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十年前、君と過ごした夏

作者: Susun

はじめまして。

Susun[すぅさん]です。

少し前から小説を書き始めました。

自分の中で完結した作品を誰かに読んで欲しくて上げてみました。

短い作品ですが初投稿なので読んでいただけると幸いですm(_ _)m

登場人物

 遥乃はるの 道歌とうか

 佐伯さえき 遼多りょうた

 勝谷かちや 徹太てった

 雨寺あまでら 瞳月しずく

 佐伯 多笑 (さえき たえ)


 あれから十年。私は今社会人として生活している。

彼の死を超えて、私は今精神科の病院を経営している。

私みたいにならないように。そして。多くの人を救えるように。

 

第一章 出会い

 十年前の夏

「転校生を紹介するぞ〜」

「転校生…? この時期に?」

「佐伯遼多です。よろしくお願いします。」

少し長めの黒髪をハーフアップで結んでいる高身長の男の子。目付きが悪く少しだけ怖さを感じた。

この子とは仲良くなれなそう…。

そう思っていると不運なことに隣の席になってしまった。最悪だ。

「あ、えっと、よ、よろしく……。」

「……。」

無視ですか。目付きだけじゃなく態度も悪いなんて、これはもう確実に仲良くなれないな。

 休み時間。飲み物を買いに席を立とうと思ったその時

「なぁ。お前。」

佐伯くんに声をかけられた。

「えっ、あ、な、なんでしょう…。」

私は驚き、口ごもりながら返事をした。

「………。やっぱ何でもねぇ。」

なっ、なにそれ! 意味わかんないんですけど!

当時の私は、用もないのに声をかけられることが一番嫌いだったためその時とても腹が立った。

もう絶対話しかけられても無視してやるんだから!

その時、同じクラスの男子、勝谷徹太が佐伯くんに話しかけていた。

「なぁ転校生!俺、同じクラスの勝谷徹太!よろしくな!」

うわぁ〜…よく話しかけられるなぁ…。一方転校生の佐伯くんは、

「あ…あぁ、…よ、よろしく…」

引いてない…?徹太ちょっと初日から飛ばしすぎでしょ…。さすがに引くよ…。

佐伯くん可哀想だなぁ…転校初日からあんなうるさい奴に話しかけられて…

「おーい、道歌ー?どしたー?」

「うわぁ!びっくりしたぁ!」

「ぼーっとしてる道歌が悪いでしょ…」

この子は同じクラスであり私の親友である瞳月。

凄く大人しい性格で私以外の人に話しかけられても基本無視をしている。人間に興味が無いらしい。

その場合私って……?ま、いっか

「瞳月、自販機いこ」

「え、う、うん」

そして私は、うざい徹太に絡まれてる佐伯くんを置いて瞳月と自販機に飲み物を買いに行った。心做しか教室を出る瞬間、佐伯くんがこっちを見ていたような気がした。

……気のせいかな…


第二章 意外性

 今日は私の苦手な家庭科の授業がある。不器用な私は料理が大の苦手で、チームで行う調理実習は周りに迷惑をかけてしまうという罪悪感でいっぱいだった。

そしてなにより最悪なのが、佐伯くんと同じ班になってしまった事だ。

なんでよりによってコイツと一緒なの〜!

まぁ、でもどうせこいつも不器用だろうし、私と同じで料理できないでしょ!

そう思った瞬間、誰も目が追いつかないほどの速さで調理を進めていく佐伯くんの姿があった。

私は唖然とし口を開けたまま見とれてしまった。

「おい。おい!」

「はっ、はいっ!」

「できたぞ。これお前の分」

「え、あ、あり…がとう…。」

私は恐る恐る口をつけた。

「っ! 美味しい! すごい美味しいよ佐伯くん! 料理上手だね!」

「あ、あぁ。親が夜仕事で居ないことが多かったから俺が変わりに飯作ったりしててそれで…」

「すごいよ! 佐伯くん見た目怖いし性格も悪そうなのに料理できるなんて凄い! めっちゃ意外!あ……。」

やってしまった。美味しさのあまり思ったことを全て口に出してしまった。佐伯くん怒ったかな…。

「俺………。やっぱ怖いか…?」

「へ……?」

「よく言われるんだ…。でも自分ではそう思わなくて…。でもこの顔のせいで友達できなくて…。特に女子とか俺の事怖がって逃げたりするんだ…。」

驚いた。顔が怖いのがコンプレックスだったのか。

「さ、佐伯くんは、カッコイイと思うよ!」

また口に出してしまった…絶対引かれた〜…

「あぁ、ありがとう」

ドキン…

そう優しい顔で微笑む佐伯くんにときめいてしまった。

っ!私ったら何考えてんの!佐伯くんは今日あったばかりで、まだ名前と顔しか知らないでしょ!何ときめいてんのよ!ばかばかばか〜!

