表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フリーター生活がしんどいので、副業ダンジョンで日常をちょっと豪華にしようと思う  作者: 早乙女らいか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/41

第28話 固いモンスターとボーナス

「えっっっっぐ……」


 穴から這い出た俺の目に映った光景。

 真っ黒に焼け焦げた地面。ビームが通り過ぎた後には十センチくらいの深い溝ができていた。

 壁は跡形もなく消し飛んでおり、ちょっと狭い小部屋がかなり開放的になってしまった。


 いや、火力ヤバすぎだろ。

 こんなの食らったら一瞬で消し炭になるじゃん。


「文也様!! 回復は必要ですか!?」

「まだ大丈夫だ!! ありがとう!!」


 あのタメの長さから察するに連発はできないはず。

 次のビームが発射される前に、ジュエルゴーレムの弱点を見つけなければ。


「コォオオオオオ!!」

「くっ……」


 振り下ろされる拳。

 加えて蹴り、さらには巨体を生かした体当たりまで。

 全ての攻撃が触れるものを粉々にしていく。


 ジュエルゴーレムの身体能力が高いのもあるが、何より全身にまとっている鉱石が固すぎて、物理攻撃として破格の威力が出ている。


 攻防一体とはまさにこのこと。

 動かなければ、ただの鉱石まみれのお宝モンスターに見えるな……


(鉱石?)


 ジュエルゴーレムの全身を覆う鉱石。

 あれってダンジョン内に生えている物とほぼ同じ……だよな?


「なぁ静。ダンジョンで取れる鉱石って何が弱点なんだ?」

「弱点? 確か高熱に弱い……まさか?」

「そのまさかだ」


 閃いた。


 ジュエルゴーレムが固いのなら、ジュエルゴーレムの鉱石を狙えばいい。

 何もいきなり本体を狙わなくたっていいんだ。


「ですが“ファイアボール”の熱だけで、鉱石を溶かせますか?」

「光って熱を持ってなかったか?」

「あぁ!! その手がありましたね!!」


 俺の“ファイアボール”と静の“ホーリーショット”。

 合わせればかなりの熱量になるはずだ。

 さて、作戦は決まったので狙う鉱石を……


(濡れてる?)


 右肩の鉱石の表面が少し湿っている?

 この辺には水辺なんて存在しないのに。

 あ、そういえば“酸液”を当てていた。

 鉱石の耐久力が高すぎて効果を発揮せず、水みたいに濡らしただけ。


 まてよ? 石に水が入り込むと爆発しやすいって、ネットニュースで見たぞ。

 これは使えるんじゃないか?


「右肩に攻撃を集中させよう。濡れているから爆発しやすいはずだ」

「確かに石の内部へ水分が入り込んでいれば……やりましょう」


 二人で手を前に掲げ、向き合うようにジュエルゴーレムのサイドへ回り込んでいく。

 ジュエルゴーレムが俺たちの動きに反応して再びビームの充填を開始した。あまり時間は残されていないな……早いとこケリをつけないと。


「“ファイアボール”!!」

「“ホーリーショット”!!」


 二人の両手から一発ずつ、それも同時に。

 合計四つの弾がジュエルゴーレムの肩部へと一直線に向かっていく。


 ドォオオオオオオオン!!


「コォオオオオオオ!?」


 着弾すると同時に爆風が部屋内を揺らす。

 ジュエルゴーレムはビームの集束を停止し、右肩を抑えながらその場に膝をつく。そして肩は……見事粉々に破壊されていた。

 作戦は成功。これで右肩の装甲が薄くなった。


「これならっ……!!」

「静も援護します!!」


 ビュビュビュンッ!!


 静の光弾が足元に炸裂。ダメージを与えるというよりはヘイトを買うために発射したのだろう。


「ォオオオオオ……」


 ジュエルゴーレムが混乱している最中、俺は“武身強化”で一気に間合いを詰め、ワープナイフを天へと振りかざす。


「コォオオオ!!」


 だがジュエルゴーレムも簡単にはやられない。

 残った左腕を俺の元まで突き出してきたのだ。


 突き出された拳に対して、俺は急いでスタンシールドを構えた。

 スタンは狙わない。

 打撃を一瞬だけ防げばいい。


 ガァン!!


