支度金が多くないですか.....?
「いや、こんなに要らないって。」
翌日に届けられたのは金貨の山、山、山。
ざっと100はあろうかという袋の中に、これでもかと言うほど金貨が詰め込まれている。
「ひやああ.......」
思わず口元を引きつらせてしまう。同封されていた手紙には、『好きに使ってくれ。必要な物のリストに載っているものは買うように。 ラード・アルベルト』
ラード・アルベルトとは国王陛下のことだ。そんな人から直々に手紙が........マジかよ
リストを見ると、パーティー用のドレスや制服、文房具などが載っていた。
「はああ........買いに行くの面倒だぁ.......!」
溜息をつく私の横で、両親は信じられないといったように口を覆って固まっている。
「嘘だろ......俺の給料一生分よりはるかに多い.......」
「もらったからにはキルティーにお洒落させてあげなきゃ......」
二人とも驚愕やら決意やらいろいろな感情を抱えているようだ。取り敢えず3分の2は両親に渡そう。残りは私だ。
「じゃっ、ちょっと買いに行ってくるね。」
リストに目を落としたまま、私がそう言うと。
「駄目よ!私も一緒に行くわ!あなた絶対地味なドレス選ぶでしょう?!」
子どものように行きたいと駄々をこねるので、仕方なくこう言った。
「じゃあ、ドレス選びは任せるよ.......あんまり装飾付けたら気持ち悪いから、ほどほどにね?後、注文する前に色とか希望したいから私を呼んで。」
「分かったわ!さあ、出発よっ!」
またもやため息をつく、キルティーなのであった.......