「何してんの」

「ひゃぁ!」

「ご、ごめん、驚かすつもりはなかったんだ」

「う、ううん!全然大丈夫!ちょっと考え事してたから話しかけられて驚いちゃっただけ!」

「そうなのか、これ、一緒に食べようと思って…」

そう言って出してきたのは余った卵で作った卵焼きだった。

「こ、これ、いまさっき作ったの…?」

「あぁ、残ってたから作った。遥乃のこと驚かせてしまったお詫び」

ほぁ〜…優しいんだなぁ…

「ありがとう!……っ、おいしい!!」

「っ!よかった、どんどん食べてくれ」

佐伯くんって、案外いい人かも…

私は初日とは違う彼との会話にまた意外性を覚えた。


第三章 自己紹介

 あの日以来佐伯くんとよく喋るようになった。

「ねぇ佐伯くん。自己紹介しない?」

「自己紹介? なんで?」

「いやぁだってさぁ、佐伯くんの事まだ全然知らないし、簡単なことでもいいから知りたいなと思って。」

「ふぅん。じゃあお前もしてくれるんだよな?」

「もちろん! 佐伯くんが聞きたいこと全部答えてあげる!」

「交渉成立だな。つっても自己紹介って何話すんだ?」

「ん〜そうだなぁ。じゃあまず私がお手本ね! 遥乃道歌。十六歳。誕生日は七月七日! 七夕の日! 好きな食べ物はお肉で、嫌いな食べ物はピーマン! 趣味は歌うことで特技は……特にないかなっ! 以上! こんな感じかな?」

「なるほど…。じゃあ俺の番だな。佐伯遼多。十六歳、誕生日は八月八日 覚えやすい方ではあると思う。好きな食いもんは…。いちご……で、嫌いな食いもんはネバネバしたもの……。趣味はギター弾くことで特技は料理かな。」

八月八日……なんて覚えやすい数字なんだ…。

「ありがとう! ギター弾けるんだ〜! いいなぁ〜! 私もギターとか弾いてみたい!」

「今度うち来て弾いてみるか? ふたつあるし片方やるよ。」

「えっ?! い、いいの? でも、弾き方とか分かんないし…」

「教えるよ。簡単なことから教えていけば卒業までには完璧になるだろ」

そういう事じゃなくてっ…、家に上がって二人きりなんて……。仲良くなったばかりなのにそんな………!

