表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/23

スタンピードを止めました




そこにあるものを見て、私は驚愕した。

「泉......?」


赤黒い水をたたえた噴水。その水は、濁り、どろどろとしていた。


_________と、その泉から、魔獣がざばりと水を搔き分け、姿を現す。


「A(ランク)........ハウンドウルフ......」


泉から出てきたのは、紛れもないA(ランク)魔獣、『ハウンドウルフ』なのだった。



一口に魔獣と言っても、さまざまな種類があり、強さも違う。


この世界では、下からF、E、D、C、B、A、Sの順に魔獣がランク付けされている。


初心者が討伐できるとされているのはFからDランク辺りまで。運が良ければCランクも......と言ったように、キルティーぐらいの初心者がA(ランク)を相手取ることは極めて困難だ。

そう、普通であれば、だが。


そして、今分かった。あの泉は、魔獣を生み出すためのもの。あそこから魔獣が出てくるから、ダンジョン内の魔獣は絶滅しないのだ.....


「じゃあ、壊すまでよね。」


私は闇魔法全般をくまなく試した。そして、大体の扱いに慣れた。


つまり、どういうことかと言うと......


みんな大好き(?)あの魔法が使えるのだっ!


「悪いね、ハウンドウルフ!最上級闇魔法(ブラックホール)!」


呪文を唱えると_____どこまでも黒い球体が姿を現した。



ブラックホール。使用できる者は極めて少なく、使える者は大変重宝され、王室に引っ張りだこ。

故に、使用しているところを見る者は極めて少ない。使用者に会う者も、同様だ。


私は慎重に照準を絞っていく。ブラックホールを、自分が消えない程度に膨張させて.....


「行けっ!」

ブラックホールを、ハウンドウルフ目掛けて飛ばす。ブラックホールはゆるりと動いて、ハウンドウルフを丸々消し取った。

ついでに、泉も消しておく。これが無ければ、魔獣大量発生(スタンピード)イベントは起きないはずだし、お姫様抱っこイチャコラ(イベント)も無くなるはずだ。


「はあ.........はあ.........ふう.....」

流石に最上級魔法なので魔力の消費が激しい。額から出る汗を拭う。


「よしっ!」

私は満足げに頷くと、奥の宝箱の方へ向かう。

「何が入っているかな~っと!」

入っていたのは........


「卵?」

魔獣の卵だった。黄金色で、周りに竜の鱗のようなものが付いている。

これは..........竜の卵だ。


「この感じ........恐らくS(ランク).......それに......これ.......!」

恐ろしいことに気付いてしまった。卵に、輝くような銀色で星の模様がある。

この印を宿しているのは.......


星を宿す(サークレットスター)........(ドラゴン).......!」


『星を宿す竜』こと、『サークレットスター・ドラゴン』。その姿は千年に一度、目撃されるかという伝説級なもので、一応ランクはSになっているが、誰も攻撃できないため取り敢えず最高ランクになっているだけに過ぎない。

この竜に関しては、昔から色々と言われてきたが........どれ一つとして、真相に迫る証拠がない。


「ゴクリ.......」

これは、孵したら.......すごい戦力に......!


「よし。こいつは絶対にものにする。」

竜は最初に魔力をくれた者を親として認識する。

そして賢いため、人が使役できる可能性が高いのだ。


「とんでもないお宝ぁ......!ひゃっほーい!」

飛び上がってくるくるとダンスしながら、魔力を込めてみる。星属性の魔法を使うようなときに神経を集中させて.......

手が金色に光る。それは卵を包み......きらきらと、より一層卵を輝かせた。


「あ、もうすぐ時間がヤバいんじゃ......?!」

慌ててきた道を取って返すキルティーなのであった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