魔王の情報
話は少しさかのぼり、ジンとセイルド、ゴアン王国の重鎮が城の会議室で話しあっている頃、地下牢に囚われていた雷神スピリアスは退屈に日々を生きていた。スピリアスは魔王に負け、生かされた挙句、ゴアン王国へと返された。スピリアスは自分の強さが通じなかった魔王に対し怒りを覚えていたがもう一度挑もうとした頃に魔王は行方をくらました。それによりやる気を失いゴアン王国の重鎮達の言うとおりに地下牢にとらえられただただ日々を生きていた。
「俺は、いつまでこんな退屈な日々を生きていればいい。魔王。なぜ帰ってこない。お前がいれば俺はもっと輝いた日々を送れるのに」
スピリアスがぼやいていると牢の隣に囚われていた魔族らしき者がつぶやく。
「魔王なら帰ってくる。もうすぐな」
スピリアスはその言葉を聞いた瞬間、隣の牢に囚われていた魔族に近づき
「それは本当か!えーと」
「人間。我の名は空のアスベス。空で戦うなら誰にも負けん自信がある。だが自慢の翼がこうなってはな」
魔族の男、背中に翼が生えていたが片方の翼が食いちぎらたような状態になっていた。
「人間、貴様名前は?」
「俺は雷神スピリアスだ」
「ふむ。貴様は相当な手だれと見える。どうだ?我がお前を魔王様と戦えるように手配してやろう。その代わり条件がある」
「条件?」
「そうだ条件だ。我をこの地下牢から出すんだ。それだけでいい」
アスベスがスピリアスに言うとスピリアスは多腕と足につけられていた異能封じの道具を破壊し、地下牢を破壊して地上に出てゴアン王国で暴れ出した。
そして現在に至る。
「魔王が帰ってくる?そんな世迷言を」
「世迷言?そんなことはないだろう。魔族のこいつが言うんだから間違いはないさ」
スピリアスの近くにいた魔族、アスベスはジンに言う。
「魔王様は帰ってくる。私達魔族にはわかるんだ。魔王様は倒されたがっているからね。強者が出てくるのを待っていたんだよ。一時的な平和というものを与えてね」
アスベスが言った後スピリアスが
「俺を見逃すなら生かしておいてやる。今まで地下牢にぶち込んでくれた鬱憤でこの地はさらにちしたけどな。間違っても俺は英雄じゃない。俺はただの強者だ」
スピリアスが言った後、ジンは防御たいせいをとる。
しかしその場にゆっくり近づいてくる人、見た目は赤い髪にショートヘアー。服装は海賊のような服を着ており、背中には細い剣を装備していた。
「あれ?ここはどこかなぁ?僕ってばまた道を間違えたかな?」