「…い、お〜い。」

「はっ、はひっ!」

「大丈夫か?」

「だだだ、大丈夫! なんでもない!」

「ならいいけど…。なぁ、さっき俺の聞きたいこと全部答えるって言ってたよな」

「あぁ、そうだったね。なんか聞きたいことある?」

「……好きな奴、とか、いんの…」

この時、私の中で何かが弾けた音がした。普段の目付きの悪い佐伯くんじゃない、少し頬を赤らめた顔があまりにも可愛くて。今までに無いくらいドキドキしてしまった。

「えっと…。わ、わかんない。今は居ないかな…」

「気になる奴とかもいねぇの?」

「き、気になる…人…。は、いる…かも…。」

「っ! そうか…。教えてくれてありがとう。」

「じゃ、じゃあ逆に聞くけど、佐伯くんは好きな人いるの?」

「俺…? 俺は…………。いるよ。」

その真剣な眼差しにまたドキッとした。一瞬私かもと思ってしまったけど、こんな短期間で好きになるわけが無いと自分に言い聞かせ、その時の思いは胸に閉じ込めた。

 放課後、夕暮れに染った教室で話した内容は、私にとって一生忘れられないものになった。

自宅に帰り、思い返してみると、私の中に閉じこもっていた感情が溢れ出した。

私、佐伯くんが好き…かも…。


第四章 嘘

 あと二週間ほどで夏休みに入ろうとする手前、私は佐伯くんに対する思いに戸惑い彼と話す頻度が減ってしまった。

ヤバい…どうしよう…。佐伯くんと沢山話さないともうすぐ夏休みで会えなくなっちゃう…。

私にとっての夏休みは彼との関係が無くなってしまうものだと思い込みずっと悩んでいた。その時

「お〜い遥乃〜」

佐伯くんが私を呼んでいる。ここで無視してしまうと彼との距離がまた大きく空いてしまう。

「ど、どうしたの?」

「もうすぐで夏休みじゃん、だからその、夏祭り一緒に行かねぇ?」

「えっ…」

「あ、いや、別に嫌なら全然いいんだけどさ。遥乃と話すようになってからすごく楽しくて…もっと遥乃のこと知りたいなと思って…」

「行くっ! 絶対行く!」

「お、おぉ。良かった、じゃあ七月二十九日の十八時半に駅前で待ってる。」

「わ、わかった! 十八時半に駅前ね!」

「じゃ、また後で」

「うん!」

「あ、そうだ、誕生日おめでとう」

「えっ…?」

「七月七日、誕生日だろ」

「あっ、そうか!忘れてた!」

「なんで自分の誕生日忘れてんだよ笑」

「あはは…つい…」

佐伯くんのこと考えすぎてたなんて言えないよぉ…

「夏祭りの日、なんか買ってやるよ」

「えっ、い、いいよそんな、」

「遠慮すんな、誕生日は一年に一度の大切な日だ。大事にしろよ」

「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて…」

やったぁぁ!なんということでしょう。一緒に夏祭りに行けるなんて…。しかも誕生日祝ってくれたに加えて夏祭りにプレゼントまで貰えるなんて…はっ…!浴衣どうしよう。髪型とか…メイクもしないと!

あぁぁぁしないといけないこと多すぎ! でも…。一緒に夏祭り…。楽しみだな…。

 夏休みまで残り一週間を切った頃、教室に忘れ物を取りに向かった時誰かの声が聞こえた。

佐伯くんとクラスの男子、勝谷徹太だった。

「なぁ佐伯〜最近遥乃と仲良いじゃん〜」

「あ、あぁ。まぁ唯一俺と話してくれる女子が遥乃だし、アイツ良い奴だから」

「ふぅん…。で?」

「で…って、何…?」

「だ〜か〜ら〜、遥乃とどうなりてぇのって話!」

「なっ!?」

なにぃっ?! 徹太なんてこと聞いてんの! 仲良くなって長くない人とどうなりたいかなんて分かるわけないでしょって! でも…。ちょっと知りたい…。夏祭りに誘ってくれた時に私の事もっと知りたいって言ってたし、それなりに気になってたりするのかな…。

「いや…別に…。どうでもいいし」

え…? 

