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殿下のなぞかけ。

「ふむ・・・フィーナ嬢の話は興味深いな。何より知識が多い」



スイーツ談議が一段落して、新しい紅茶を注いでもらった頃、トレヴァー皇太子殿下がおっしゃいました。



「えぇ。フィーナさんの博識さは学院でも有名でしたから」



ルイ様がにこりと笑いながらおっしゃいました。



ただ図書館の本から得たり、お店の方から伺ったりしただけなのですが・・・。



私が恐縮しながら答えあぐねていると、笑顔だった皇太子殿下がスっと真剣な顔になり、姿勢を変え、私を正面から見据えられました。



「さて・・・フィーナ嬢。君をここに呼んだのは他でもない。その知識を少し借りたい」




空気がピリッと張り詰めるのを感じました。


最初の単なる緊張とも異なる、威圧感。


私は冷や汗が出るのを感じながら、



「私にお答えできることなら何なりと」



と皇太子殿下の目を見返しながら答えました。


ルイ様も、隣で成り行きを見守っているようです。



「うむ。では事情から話そう」




・・・皇太子殿下の話をまとめると、



なんとこの国に、バスロッド聖公国の君主であり、この国の国教、ミラド教の教皇様でもある、アヴィリオス14世様が視察にいらっしゃるそうなのです。



メインは王都の教会(私が普段お世話になっている孤児院のところです)の視察だそうですが

、この機会にルフト王国中の教会を回って下さるのだとか。



現教皇アヴィリオス様は、その高い地位にありながら、信徒一人一人を思いやり、親しんで下さる君主として有名です。



広い王国内を、時間をかけて回られるそうです。




「そしてそのために我々ルフト王国からの歓迎の証として、専用の馬車を送ることにした」



皇太子殿下がおっしゃいました。



バスロッド聖公国は船でなければ行き来のできない国。


公国から馬車を持ってくるのは難しいだろうとの配慮だそうです。



当然、要人中の要人が乗るのですから、安全性や防犯性に最大限気を配った豪華な馬車です。



しかし問題は・・・



「使用の終わった馬車の使い道、という訳ですね?」


私が言うと、皇太子殿下はうむ、と頷かれました。


「教皇は無駄や贅沢を大変嫌う。我々としても国民の血税で作られた馬車を使い捨てにはしたくない。」



かと言って、船旅では持って帰ってもらうこともできない。



教会への寄付も申し出たが、一教会でそんな豪華な馬車を使うことはないと断られたそうだ。



「そこで馬車を売ってしまって、その金額を教会や孤児院へ寄付しようとも考えたのだが、買いたいという貴族は多く現れるだろう。そのどれに、どういう方法で売れば最も波が立たず、公平かということも難しくなってしまった」



そこまで説明を終えると、皇太子殿下は体を背もたれに預け、ふーっと息を吐かれました。




「まぁ現状、不満は出るかもしれないが一番高く値をつけた者に売るのが妥当かという話になっている。結局、その者ひとりが寄付金を賄うような形になってしまうがな」



軽く目をつぶってそうおっしゃった後、私に向き直りながら、



「もしフィーナ嬢ならどうする?使い終わった馬車を無駄なく、そして公平に活用するには」



と尋ねられました。



「まぁ気負いすぎず思いついたことがあれば言ってみてくれ」



皇太子殿下の言葉を耳にしながら、私はうーんと考え込みました。



豪華な馬車。貴族であっても、うちのような下級貴族は自前の馬車を持っていません。

それも、教皇様がお使いになったという馬車なら、どの貴族、いえ、庶民の小金持ちであっても、皆欲しがるでしょう。



しかし単にオークションにかけたのでは、お金のある高位貴族が競り落とすに決まっています。



オークションをやる前から決まっているようなもので、公平とは言い難い。

もっと広く、欲しいと思う皆にチャンスがあり、さらに教会への寄付も多く募れる方法・・・




あ。


私はひとつ思い当たり、顔をぱっとあげました。



「宝くじ、なんてどうでしょう?」

お読み下さりありがとうございます。

ちょっと書き溜められたので明日も更新します。

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