祭の跡。言葉の痕。
ぎらぎら輝く太陽の下で、ぼんやり疲れた顔をしていた二人。
ソーダ味は溶けようとしている。
海を目の前にして、二人は黙ってアイスをなめている。
その中学生二人は、恋人同士に見えなくもない。
「行かなくて良かったの?」
女の子が言った。
「いいんだ。俺、腹減ってないから」
「そっか」
アイスはいずれ無くなる物である。
陽は暮れるものである。
女の子は立ち上がった。スカートの砂を払う音が、空気を硬くする。
「わたし行くね」
「ああ、またな」
「次は学校かなぁ。暇ならまた呼んでね」
呼べねーよ。
その時は、笑ってた気がする。いずれ陽は暮れるのになぁ。
男の子はいつまでも、そこに座っている。
海を見つめて、あるいは睨まれているのか。
一歩も動けないでいる。買い出しの連中は、見事に空気をブチ壊してくれる。
夜明けの太陽みたいな
「おい、アイツ帰っちゃったの?」
「ああ、なんか、帰った」
「なんだよー!何で?何話した?」
「なんも話してねーよ」
「マジでホント!?」
「暇だったら、また呼んでだって」
「ふーん」
間
「まー俺達って結構暇だよな」
「まーな」恰好つけていやがる。
海は青かったし。
みんなで食ったアイスは旨かった。
体は泥のように疲れていたし、夏の陽射しは狂ったように空気を暖めていたけど、あの娘は可愛かった。
アスファルトは僕らの影を映し出していた。
祭の後は、いつだって寂しい。陽はいつか暮れるのだ。
『次は、いつ暇?』
そして夜明けの太陽みたいに
みんな俺の中で生きています。アドバイス等あったら、お願いします。