「おいおいそんなこと言ってさ〜本当は好きだったりするんじゃないの〜?」

「違ぇって俺別にアイツのこと…」

私はその先を聞かずに走って逃げ出してしまった。その先の答えはもう分かっていたから。

『俺別にアイツのこと好きでもなんでもねぇ』

私の中に降りてきた佐伯くんの言葉はとても冷たい回答だった。

「あの時私の事もっと知りたいって言ったの、嘘だったんだ…。」

夏祭り…。どうしようかな…。


第五章 夏祭り前日

 あの言葉を聞いてから、私はこの夏祭り前日まで頭を抱えていた。ちょっとでも嬉しいと思ってた自分が恥ずかしすぎて佐伯くんに会うのが怖くなっていた。

 あの時、無理にでも笑いながら話しかけてたらちょっとでも変わってたのかな…。

 そんなことを考えていてもキリがない、佐伯くんに会って直接本当のことを聞くしかない!そう考えた私は夏祭り当日を迎えた。

 午後十八時半。学校の最寄りの駅まで親に送ってもらった。佐伯くんは…まだか…。

彼に本当のことを聞くんだ。そう心に思いながら佐伯くんが来るのを待った。

三十分後、来ない。さらに三十分後、まだ来ない。

流石に心配になってきた私は焦った。

「どうしたんだろう…。…そうだ、連絡を…」

あ…そうだ…。私、佐伯くんの連絡先…知らないんだ…。

そう思った時、仲良くなって好きになったのは私だけだったんだと。

「なんで、私…こんなにお洒落して、足痛めてここにいるんだろう…。」

その瞬間涙が溢れた。

「っ…。」

私だけが浮かれて、夏祭り楽しみにしてたなんて…。

帰ろう…そう足を踏み出した瞬間

「遥乃!!!!!」

佐伯くんが後ろから叫んでいた。

「佐伯…くん…?」

「はぁっ…はぁっ…ごめっ…間に…合わなくてっ…」

一体どこから走ってきたんだろう、凄く息も荒く汗もかいている。

「遥乃、泣いてるのか?」

「っ!な、泣いてないよ!泣いてない!」

急いで流れていた涙を拭い、気づかれないように精一杯笑った。

その後、なぜ佐伯くんが遅れたかを詳しく聞いた。

急におじいちゃんが倒れたらしい。

「そ、それ、大丈夫なの? そんな危険な状態なら無理に来なくても良かったのに…」

「あぁ、でも、遥乃と約束したから。『十八時半に駅前な』って。」

あぁ、そうか、私はこの人のこういう所を好きになったのかな…。

約束したからと言っておじいちゃんが倒れたのに私との約束を破らなかった。そんな彼のことを今まで以上にもっと知りたくなってしまった。

「遥乃、これ。俺の連絡先。」

「えっ?」

「あと、これも」

「これは…」

「夏祭り行けなかったから安もんだけど、プレゼント」

「ブレスレット…かわいい…」

淡いピンクのブレスレット。安物なんかじゃない…佐伯くんがくれたものは安物なんかじゃないよ…。

「今回のことお詫びしたいからさ、また後日、改めてどっか行こうぜ?」

「そんな、お詫びなんて…。……でも、また佐伯くんと遊びたい……かも…。」

「………。じゃ、今日はじいちゃんとこ行かなきゃだから夏祭りは参加できないけど、帰ったら連絡するから!遥乃も帰り道気をつけるんだぞ!お前も帰ったらちゃんと連絡するんだぞ!いいな?」

「ふふっ。佐伯くんお母さんみたい」

「な、何笑ってんだよ!こっちは心配してんだぞ!」

「はいはい分かりました!帰ったら必ず連絡しまーす」

そう約束をし、私たちは家路へとついた。


第六章 本音

 夏祭りから一週間が経った頃、私と佐伯くんの連絡は順調にやり取りが続いていた。

他愛もない話やちょっとした愚痴、互いの知らないことなど、沢山言い合った。そして、あの時のお詫びの話もしていた。

 すると、佐伯くん以外からメールが届いた。

「ん?あ、瞳月じゃん!珍し〜瞳月がメールしてくるなんて!」

 同じクラスの私の親友、雨寺瞳月からだった。

 その内容は、佐伯くんについてだった。

「何にも興味を持たない瞳月が佐伯くんの話をするなんて…さすが佐伯くんだなぁ…。」

そう感心しながら送られた内容をよく見ると、

[道歌ってもしかして佐伯のこと好きだったりする?]

…………えぇ!?!

「な、なな、なんで、瞳月がそんなことを…?!?」

[道歌わかりやすすぎ、夏休み前の授業中ずっと佐伯の事見てた]

「う、うそぉ〜…そんなに見てたかなぁ〜…」

それから瞳月とメールでやり取りをした。

話すようなったきっかけ、気になり始めたこと、教室で佐伯くんが言いかけたこと、その後の夏祭り。

[道歌は結局どうなの?]

え…?どうって、どういう…。」

[道歌は佐伯のことどう思ってるの?そんで、今後佐伯とどうなりたいの?]

………佐伯くんと。

<佐伯くんとどうなりたいかはわかんないけど、今のままじゃ嫌だ。私の気持ち伝えてちゃんと仲直りしたい>

[道歌ならそう言うと思ってた。確か佐伯の誕生日八月だったでしょ?その日に会ってみたら?]

誕生日……誕生日…?

そのメールが届いてふと思い出した。確か八月の…八日…

そして恐る恐るカレンダーを見た。

んなぁぁぁぁぁぁ!!!ちょっ、ちょちょ、ちょっと待って!佐伯くんの誕生日まであと三日しかないじゃん!!何も準備してないよ!どどど、どうしよ〜!

そ、そうだ、瞳月!

[PS.誕生日プレゼントは流石に自分で考えなよ☆]

瞳月ぅ〜〜泣


第七章 仲直り

 仲直りしようと決めて、残り少ない佐伯くんの誕生日に向けてプレゼントを考えていた。

「何がいいかなぁ〜…。無難に手紙とか…お菓子とかの方がいいかなぁ…?」

そう考えていた時、ある点に気が付いた。

佐伯くんって誕生日の日会えるのかな…

い、一応聞いてみよう!

[佐伯くん、八月八日って空いてる?]

分かりやすすぎるかな…

ティロン♪

返信はや!

どれどれ…。……はっ!よっしゃー!

[空いてるよ!その日の天気予報では快晴らしいから、

どっか出かけるか?]

そのたった二行のメールがとても嬉しくて飛び跳ねたくなった。この日こそは、ちゃんとメイクしてお洒落して可愛く見てもらうんだ!

そう心に決め、残りの一日をすごした。

   -次の日-

 今日はいよいよ佐伯くんの誕生日、そしてデートの日!

私はめいいっぱいお洒落をし、ギリギリで用意した誕生日プレゼントを手に待ち合わせへと向かった。

準備に時間がかかってしまった私は待ち合わせの時間ギリギリに着いてしまった。

佐伯くんは…

「あっ、いた!佐伯くーん!」

心の中で今回はちゃんといてくれたことに凄くほっとした。

「ごめんね〜準備に時間かかっちゃってちょっと遅れちゃった〜」

「ハハッ。張り切ってんな〜。全然大丈夫だよ!じゃ、行こっか!」

「………うん!」

ちょっと期待しちゃった。可愛いって言葉を…

「あ、そうだ遥乃」

「ん?何?」

「今日、すごく可愛いよ」

へ…?な、なな、なぁ?!

