆逐艦、強襲揚陸艦などが続々と竣工し、就役次第、順次旧式艦艇を更新していく予定です」


 新型空母とはジェラルド・R・フォード級、新型駆逐艦はズムウォルト級、新型強襲揚陸艦はアメリカ級の事だ。

 長らく、というより発展させる必要が無かったので、200年以上の長きに渡ってニミッツ級空母を使ってきたが、流石にそろそろ新しいのが欲しいとの現場の声に応えて、ジェラルド・R・フォード級空母を建造していた。

 これらはこの世界に転移する前から建造していたのでほとんど完成していて、来年には1番艦が完成する。


 しかし、地球世界とは若干違う所もある。

 例えばズムウォルト級駆逐艦は、地球世界では建造費があまりにも高過ぎるとして1万8千トンから1万4千トンに縮小され、建造数も7隻から3隻にまで減らされた。

 しかし知っての通り、日本帝国は無限の予算を誇るため縮小や削減などされる筈も無く、理想の戦力を得るめに1万8千トンで設計され、最終的には50隻以上が建造される予定だ。アメリカ級強襲揚陸艦も同様で、地球世界ではウェルドッグ(揚陸用の舟艇を収容する部分)を廃止していたが、日本帝国ではウェルドッグが付いている。

 このように、地球世界では予算不足や政治的な事情などで満足のいく性能を得られなかったが、予算が無限で政治など気にする必要が無い日本帝国では、常に性能や実用性のみを求めた設計になっている。


 ちなみに、空母には能力を向上させたE-2D電子戦機など新型機や、垂直離陸可能なF-35B。

 駆逐艦には無人ヘリであるMQ-8を搭載する予定だ。




「また、他の艦艇につきましても現在急ピッチで建造しており、建造や訓練の期間を考えますと……10年後にはある程度の戦力は揃うでしょう」

「ふむ、10年か…」


 パンゲア世界への侵略を開始出来るのは10年後と聞いて、北郷は頷く。まだまだ何もかもが準備不足なので、むしろ丁度良い。

 もしも現代日本のような無資源国家だったなら、資源や食料を獲るために直ぐ様パンゲア世界に進出しなければならないが、このままパンゲア世界に関わらずとも自給自足が可能な日本帝国は慌てる必要が無い。北郷にしても、まだまだ寿命には余裕がありそうなのでじっくり待てる。


「……まぁ良いだろう。他の戦力については?」

「陸海空軍共に装備や機体などの生産は順調なのですが、それらを操るパイロットが不足しているため、現在パイロットの量産に力を注いでいます」

「パイロット不足か……しかし、新たな志願兵達がいるから問題は無いだろう」

「はい、現在はまだ兵学校にて軍規や兵士としての体を作っている最中ですが、来年には適正に合った軍へ配属されるでしょうから、パイロット不足は間もなく解消される筈です」


 日本帝国軍の場合、入隊する軍を自分で選ぶ事は出来ない。一旦全員兵学校や士官学校で同じ基礎的な訓練を行い、それから適性に合った軍に割り振る。

 こうする事でそれぞれ自分に合った軍に入る事が出来、更には、初めだけとは言え同じ訓練を受ける事で陸海空の縄張り争いを減らす事も出来るからだ。




「沿岸警備隊の方はどうなっている?」

「沿岸警備隊の艦艇の建造も順調に進んでいます。また、既存の艦艇につきましても武装の強化を進めています」


 元々日本帝国の沿岸警備隊は領海侵犯を犯した艦艇の拿捕、あるいは沈める役目もあるため、アメリカ沿岸警備隊以上に重武装の艦艇が多い。また、広大な領海を行き来するために外洋にも出れる大型巡視船の方が多い。

 しかし、これまた転移のせいでローマ帝国と接していた地中海の領海を守る主力部隊を失ってしまった。領海の概念が無いローマ帝国はちょくちょく領海侵犯を行うので艦艇を沈める任務が多かった。そのため、地中海管区の巡視船は駆逐艦が搭載するような大型の速射砲を搭載していた艦艇が多かった。

 しかし、この世界に転移した事で地球には存在しない生物が海中にもいる可能性があるので、更に武装を強化し、現在ではミサイルを搭載したほとんど駆逐艦と変わらない巡視船までいる。