「っ……!!」


 拳と盾が激突する。一瞬だけ受け止めた後、俺の身体が後方へとじわじわ押し込まれていく。

 “武身強化”を入れているとはいえ、正面での押し合いではジュエルゴーレムの方が上らしい。流石はモンスターといったところか。


 が、これで左腕は封じた。

 後は顔が隠れるように盾を前に出して、タイミングを見計らえば……


 パァアアアアアアッ!!


「コォオオオオッ!!」

「今です!!」


 ジュエルゴーレムの顔面付近に閃光が広がる。

 それを合図に俺は盾を滑らせるように動かし、そのままジャンプする。


「はぁっ!!」


 ボロボロのジュエルゴーレムの右肩へワープナイフを突き刺す。

 装甲が一気に崩れ落ちていくのを確認した後、俺は再びスキルを発動した。


「“武身強化”」


 これで終わりだ。

 ワープナイフへと“武身強化”を付与した後、俺は突き刺したワープナイフをより深く押し込んでいく。


「コォオオオオオオオオ!!」


 甲高い悲鳴と共に全身をジタバタともがき続けるジュエルゴーレム。

 しかし、その動きも徐々に鈍くなっていき、数十秒が経過した頃にはピタリと止まってしまった。


「……終わった」


 ジュエルゴーレムが粒子となって消えていくのを確認して、俺はその場に座り込んだ。


 二人がかりでもかなり苦戦したな。

 今回は“武身強化”に助けられたなぁ。

 ありがとう、進化してくれて。


「やりましたねっ!! 流石、文也様です♪」

「静の援護があってこそだ。俺だけじゃヤツに勝てなかった」


 さて、ジュエルゴーレムは倒したぞ。

 これで報酬が貰えたら……


 ピコン!


『レベルアップしました。“ファイアボール”のクールダウンが【16秒】になりました』


 お、レベルが上がった。

 “ファイアボール”のクールダウン短縮か……前が十八秒だったから二秒短縮。

 二スタック分を含めたら合計四秒だ。これは大きいな。


「わわ、レベルアップですか……」

「静も?」

「その反応だと文也様も? おめでとうございますっ」


 どうやら静もレベルアップしたらしい。

 ジュエルゴーレムはかなり強かったし、レベルが上がるのも当然……


 ピコン!


『ボーナス報酬がドロップします』


「「ん?」」


 ボーナス報酬? こんなアナウンスもあったのか?

 静が首を傾げている辺り、彼女にも同じ音声が流れているみたいだが。


 カーン……


「えっ」


 固いものが落ちたような音。

 振り向くと、何もない空中から鉱石が降り注いでいた。


「わわっ、どんどん落ちてきます!!」

「これがボーナスか……?」


 メダルゲームのボーナスみたく、空からどんどん鉱石が降ってくる。危ないので俺たちはいったん離れて、その様子を見守った。


 一個一個は小さい。だが塵も積もれば山となる。

 その言葉を体現するかのように、鉱石はどんどん積み上がっていった。


「「……」」


 そして鉱石の雨が収まった頃、そこには腰元まで高く盛り上がった鉱石の山が出来上がった。

 何ともまあ豪華な報酬を。

 これ、全部売ったらいくらになるんだ……?

面白かったら、ブクマ、★ポイントをして頂けるとモチベになります。

m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>石に水が入り込むと爆発しやすい 表面が濡れているだけじゃないですかね・・・ そこは置いといても爆発したということは、酸が蒸発して撒き散らされたということになるけど大丈夫?
武身強化ですが、過去の説明で >・身体能力もしくは装備している武器を【12秒間】強化する >・クールダウン:12秒 とあります そしてクールダウンのカウント開始はスキル使用直後からとの記述もあり…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