「えっ、えっと、あ、あり、がと…?」

「ぶはっ!なんで疑問形なんだよ!笑」

「だ、だって、急に言われちゃってビックリして…しかも佐伯くんの口からそんな言葉が出てくるなんて思わなくて…」

「俺だって勇気出して言ったんだぞ〜ちゃんと感謝しろって!」

今の言い方で勇気出したなんて…こりゃやられたなぁ…

まぁでも、今日は全力で楽しも!

 そう思いながら私は佐伯くんと二人並んで歩き出した。

午前中に水族館に行き、お昼は公園で手作りのお弁当を一緒に食べた。佐伯くん、すごく喜んでくれた。

そしてもう時間も残り僅かになってきた頃、見晴らしの良い灯台へ行くことになった。

私はここでプレゼントを渡し、自分の気持ち伝えようと決めた。

八月なのに少し肌寒い風を感じながら、眺めのいい景色を見渡した。

プレゼントを渡すタイミングが掴めない…。

「綺麗だな〜」

「う、うん!そうだね!すごく綺麗!」

私は緊張で上手く言葉が出てこなかった。

でも、プレゼント渡さなきゃ…ちゃんと自分の気持ち伝えなきゃ…!

「佐伯くん!」

「おっ、おう!ビ、ビックリした…。なんだ?」

「あ、あの、これ…」

「これって…」

「た、誕生日おめでとう!」

言えた…。言えたよ…瞳月…!

「ありがとう!プレゼントなんか用意してくれたのか?うわぁ…嬉しい…」

……っ。

喜んでくれてる…良かった…。

余りの嬉しさに涙が出てきてしまった。

「え、は、遥乃?なんで泣いてんだ…?ご、ごめん、俺なんかしたか…?」

ちがう…ちがうの…、

「ちがうの…嬉しくて…。何渡せばいいかわかんなくて…必死に考えて今日を迎えたから…喜んでくれるかわかんなくて…」

 私が佐伯くんにあげたもの………手作りのミサンガだった。

高校生のわりには子供っぽいものをあげてしまったと思ったけど、こんなにも喜んでくれるなら作ってよかったって心から思える。

「嬉しいに決まってんだろ…。それにこのミサンガって手作りだろ?」

「う、うん…ちょっとほつれちゃって汚いところがあるから渡そうか迷ったの…でも、後悔したくなかったから…」

「後悔?」

ドクン……ドクン……

今にも心臓が弾けそうだった。伝えなきゃ…伝えなきゃ…

「わ、私…」

後悔しないために…

「私、佐伯くんが好き…もっと佐伯くんのこと知りたい…です…」

…………。気まずい空気が流れる。

「あ、えっと、や、やっぱなし!うそうそ!気にしないで!ごめんね〜急にこんなこと言って!気持ち悪いよね〜!ははっ…」

ボーッと立ち尽くす佐伯くん。

ダメだ。泣くな私。

「っ……。ごめんっ……。」

私は恥ずかしさのあまり逃げ出してしまった。

「あ、おい!遥乃!」

後ろから私を止める佐伯くんの声が聞こえたが、私は止まらず走り続けた。二回目だ……。

「遥乃ーーー!」

遠くから聞こえる佐伯くんの声。なんでこんなにも愛おしいんだろう…。やっぱ戻って返事聞いた方がいいかな…。

 そう思い佐伯くんのいる方へ顔を向けた。すると、気づいたのか佐伯くんも私を見つけこちらへ走り出した。

信号を挟んだ向かいに佐伯くんがいる。今ならまだ、佐伯くんと話ができる。

信号が青に変わり、私は佐伯くんのいる方へ歩き出した。

「遥乃!危ない!!」

ドンッッ!

一瞬何が起こったか分からなかった。体全体に衝撃が走ったと思ったら、目の前で佐伯くんが血を流して倒れていた。

「え…?さ、佐伯くん…?」

私は頭が真っ白になった。

「や、冗談はやめてよ…、ね、ねぇ、佐伯くん……。」

私は何度も声をかけた。

「ねぇ、起きてよ……。佐伯くん…!」

泣きながら必死に問いかけた。

「佐伯くん、私に何言いたかったの…?逃げてごめん…!ちゃんと話聞くから…!だから……だからお願い…!」

死なないで…!