「うむ、陸上でさえあんな伝説上の生き物がウヨウヨいるのだから、海中にも何がいるか分からんからな。

 周辺海域の調査はどうなっている?」

「現存する全ての海洋測量艦でアメリカ大陸付近の海域を調査した結果、やはり世界が変わったせいか海底の形や深度なども変わっていました。

 現在は沿岸部の海域調査は終了し、徐々に範囲を広げています」

「…やはり変わっていたか…。海の生態系の調査についてはどうなっている?」

「調査のための漁や潜水調査をした結果、現時点では細かい差違はあれど概ね地球の生態系と変わりはありません。

 大型の水中生物も発見されていません」

「そうか……」


 報告を聞いて、北郷はホッとした。

 調査任務ではモンスターに遭遇する事は無かったが、衛星画像で見たドラゴンなど陸上生物なら何らかの対策は取りやすい。しかし、海中生物ではその対策は難しい。

 何故なら、地球世界では海中に脅威となる生物はほとんどいなかったので、海中生物に対する攻撃手段は少ない。もしこの世界の海にシーサーペントやクラーケンと言った伝説上の怪物がいた場合、既存の艦艇では勝てない可能性もある。

 それに、海上艦艇ならまだしも、魚雷ぐらいしか攻撃手段の無い潜水艦にはまず無理だ。もし海中で遭遇したならその生物の大きさにもよるが、巻き付かれるなりして簡単に沈められる恐れもある。


 既に原潜にてアバロニア大陸を往復し、帰って来たので差し迫った危険は無いと理解はしているのだが、未知への恐怖からか北郷は警戒を緩めない。


「……安全性を確認出来た海域から段階的に漁を解禁させよ。この世界に来てから漁を禁じていたからな、そろそろ新鮮な鮮魚が欲しいだろう」

「畏まりました」


 一見すると新鮮な鮮魚に飢えた臣民の事を思っているかのように聞こえるが、実際は海域が本当に危険が無いのかを確認するために、漁船を囮に使うつもりなのだ。

 この世界に来てから約1ヶ月、調査のために漁を禁じているので臣民に不満が溜まっている。

 漁師達にはその分の助成金を支払っているが、この世界でも日本人は魚が好きなため、鮮魚が流通しない事に対して政府への批判も上がっている。


 なので段階的にだが漁を解禁する事によって不満が減り、更にはその解禁が安全かどうか確かめる事が出来るという、正に政府(北郷)にとっては一石二鳥な事なのだ。









「続いては国内情勢についてのご報告です。この世界に来て約一月が経ちますので、転移についての混乱はほぼ沈静化しました。

 軍も動員した事で帰宅不可能者(たまたまアメリカ大陸に来ていた者)用の仮設住宅の建設は全て完成し、入居希望者の引っ越しもほぼ完了しています。現在は広大な空き地に本住まい用の家屋やマンションなど住居は勿論の事、コンビニやショッピングモールなど商業施設や役所や警察署、消防署など行政施設の建設も始めています。

 土地開発も順調で、道路や水道などインフラ整備は間もなく完了しますので、来年以降には新たな都市が完成する予定です」


 前記したが、転移後のアメリカ大陸には仕事で来ていた者、旅行で来ていた者、実家に帰省していた者など、たまたまアメリカ大陸を訪れていた日本人が数多くいる。

 実家や親類の家がアメリカ大陸にある者達は、とりあえずは泊まる家を確保出来るが、仕事や旅行で来ていた者達は帰る家が無くなってしまったので、金が尽きれば路上生活を強いられるようになる。

 勿論、そんな事は納得出来る筈が無い。自分達の過失で家を失ったのなら仕方ないと諦める事も出来るが、異世界への転移という訳の分からない現象によって突然放り出されたのだ。

 何も自分は悪くないのに、突然家も何もかも奪われては納得出来る者などいる筈も無く、帰宅不可能者達は政府に「何とかしてくれ」と頼むしかない。


 しかし、帰宅不可能者と一言で言っても、その数は膨大だ。

 観光客だけでも年間何百万という日本人がアメリカ大陸を訪れ、そこへ更に仕事で来ていた者や実家に帰省していた者、更にはたまたま空港の乗り継ぎで来ていた者など、諸々を含めれば大都市の人口に匹敵する。


