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フリーター生活がしんどいので、副業ダンジョンで日常をちょっと豪華にしようと思う  作者: 早乙女らいか


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第17話 ほっと一息、だけど?

「静!? 無事だったの!!」

「えぇ、なんとか……このお兄さんに助けてもらいました」

「あぁ、こんなにボロボロになって……本当にありがとうございます!!」


 深々と頭を下げる探索者の女の子。

 無事に帰還できて何よりだ。篠宮さんも外傷以外は特に問題ない。


 そこへ、俺に捜索を託した例の探索者が近づいてきた。


「お疲れ様。色々助けられたな」

「あれ? 帰ってなかったのですか?」

「人に任せておいて帰るって無責任すぎだろ。ほらこれ」

「あ、ありがとうございます……」


 缶コーヒーを手渡される。

 コーヒーなんて久しぶりだなぁ。

 いただきまーす……にっが。大人になってもブラックはダメらしい。


「あんたゴールドランクか? 三階層とはいえソロで潜るとはやるなぁ」

「いや、最近シルバーになったばっかです」

「……マジ?」


 探索者がコーヒーを飲む手を止める。


「普段からソロなのか? ダンジョン帰りでMPに余裕があるって、すげぇ慎重な立ち回りなんだな……」

「あぁ、まぁ……はい……」

「難しいんだよなぁ。MP切れると動けなくなるし、かといって使わないとモンスターは倒せないし」


 缶コーヒーを持つ手が若干震える。

 MPなんてない、クールダウンさえ経過すれば無限にスキルが使えるよ、なんて言えない。


 待て、もしかして”クールダウン”ってぶっ壊れ性能のスキル?

 長時間潜る必要があるダンジョンにおいて、実質的なリソースが無限になるって……ヤバいか。


 ま、そのおかげで人を救助できたんだ。

 強いスキルの一つや二つ、あってもいいだろう。


(あ、救急車が来た)


 妙に気を使いながら雑談していると、奥の方で救急隊員に運ばれる静の姿が見えた。心配そうに友達も傍についている。

 あとは彼女たちに任せるとしよう。


「そうだ、素材売らないと」


 ヘドロスライムを含めて色んな素材を抱えたままだ。

 さっさと売って帰るとしよう。


 俺は立ち上がると買取窓口へ向かい、全ての素材を売却した。

 で、売却した結果がこちら。


★★★


足キノコの魔石×5

12000円

ゾンビの魔石×9

19800円

汚染された骨×2

6800円

ヘドロスライムの魔石(変異)×1

15000円


合計:53600円


★★★


 やはり三階層だけあって、二階層よりも素材の売却額が高い。

 加えてゾンビのレアドロップである骨が意外と高く売れた。

 あんなボロボロの骨が何に使えるんだ……と思ったら、砕くと色んな武器やアイテムの素材になるのだとか。


 そしてヘドロスライムの魔石。一万五千円。かなりの高額だ。

 一番最後に(変異)ってついてるけど、変異個体は素材も特殊なのか?

 運良く倒せてよかったよ。


(ま、のんびりやっていこう)


 どこかでつまずく。

 どこかでペースが落ちる。

 だけど焦らない。慎重に進んでいく。

 余裕をもって探索者ライフを過ごそう。


 ◇◇◇


 Side:静


(凄い方でしたね……)


 救急車で運ばれながら、今日の出来事を振り返る。


 友達の春香ちゃんとダンジョンに潜っていた時。

 静たちは変異個体に出会ってしまった。


 本来の適正ランクを超えたモンスター。

 出会ったらすぐ逃げろと探索者たちも警戒する存在。

 あのヘドロスライムも本来は六階層に出現するはずなのに。


 静たちは退路を防がれ、完膚なきまでにやられ、絶望的な状況へと追い込まれた。

 なんとか春香ちゃんだけは逃がしたけど、静はもう助からないと覚悟していた。

 その時だ。あの人が現れたのは。


(最低でもゴールド以上? しかもソロで変異個体を倒すあたり、なかなかの実力者……)


 戦いの全てを見ていたわけではない。

 けど、藤崎さんからヘドロスライムを倒したと言われたときは流石に驚いた。


 ソロメインの探索者でもボスや変異個体を相手にするのはキツいと言われている。

 だからその場限りのパーティを組むことも多いのに。


「あの人、すごいよねー」

「ヘドロスライムを倒すとは思いませんでしたよ」

「ね。しかもあれでシルバーランクだってさ。しかも最近昇格したばっか」


 はい? シルバーランク……?


「……本当ですか?」

「え、うん。受付の人がまだシルバーなのに大丈夫かって心配してたから……」


 あの実力でシルバー……静と春香ちゃんより一つ下のランクだ。

 だから弱いと決めつけるわけじゃないけど、ソロのシルバーで変異個体を倒せるなんて想像できない。

 ……というか待ってください。


「あの人はダンジョンから帰還したばかりじゃないんですか?」

「あ、そうそう。MPにまだ余裕があるからって……」


 おかしい。MPに余裕があるとはいえ、他のモンスターを倒しながらヘドロスライムに対処できるの?


(仮にMPがあったとしても、並のスキルではヘドロスライムにダメージを与えられないはず)


 吸収と溶解液を軸とするヘドロスライム。

 ダメージを与えるには氷系のスキルか一定以上のダメージを出さないといけない。

 シルバーランクなら覚えているスキルも限られているはず。

 何か特別な方法でも使ったんですかね?


(彼をもっと知りたい……)


 愛とは少し違う。好奇心? 探求心?

 純粋に彼を追ってみたい。

 探索者の能力に興味を持つなんて良くないことだとは思うけど、内から湧き出す感情を止めることはできない。


 今度、お礼も兼ねて連絡先を交換してみましょう。

 もっとお話がしたい。


 あ、でも迷惑にならないよう気を付けないと。

 不快にならないラインを見極めつつ、接触するとしましょう。


 楽しみですね……文也様♪

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― 新着の感想 ―
「 男性向け」の意味が分かった気がする
コイツがまずやるべき事はコンビニバイト辞める事や もしかして女キャラ全部台詞に♪付きまくる感じなのか…
ここに来て2人目の女ってことは、ハーレムパターンかな(›´-`‹ )
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