第八章 後悔

 佐伯くんの事故から二週間が経った。

彼はあの後救急車で運ばれ、何とか一命を取りとめたが、脳にダメージを受け、眠り続けたままになってしまった。

 私は彼の両親に何度も何度も頭を下げた。私のせいだ。私が佐伯くんをこんな目に遭わせてしまったんだと。

 しかし彼の母親、多笑さんは『そんな事ない。頭をあげて。遼多ね、家に帰ってきてもずっとあなたの話をしていたの。あの子があんなに楽しそうに話すの、本当に久しぶりでね、すごく嬉しかったの。だからあなたには感謝しているの。遼多を笑顔にしてくれてありがとう。』

 彼の母親は泣きながら私にこう言ってくれた。

その言葉に私も涙が止まらなかった。

 今まで彼の気持ちに気づけず自分だけが佐伯くんを好きで、その気持ちを勝手に伝えて答えを聞かずに逃げ出した自分をとてつもなく殺したくなった。

彼の両親にも涙を流させてしまった。そんな自分が憎らしい…。どうしてあの時逃げ出してしまったのか…。彼の話をちゃんと聞いてあげられなかったのか…。どうして…もっと愛してあげられなかったのか…。

嫌だ…。死んで欲しくない…。

私はその日から毎日お見舞いに行った。笑顔で彼に話しかけ続けた。夏が過ぎ、秋になり、肌寒くなってきた頃までずっと…。

『佐伯くん、夏休み終わったよ。次から二学期が始まるんだよ。みんな心配してる。だから、早く元気になってまた学校楽しもう…?』

『佐伯くん、少し寒くなってきたね、秋って"読書の秋"だったり"食欲の秋"だったりっていっぱいあるよね。私秋になってから食欲増しすぎてちょっと太っちゃったよ…笑

………早く…元気にならないかなぁ…』

肌寒い時期も終わり、冬になった。

しかし、彼が目覚めることは無かった。

「佐伯くん…もうクリスマスだよ…いつまで寝てんのさ…。私、佐伯くんとクリスマスデートしたかったんだよ…?ずっとずっと佐伯くんが起きるの待ってるんだよ…?」

涙を堪えながら話した。大好きな佐伯くんに向けて。

そろそろ帰ろうと思った時、佐伯くんのお母さんが来た。

「あ、こんにちは。」

「こんにちは、道歌ちゃん。毎日ありがとうね。」

「いえ、全然。早く元気になって欲しいですから、毎日お見舞いなんてヘッチャラです!」

「…………。無理、しないでね…。」

「……っはい!大丈夫です!」

多笑さんと少しお話をして夕方になってきたので帰ることにした。

「じゃあ、私はそろそろ帰りますね!あとはよろしくお願いします!

