魔王のいなくなった世界
ここは異世界、アフルシアという異世界でこの世界には巨大な悪とも言える魔王がいなくなった。勇者が倒したわけではない。むしろ魔王は自らいなくなったのだ。
魔王がいなくなって数年、異世界アフルシアにある国の一つ、ゴアン王国では今この世界を統治するための話をしていた。
「それではこれより会議を始める」
ゴアン王国の城にある会議室にてゴアン王国の重鎮である者たちが集まっていた。
「我々ゴアン王国が今こそ魔王なき今この世界を支配する。みなこれに反対意見はあるかね?」
進行している男は眼鏡をかけてそれなりに綺麗な服を着ている男、名は防衛のジンという。
「防衛のジン殿。私は君の意見に賛成だ」
会議室にいるゴアン王国の重鎮の一人、この男の名はセイルドという。
「セイルドさん。私の意見に賛成するということは」
「はい。私達の国の軍力はトップクラス。冒険者に傭兵もたくさんおります。それにうちには魔王に挑み生きて帰ってきた男、雷神スピリアスがいる」
雷神スピリアス。魔王に挑み生還した者の一人で雷を自在に操る異能力を持つ。この世界には異能力という者があり、その人により能力は異なるがスピリタスは雷を扱う点においては最強であり、皆が恐れている存在でもあった。
「雷神スピリアスか。やつは狂犬でもある。手がつけられないからな。それに私達の言うことなど」
「そこは奴隷紋を刻むなり何をするなりなんでもいいんです。国を守るためならなんでもやりますよ。攻めこそが最大の防衛でもありますから」
ジンはセイルドに意見すると会議室の扉が勢いよく、ゴアン王国の騎士が開く。
「報告します!雷神スピリアスが、地下牢にとらえていたあやつが今地下牢から脱獄し暴れております!」
「脱獄だと!?どういうことだ!」
ジンは騎士に向かって叫ぶが騎士は慌てるだけで何もしない。
「ここは任せたセイルドさん。私は雷神スピリアスをとめにいく。君は王国の民を非難させるんだ」
ジンは騎士に命令したあと会議室を後にし、鎧と盾を武装し、騎士に聞いた雷神スピリアスがいるところへと向かう。
雷神スピリアスの目撃情報に向かった場所に着くとそこは雷の異能によりもはやさらちとかしていた。
「よう。防衛のジン。遅かったじゃないか」
「雷神スピリアス。何のつもりだ?」
「何のつもりってわかるだろ?俺はこの王国に飽きたから出て行こうと思ってな。地下牢でいい話を聞いたんでな」
スピリタスはにやけた後ジンに言う。
「魔王がこの世界に帰ってくる」