殿下の本題。
いつも更新が遅くなり申し訳ありません。
今回は短いですが折を見てちょこちょこ更新していきます。
「では今度こそ本題に入らせてもらおう」
トレヴァー皇太子殿下の言葉に、私は気を引き締め直してこくんと頷きました。
「実はな・・・」
と殿下が話始めようとしたとき。
「失礼いたしますわ!」
突然ガチャ!とドアが開いたかと思うと、一人の女性が入ってこられました。
後ろでは、護衛の方々が
「いけません!」とか
「困ります!」とか口々におっしゃっています。
「殿下!」
皆さんの静止を振り切ってお部屋に入って来られたのは、
金色の髪を見事な縦ロールにし、真紅の豪奢なドレスを着こなした女性でした。
その麗しい見た目とは裏腹に、目をキツく吊り上げ、顔を赤くし、これでもかと怒りを顕にしたその形相はまるで・・・
「殿下!これは一体どういうことですの!?この私とのお茶会を断っておきながら、こんなみすぼらしい娘と密会だなんて!!」
まるで、東方の戦いの神、修羅。
これは所謂、修羅場ってやつなのでは・・・!?
チラチラと心配そうにこちらを見るルイ様には申し訳ありませんが、私は少しワクワクしてしまっていました。
「ブリジット・・・。俺は仕事の邪魔をするなと言わなかったか?フィーナ嬢に謝れ。彼女への侮辱は許さん」
トレヴァー殿下は呆れつつも、ハッキリとした拒絶を彼女へ伝えました。
しかし・・・
「フィーナ嬢ですって!?こ、婚約者である私がありながら、他の女を、この私の前で、名前でお呼びになるおつもりですの!?」
そう。まさに火に油です。
ブリジットと呼ばれた女性はさらに怒りを強めながら、もはや金切り声といえるほどの甲高い声で叫び続けています。
「大体お仕事だとして、どうして私をお呼びにならないのです!?このようないかにも下級貴族の女に分かる程度のことが、この公爵令嬢の私に分からないとでも思ったのですか!?」
あら、女性の矛先が私に向いてしまいました。
怒って諌める殿下、キーキー声を上げ続ける女性、心配そうに珍しくオロオロした様子のルイ様を差し置いて、私は全く別のことを考えていました。
金色の縦ロールが見事な髪。真紅で派手なドレス。美しいであろう素顔を、これでもかと盛ったメイク。
そして殿下の婚約者であり、この執着心。
これは、この方は、もしや・・・!?
私は目の前の騒動そっちのけで、ひとつの結論にたどり着いていたのでした。