…佐伯くん、今日はもう帰るね!また明日来るから!バイバイ…。」

今思えば、この時“バイバイ”なんて、言わなければよかった…。


第九章 好きだった

 次の日、佐伯くんが亡くなったという連絡が来た。

「え……そんな…うそでしょ…さ、佐伯くんが死ぬはずない!嘘だ!!いや、いや!!信じたくない…!!っ…あぁぁぁぁぁぁぁっ…」

信じられなかった…。佐伯くんが居なくなったなんて…

そんなの……酷すぎる……。酷すぎるよ…。

佐伯くん……。

あ…わたし…のせい…。

そう考えていると、佐伯くんが眠っていた病室まで来ていた。ベッドを見る度に、涙が溢れて止まらなかった。

私も…そっちに…

すると、「道歌ちゃん!!!」その声で我に返った私は、病室の窓に脚をかけていた。

「っっ…!!」

「何やってるの道歌ちゃん…!」

多笑さん………必死に止める多笑さんの顔が、あまりにも佐伯くんそっくりだった。

「多笑さん………もう…無理です…。私…佐伯くんに会いたい………。」

「駄目……絶対…駄目よ…。」

「どうして…どうして止めるんですか…。」

「遼多は……そんなこと望んでない……。今の道歌ちゃんには会いたいと思わないと思うの…」

「っ…そんなこと…言われたって…。私にはもう…!生きる意味がわかんないんです!!」

「遼多は!あなたのこと大好きって言ってたの…あの日言えなかった言葉を…あの子は最後に言っていた…!」

…………! そ、れは…どういう…

「昨日、道歌ちゃんが帰ったあと、奇跡的に目を覚ましたの…。」

    -昨日の夜-

 道歌ちゃんが帰って直ぐに遼多が目を覚ました。

『か、あさ、ん……』

『っ?!りょ、遼多…?遼多!!あぁ…よかった…よかった…………。』

凄く苦しそうだった。喋りづらそうな声で必死に私に問いかけたわ。

『あ、いつ…は…?』

『あいつ…道歌ちゃんのこと…?』

『はる…の…は…』

『ついさっき帰ったばかりなの…。待ってて、すぐ電話で…』

道歌ちゃんの事を考えていたみたい。本当は直ぐに呼び戻そうと思っていたの…。でも…。

パシッ…

『い、い…よば、ないで…』

『で、でも…』

『いい、っから…その、かわり…てがみ、を…』

『っっ…!わかっ、た…。』

この時もう目覚めたばかりの遼多は長くないんだって確信したわ…。

 紙とペンを用意して遼多に渡した。誰にも読めないだろうと思えるくらい、とても汚い字だった…。

でも、私には読めた…。道歌ちゃんに向けて書いた遼多の本当の気持ちがその手紙には書かれていたわ…。

 二枚にわたって書かれた手紙は、私に預けられ、遼多はそのまま息を引き取ったわ…。


「そん…な…。」

「これが、その時の手紙よ…。」

佐伯くんが書いた私に向けた手紙…。封筒には自分で入れた痕跡、頑張って入れたのか、少しクシャクシャだった。

恐る恐る貰った手紙を開いた。そこには…


<はるのへ

ごめんな、おれもうながくないみたいだ。>


 よれよれの字体で書かれた文章。漢字を書くほどの力がなかったのか、全てひらがな。でも、佐伯くんの字だ……


<おれはこのまましぬのはいやだから、はるののいったように"後悔"しないようにつたえる。>


 後悔……私が佐伯くんに告白した時に言った言葉…


<おれは、はるのとうかが大好きだ。すごく、すごく、大好きだ。>


 さ、えきく……ふっ…う……


<てんこうしてきた、めつきのわるい、ともだちのすくないおれと、なかよくしてくれて、ありがとう>

<おれがしんでも、はるのはしんじゃだめだから、むねはって生きろ>


 っ…!生きろ…佐伯くんが望んだこと…

「私は…なんてことを…。また、佐伯くんの気持ち考えなかった…」

「そんな事ないわ…。最後をよく読んでみて。」

多笑さんにそう言われ、最後の文章を読んだ。そこには


<おれはしんでもはるののことわすれない。おまえがおれのことをわすれても、おれはいつでもおまえのことおもってるから。だから、なくな。>


「道歌ちゃんが思ってることと、遼多が思ってることって、一緒なんじゃない…?道歌ちゃんが遼多のこと思ってくれてるように遼多も道歌ちゃんのこと、ちゃんと思ってたのよ…。」

 その言葉に涙が止まらなかった。そして、二枚目を読み終えたあと、残った封筒の中に入っていたのは、私があげたミサンガだった。


第十章 忘れる事

 あの出来事から十年後。今日は八月八日、佐伯くんの誕生日。今日は十年ぶりに多笑さんに会いに行く日だ。

元気にしてるかな…、体調とか崩してないかな…。

 待ち合わせは、花火大会の時にいた学校の最寄り駅。

待つこと五分。少し遠くから多笑さんの声が聞こえた。

「道歌ちゃーん!」

「多笑さん!お久しぶりです!」

「久しぶりね〜!暑かったでしょ〜!早く涼しいところ行きましょ!」

今日はいつにもまして日差しが強い。多笑さんと入った喫茶店で昔話をしながら少しお茶をした。

「まさかあの道歌ちゃんが精神科のお医者さんになるとはね〜すごいわ」

「あはは、そんなことないですよ」

「ほんと、十年ぶりとは思えないくらい、道歌ちゃんとの出来事がついこの前みたいなのに、道歌ちゃん、こんなに美人さんになって…」

………。

「遼多が生きていたら、きっとお嫁さんにしていたでしょうね…」

「はい…。私も、遼多くんと結婚、したかったです。多笑さんと、お義父さんと、遼多くんと四人で住んで、明るく楽しい家庭を…築きたいと…今でも…うっ……」

「道歌ちゃん。私も同じ気持ちよ…。でもこれは、遼多のため、道歌ちゃんが幸せになることが遼多の幸せなの…。ちゃんとあなたの事を幸せにしてくれる人と出会ってちゃんと結婚するのよ。」

「………はい…。その時はまた…多笑さんと遼多くんに報告しに帰ってきますね…」

「さて、そろそろ行きましょうか。」

「そうですね、行きましょう」

そして私たちは懐かしい話をしながら佐伯くん、遼多くんのお墓へと向かった。

「遼多くん、久しぶりだね。あの日から十年経ったんだよ。私、精神科のお医者さんになったの。佐伯くんと学んだ事を活かして今沢山の人の命を救おうとしてるんだ。」

真昼の太陽を受けながら遼多くんに語りかけた。暑さなんてこれっぽっちも感じなかった。

「遼多くん。あの時はごめんね。私、ずっと後悔してた。あの時伝えたことを無かったことにしなければ、遼多くんは死ななかったんだって。本当にごめんなさい…」

涙をこらえていたのに、自然と溢れてしまった。

「…………私……今でも……佐伯くんがっ…!」

『遥乃…ダメだ…。』

っ…!佐伯…くん…?