 もし地球世界でそのような事態に陥ったなら、一時的な住まいのための仮設住宅を用意する事すら極めて困難だろう。

 それもその筈、幾ら災害時に備えて仮設住宅の備蓄をしているとは言っても、百万単位での数など用意している筈が無い。例え想定していたとしても、何時起きるか分からない災害のためにそんな膨大な数の備蓄など予算的に不可能だ。

 なので新たに仮設住宅を生産するか、マンションやアパート、借家など民間施設の借り上げをしなければならないが、それでは帰宅不可能者を全て収容するには何年もかかってしまう事になる。忍耐強い日本人ならまだしも、これがアメリカ人だったなら間違いなくデモや暴動が起き、そのせいで生産や建設が遅れるなど、とんでもない負のスパイラルが起きてしまうだろう。




 しかし、日本帝国の場合は皇帝の発表が終わった直後から仮設住宅の建設を始めていた。

 仮設住宅はあらかじめ備蓄していた分と、急遽北郷がコピーした分があるので十分足り、組み立てる人員も軍を動員していたので問題無い。何故なら、日本軍は他国の軍隊とは違い、新たに支配した地域の開発も行うという任務もあるため、全員が何らかの都市開発のエキスパートなのだ。

 仮設住宅の組み立て訓練も基礎過程として行なっているため、全員が慣れた手つきで次々と仮設住宅を作っていき、1週間も経てば膨大な数の仮設住宅が建ち、入居希望者が続々と入居していく。


 ここまでなら別に地球世界でも不可能では無いが、日本帝国の国力を思い知らされるのが、新たな都市開発だ。

 帰宅不可能者が何百万単位でいると知った日本帝国政府は


「ならいっそのこと帰宅不可能者を一纏めにした都市を築けば良い」


 と考え、広大な土地に新たな都市の開発を始めた。


 都市には欠かせない道路や水道、電気などインフラ整備は勿論の事、帰宅不可能者達が住む家やマンション、経済活動や物資を運び入れるための商業施設、役所や警察署、消防署など必要不可欠な行政施設。

 これら全てを1から作り上げるにはとんでもない予算がかかり、どんな大国でも国家予算のほとんどを使う事になってしまうので考える事すらあり得ないのだが、日本帝国にとっては軽く実行出来る程度の事だ。


 今では大半を失ってしまったが、かつて世界の7割以上を永きに渡って支配して溜め込んだ富は、天文学的な額を誇る。革命前のロシア皇帝の財産は勿論の事、現代のアメリカの大企業全てを合わせた総資産でさえ鼻で笑える額だ。

 そして何より、金や資材を無限にコピー出来る北郷がいるのだから、たかだか都市一つを築くぐらいは容易い。




 広大なアメリカ大陸には空き地など腐る程あるので、水源地がある土地を買い上げ、政府が整地してから道路や水道、電気などインフラを整え、各種役所や警察署、消防署、基地など行政施設を建設して基盤を築く。そして、北郷グループや帝国グループに住宅地や商業施設などを開発させる。

 通常なら都市開発には軽く数年はかかるのだが、日本帝国では膨大な予算や資材、最新建設機器、労働力を動員して昼夜兼行で作業をするため、僅か一月程度で主要なインフラを築き、1年もすれば人が住んでも問題の無い都市を完成させる事が出来る。


 そのおかげで、当初は帰る家を失った帰宅不可能者達は大パニックだったが、政府が直ぐ様仮設住宅を用意してくれたおかげでとりあえずの問題は解決し、更に、新たな都市を作ってそこに住宅を建ててくれるというのだから、文句を言う方が難しい。

