初めてのダンジョン
そして月日は経ち、5年後。いや、だいぶ飛んだな。
毎日のように魔術を勉強して来て、最近では闇属性もこなれてきた。
では........行ってみるべきだろう!そう!ダンジョンに!
*
ずっと憧れだった、ダンジョン。魔獣が怖くなければ、多分大丈夫。
ここはさびれたダンジョン。だが、ここは魔獣大量発生の起きるダンジョンでもある。
キルティーの故郷が魔獣大量発生に遭ったと報告を受け、キルティーが向かったため攻略対象たちも権力にものを言わせてついていく....と言うのがイベントの粗筋だ。帰り道でキルティーが転んでそのときに最も親密にしている攻略対象にお暇様抱っこされる。と言うのが見せ場だ。その場面はフルボイスで、効果音なんかも凝っているので非常に見どころがある。
しかも、宝箱の中には結構なお宝が入っているらしい。楽しみだ。
「レッツゴー!」
中は薄暗い。まあ松明なんてご丁寧に置いているはずもないしな。
「ライト」
光属性で周りを照らし、火属性と木属性を合わせて、松明を作る。
これを繰り返してマーキングしていけば、きっと迷わないはずだ。ここは迷路のような構造になっていて、イベントの時もだいぶ苦労していたから。
(えっと.......確か左から二番目......)
ゲームで見た内容をフル活用して、進んでいく。たまに魔獣に遭うことはあったが、そこまで強くないものばかりだったので、あっという間に目的の場所に着いた。
「.........この先が......ボス部屋........ゴクリ」
大きく深呼吸をして、扉を開ける。
ギギギっと大きく軋んで、扉が開いた。
そこにいたのは........
「え?」