佐伯くんの声が…聞こ…えた…

「さ、えきく…ん」

『大丈夫。大丈夫だよ。きっと上手くいく。幸せになれるよ。』

佐伯くんが居る、佐伯くんが見える…どうして…

『これは俺が作り出した幻想。母さんには見えていないよ』

佐伯くん…会いたかった…ずっとずっと…

『俺もだよ。会いたかった。』

でも、どうして私の前に…?

『あの手紙で言い残したことがあったんだ。それを伝えるために、遥乃の前に現れた。』

言い残したこと…?

『………あの時、あの手紙で言えなかったこと。…道歌。愛してる』

っ…!佐伯くん………ふ…うぅ…

『道歌。約束だ。俺の事は忘れる。できるか?』

やだ…やだよ…忘れたくない…。忘れたくないよ…!

『全く、ワガママだな…。俺以外の人と幸せになるには、俺は邪魔だろ』

邪魔なんかじゃない!佐伯くんにはずっといて欲しい!私の心の中にずっと…!居続けてよ!

『それじゃあ忘れられないだろ…道歌も…俺も…

言っただろう。俺はお前に幸せになって欲しいんだって。それが俺の幸せだって。』

…っ、でもっ…

『頼む。』

佐伯くん…………。わ、かった…。でも、一つだけ、お願いがあるの…。

『なんだ?』

辛くなったら、佐伯くんのこと…思い出していいかな…?

『……そんなの…いいに決まってるだろ』

……あり、がと…!

その瞬間、佐伯くんは消えて言ってしまった。

「道歌ちゃん!?一体何があったの?ずっとうずくまったまま動かないから心配したのよ!」

「多…笑さん…佐伯くんが…いたんです…。」

「っ…!」

「佐伯くんが…遼多くんが……私に最後に…会いに…」

「やっぱり…そうだったのね…」

「どういう…ことですか…?」

「私には姿は見えなかったけど…声が聞こえたの…。遼多の声が…」


『母さん。道歌を頼んだ』って


っ…!!

「それだけだったわ…私に聞こえたのは…」

「うっ…うぅ…!うあぁぁぁぁぁ!」

それ以来、佐伯くんの姿や声を聞くことは無かった。

佐伯くんの為に。私が幸せにならなくちゃ…。


そして数年後。私は私の私情を受け入れてくれるとてもいい人と結婚した。

約束通り、多笑さんと佐伯くんに報告しに来た。私が愛した人に。私の愛する人と。


「多笑さん。約束通り、結婚の報告に参りました。」

「えぇ、本当に、結婚おめでとう。きっと遼多も喜んでるわ。」

「こちらが私の愛する人です。」

「初めまして。道歌さんと結婚させて頂くことになりました。"美澄諒汰"と申します。」

「あなたも"りょうた"なのね。うちの息子と同じだわ」

「えぇ、道歌さんからお話を伺っております。遼多さんの代わりにはなれませんが、心の底から道歌さんを愛し、幸せにしたいと思っています。」

ちがうよ…。私があなたを選んだのは名前が同じだからじゃない。私のことを理解してくれた、そのあなたの心優しさに惹かれたの。

「諒汰」

「ん?どうした?」

「愛してる。これから末永く、よろしくね」

「あぁ、俺も愛してるよ。沢山幸せになって、遼多さん、安心させような。」

「……うんっ!」


エピローグ

 私の心の傷は、諒汰が埋めてくれた。

沢山の心の支えになってくれた多笑さんも数ヶ月前に他界してしまった。

私の腕の中には、新たな命を抱いていた。

「多笑さんに…会わせたかったなぁ…」

私はこの子に、私と同じ運命を辿らないように、後悔をさせないように、沢山のことを話そうと思う。

私が出会った、私が辿った運命を、いずれこの子に好きな子ができたら話そう。

「ね、諒歌」

女の子には、誰にも理解できない恋愛経験がある。

そんな恋愛経験を否定はしない。この子がどんな子を好きになって付き合うことになっても、私は全力で応援したいと思う。後悔を残さないように。


佐伯くん…。私に未来をくれて、ありがとう。

             

                      終

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

感動恋愛作品として書かせて頂きましたが、いかがだったでしょうか?

私としてもまだ曖昧な文章力、ストーリー性が弱いなとは思いますが、初作品として掲載させて頂きました。


また次回作品も掲載したいと思いますので、良ければそちらも読んでいただけると嬉しいです。

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