 生活費についても、政府から援助金が出るので問題は無く、税金についても1年は免除(消費税を除く)される。更に、仕事も政府が紹介してくれるので困る事は無い。


 このように、政府が様々な援助をしてくれるので帰宅不可能者の若者達の中では、恩返しとして軍に志願する者が急増している。

 勿論、ただ恩返しのためだけではなく、手っ取り早く職や家を得るためという打算的な思いもあるが、国に対して恩義を感じている事には違い無い。










 都市開発担当者からの報告に北郷は問題無いと頷き、そして再び、軍事担当者に話しかける。


「魔術兵の進捗状況はどうなっている?」

「はっ、魔術兵につきましては連日訓練を行なわせていますが、未だこれと言った成果は上がっていません」


 北郷も魔術兵も魔法を知ったのはほぼ同時期なのだが、北郷は既に中位の魔法を習得しているにも関わらず、魔術兵は未だ下位の魔法すらロクに使う事が出来ない。

 これだけ聞くと魔術兵の才能が大した事が無いように聞こえるが、北郷の才能が非常識なだけで魔術兵の才能は決して低くない。魔術師千人に1人という、とんでもない才能を与えられた北郷が異常なのだ。


「そうか…。

 しかし、魔術書や魔術についての書物も大量に手に入れる事が出来た。これから訓練の効率も上がるだろう」


 しかし、致命的な問題がある。それは、北郷以外の日本人はパンゲア世界の文字が読めない事だ。

 幾ら素晴らしい事が書いてある本でも、それが読めないのであれば紙屑と何ら変わりは無い。


「魔術書の他にも、この世界の事が書かれた書物も大量に手に入れる事が来たが……私はともかく、お前達はこの世界の字が読めない現状では無意味だ」


 もしもパンゲア世界の文字が地球世界にもあったのなら、日本語訳の教本のような物があったのだろう。しかし、残念ながら地球世界に存在しないので教本など存在しない。

 なので教本は1から作るしかなく、オマケに北郷以外には読めないのだから、北郷が作るしかない。




「今日よりお前達に、私自らがこの世界の文字の読み書きを教える。そして、習得したら今度はお前達が他の者に教えるのだ」

「「「はっ、ありがたき幸せに存じます」」」


 北郷の言葉に出席者全員が起立し、深々と頭を下げる。

 それを見て北郷は軽く頷き、座らせてから新たな指示を出す。


「それと、我々が赴いたリディア王国の書物を大量に手に入れる事が出来たので、その書物を保管するための図書館を作るのだ」

「畏まりました」


 パンゲア世界の知識が詰まった図書館を築き、スパイの潜入や、後のパンゲア世界への進出に役立てたいのだが、いかんせん、収蔵されているのはリディア王国にあった本だけなので不完全さは否めない。

 北郷としても、出来るなら他の国々は勿論、他の大陸の本もコピーして知識にしたかったのだが、鉄道や自動車など近代的な移動手段が無いパンゲア世界では時間がかかり過ぎる。アバロニア大陸の中の1つの国に過ぎない、リディア王国だけでも調査に1週間以上をかけたのだ、他の大陸を回るのなら年単位の時間が必要だろう。


 幾ら知識が欲しいとは言え、そこまでの長い間、北郷が日本帝国を空ける訳にはいかない。1週間に1日程度しか働かないとは言え、その1日はかなり重要な事を話し合うので北郷がいなければ円滑に進まず、それに、北郷のコピー能力が無ければ日本帝国は成り立たない。

 転移前の日本帝国なら、膨大な資産や生産力を誇っていたので1、2年は北郷がいなくても誤魔化せた。しかし、転移によってアメリカ大陸以外を全て失った現在では、1年も北郷がいなければ日本帝国は崩壊するだろう。


 正確に言えば、今までのような無限の予算や、至れり尽くせりの公共サービスを受ける事が不可能になるだけで、大増税や大幅な緊縮財政、公務員の大量リストラ、国営企業の民営化などを行えば、何とか北郷無しでも立ち行くだろう。

 しかし、今まで多大な恩恵を受けるのが当たり前だった日本人達が、そんなドラスティックな改革を受け入れる筈が無い。必ずデモやストライキが頻発し、自然と暴動や反政府活動に発展する。

 最悪の場合、アメリカの南北戦争のように国家が2分し、内戦が勃発する可能性すらある。




 そのため、これ以上北郷が日本帝国を空ける事は出来ない。先の短期調査でさえ限界だったのだ、これ以上は例え北郷自身が大陸に渡りたくとも不可能なのだ。

 表面上は何の心配も無いように見えるが、その内情はかなりギリギリであり、少なくとも後数年は余裕が無い。


 正に、建国史上初の国難の時なのだ。

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